エボラ出血熱が日本に入ってきた場合、対応できる指定医療機関は全国45か所だという。

45か所ということは、47都道府県の中には指定医療機関が存在しないところもあるということだ。

厚生労働省の資料から、エボラ出血熱対応可能特定感染症指定医療機関第一種感染症指定医療機関を調べて地図に落としてみることにした。




特定感染症指定医療機関は東京、千葉、大阪の3都府県に3か所。

第一種感染症指定医療機関は44か所だが、そのうち千葉の成田赤十字病院と大阪のりんくう総合医療センター特定感染症指定医療機関にも重複指定されているので、全国で45か所ということになる。

☆ 特定感染症指定医療機関・第一種感染症指定医療機関一覧

感染症指定医療機関45か所一覧
上の地図はクリックで拡大されます。

(2014/10/28付で、本記事下部に地図の改訂掲載)



ご覧のとおり、青森を含め、全国9県でエボラに対応できる指定医療機関が存在しないことになる。(2014/10/28付で、本記事下部に追記あり)

そして、東北の地方中枢都市・仙台を抱える宮城県にも存在しないのは意外だった。
仙台空港に到着した人間がエボラを発症したら、福島医大か山形県立中央病院まで運ぶということか・・・



特定感染症指定医療機関第一種感染症指定医療機関が存在する都道府県でも、鳥取のように人口60万に満たない県でも1か所(鳥取県立厚生病院・倉吉市)あるような例もあれば、人口の割には少ないところもあったり。

一例を挙げれば、人口700万を超える愛知県は名古屋第二赤十字病院の1か所2床。
人口550万を抱える北海道も、83456.75k(北方領土込み)という広大な面積に札幌市立札幌病院の1か所2床だけ。



政令指定都市でも、第一種感染症指定医療機関存在しない都市仙台以外に、浜松や北九州など複数。

川崎とか相模原とか千葉とか、大都市圏であれば近隣に所在するのだけれど、地方だとたとえ政令市であっても、エボラ患者はある程度の距離が離れた医療機関まで搬送しないとならない所もあるようだ。



もっと第一種感染症指定医療機関があっても良いような気もするけれど、きっと平時に維持するのも大変なコストがかかったり、人材が必ずしも必要数に達しているわけでもないんだろう。




 2014/10/28 追記 
WEB東奥によれば、2015年4月までに青森県にも第一種感染症指定医療機関が設置されるとのこと。
Ebola hemorrhagic fever To-o nippo press
上のスクリーンショットはクリックで拡大されます。

ここから引用(2014年10月28日付東奥日報)
■県病にエボラ対策病床
県は、エボラ出血熱など危険性が極めて高い「1類感染症」の患者を受け入れる病床(1床)を、県立中央病院(青森市)に整備する。今春から工事を進めており、来年3月に完了する。三村申吾知事が来年4月、感染症法が定める「第1種感染症指定医療機関」に指定し、病床を稼働させる方針。また、県は来年1月にも、県内の感染症医療従事者対象の研修を実施するなどし対策を強化する。

ここまで引用

青森県で第一種感染症指定医療機関に指定されるのは青森県立中央病院(県病)だそうで、今年の春から工事に着手していたようだ。

こういうインフラの整備って、青森は遅い方のワーストに入りがちなので、思ったより早くてびっくり。
まあ良いことだ。




じゃあ、青森以外の8県の第一種感染症指定医療機関の設置計画は?
2014年10月28日現在 ブロ玉まとめ

宮城県2017年3月に東北大学病院が新設予定
<エボラ熱>東北大病院が病床新設へ
エボラ出血熱やペストなど、危険性が極めて高い「1類感染症」の患者受け入れに向け、東北大病院(仙台市青葉区)が必要な病床を新設する方向で検討を進めていることが21日、分かった。2017年3月の完成を目指す。完成後、1類感染症に対応する「第1種感染症指定医療機関」に宮城県内で初めて指定される見通し。(以下略)
ソース:2014年10月22日付 河北新報

秋田県具体的な新設予定なし・県外へ搬送予定
『エボラで入院可能施設なし 秋田など9県未指定』
エボラ出血熱が猛威を振るうなか、これら致死率の高い「1類感染症」の患者が入院できる「第1種感染症指定医療機関」が、秋田など9県で未指定のままになっている。現状では、県内での患者対応が難しく、県外の指定施設へ搬送するなどの措置が必要になる。このため、県は早期の指定を目指しているが、病院側とコストや人員面の折り合いがつかず、指定交渉は難航している。
(中略)県は8年ほど前から、第1種の指定を複数の病院に打診しているが、専用病室の増設費や運営費が障壁になり、合意していない。
(中略)ただ、エボラ出血熱の感染拡大により、万一の備えの必要性が高まったこともあり、県は今後、経費を精査し直したうえで、改めて医療機関に打診し、「できるだけ早い指定を目指す」(健康推進課)方針だ。

ソース:2014年10月22日付 読売新聞秋田版

石川県具体的な新設予定なし・感染症患者受け入れ協定に基づき大阪府へ搬送予定
『エボラ出血熱 県内は現在受け入れ施設なし(石川県) 』
西アフリカで猛威を振るい、アメリカなどでも感染が確認されたエボラ出血熱。県内では現在、受け入れ施設が無く、患者が発生した場合は大阪の医療機関での対応となる可能性が高いことが分かった
ソース:テレビ金沢

香川県具体的な新設予定なし・近隣県へ搬送検討
(香川県には厚生労働省の資料では今年4月現在存在しないという)「問題については(中略)承知しており(中略)現在の状況を踏まえて近隣県との連携を常に担当部署において検討」している状況。
ソース:平成26年10月20日(月曜日)香川県知事定例記者会見要旨

愛媛県原則1か所新設予定はある・愛媛大学病院への入院・県外搬送も
(略)第一種感染症指定医療機関を原則として県内に1箇所指定する(略)。本県において、第一種感染症指定医療機関が指定されるまでの間に、一類感染症の患者等が発生した場合は、愛媛大学医学部附属病院及び第二種感染症指定医療機関と個々に協議を行い、入院治療を依頼する。また、これらの病院で入院治療が困難な場合は、第一種感染症指定医療機関を指定している都道府県の協力が得られ、患者等の移送が可能な場合にあっては、当該都道府県を通じて、第一種感染症指定医療機関に入院治療を依頼する。なお、患者の症状等からその移送が困難な場合等においては、法第19条第1項ただし書の規定により、知事が適当と認める医療機関に入院させ、国や関係機関の協力を得つつ患者の治療及び感染拡大防止に万全を期するものとする。
ソース:愛媛県における感染症の予防のための施策の実施に関する計画・第4 感染症に係る医療を提供する体制の確保に関する事項・第一種感染症指定医療機関及び第二種感染症指定医療機関の整備

大分県具体的な新設予定なし・熊本県へ搬送予定
『エボラ対策、国内警戒 指定病院で訓練/水際の検疫強化 隣県搬送も検討』
(略)大分県では隣県の熊本市民病院に運ぶことを考えている。だが、県の担当者は「搬送に救急車を使えるかも決まっていない」と話す。一方で、県は県内の病院にエボラ出血熱に対応できる指定医療機関になるよう要請。しかし、空調や給排水設備の改修が必要で、今のところ受け入れる予定はないという。(以下略)
ソース:2014年10月22日付 朝日新聞

宮崎県不明

鹿児島県具体的な新設予定なし・第二種感染症指定医療機関がやむを得ず対応
『エボラ出血熱 県・検疫所で感染防止対策』
県内12の第二種感染症指定医療機関に対し、疑い患者が発生したとき「緊急やむを得ない場合」の対応として、協力を依頼する文書を8月に送った。必要に応じて、第二種施設での防護服の着脱訓練なども検討する。(中略)「高度で専門的な対応が必要となるので、診断が確定するまでは(第二種施設には含まれていない)鹿児島大学病院の医学的支援も得たい」と話す。(略)
ソース:2014年10月24日付 南日本新聞


感染症指定医療機関45か所一覧(改訂)
上の地図はクリックで拡大されます。


ということで、2014年10月現在でエボラに対応可能な第一種感染症指定医療機関が存在しない9県のうち、青森(2015年4月)宮城(2017年3月)2県には新設される具体的な予定があり、あとは愛媛が原則として県内に1か所設置する方針である、というくらいだろう。

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