このところ道路交通センサスで遊んでばかりいる中、今回使用したのは同じ国土交通省が公表している「道路統計年報」。

「道路統計年報」は、センサスと異なり、毎年公表されているのが特徴だ。
センサスと異なり、EXCELでの公表ではないので、個人で編集して計算するのには手間がかかるほか、平均旅行速度など詳細な数値や、路線ごとのデータなどの公開はない。
が、高速自動車国道の各地点間の1日平均交通量(台数)を毎年、知ることが出来るのが特長だ。

実は昨年、道路統計年報2014が公開されており、平成24(2012)年度の高速自動車国道の交通量が明らかになっている。

2012年度といえば、年度始まって間もない4月14日に新東名高速が静岡県内で開通した年である。
開通直後は、マスコミでも交通量について報道があったと思うが、実際に具体的な数字がどのようなものであったのか、「道路統計年報」を用いて2011年と共にまとめてみることにした。

まずは、2011年から。


☆名古屋⇔東京 高速道路1日平均交通量図(2011年度)
東名高速 中央道 交通量図 2011年
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2011年度といえば、東日本大震災の直後の年である。

自民政権下で2009年3月に始まった休日上限1,000円の割引が、民主政権下で2014年4月まで延長と決まったものの、震災復興財源を確保するため、結局6月で終わってしまった年だ。
民主政権下で2010年から始まっていた地方部の高速道路無料化社会実験も、6月で終わった。
一方で、被災者を対象にした無料措置や、被災地域の路線で中型以上の車両の無料措置が始まっている。

首都圏と名古屋を結ぶ東名高速と中央道は、東日本大震災の被災地域を通らない路線であり、無料実験の路線でもなかった。
交通量に影響を与えそうな要素としては、休日上限1,000円の廃止が大きいと思われる。

が、ふたを開けてみれば、東名高速も中央道の交通量も、対2010年比で99%でほぼ横ばいと言っていい数値であった。

2011年度は、
東名高速の全区間平均1日通行台数が約74,638台
中央道の全区間平均1日通行台数が約45,511台
と、単純計算であるが2路線合計で1日平均約120,148台であった。

次に、翌2012年を見てみよう。


☆名古屋⇔東京 高速道路1日平均交通量図(2012年度)
東名高速 新東名高速 中央道 交通量図 2012年
【画像はクリックで拡大します】

2012年度といえば、被災者を対象にした無料措置が、福島第一原発事故の被災者を除いて順次廃止された。
また、前述のとおり、新東名高速の御殿場JCT⇔三ヶ日JCTが開通した。

当然のことながら、東名高速の並行区間では交通量がほぼ半減した。
もっとも交通量の落ち込みが緩やかだったのは、新東名とのアクセスに使われる清水JCT⇔清水だが、これでも対2011年比で54.4%という激減ぶりだ。
もっとも落ち込んだ率の高い吉田⇔相良牧之原では対2011年比で47.2%まで交通量が減ったのだ。


対する新東名高速の交通量はというと、東名高速並行区間の落ち込みを補って余りある、1日平均48,653台という高数値を出している。
御殿場⇔三ヶ日の新旧交通量合計は、2011年より増加したのである。

参考までに、新東名高速:東名高速の交通量比は57.5:42.5であった。


新東名高速の開通区間を挟む東西の東名高速でも交通量が増加した。

東京⇔御殿場では平均1日通行台数が約101,679台で対2011年比で102.6%。
三ヶ日⇔名古屋でも平均1日通行台数が約79,787台で対2011年比で106.9%。

新東名高速の開通があった2012年度、静岡を経由する東名高速ルートは、前年を上回る数値を出したのである。

新東名開通後の東名間高速道路交通量推移
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一方で、山梨と長野を経由して東名間を結ぶ、中央道の交通量は対2011年比で94.9%と落ち込んだ。

中央道のほかに、東京を起点とする放射状の高速道路の中で、前年比95%を割り込んでしまったのは、被災者の無料支援が終了した影響が大きい東北道と常磐道のみである。

新東名高速開通前、全区間平均で約80,000台という莫大な交通量があった東名高速の混雑を嫌って中央道に分散していたクルマがいくらか減ったのだろうか。

それもあるだろうが、首都高速中央環状線(西新宿−大橋)が開通するなど(2010年)して、中央道方面が便利だった新宿などの地域から東名高速方面へアクセスが大きく向上したのもあるだろう。
2005年に新宿から四国へ高速バスで行った際、中央道を走って行ったのと同じ便に2011年に乗ったら、東名高速 足柄SAで休憩していて、路線変更に驚いたことがある。

特に、名古屋を越え、その向こうの近畿や中四国・九州を見据えた場合、愛知県の豊田JCTから伊勢湾岸道に入り、新名神高速に向かうのが最短ルートとなる。
中央道からも東海環状道や名古屋都市高速で伊勢湾岸・新名神方面へ行くことはできるが、遠回り感は否めない。

東名・新東名に対し、中央道の相対的な地位は、低下傾向にあるとみてよいのだろう。



今年はセンサスの調査も行われる。
早ければ、来年頃には、新東名高速の平均旅行速度も算出できるだろう。
毎年更新される道路統計年表のありがたみにも触れつつ、早く、最新のセンサスのデータに触れたいと思う。

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