3月17日の河北新報を読んだら、『<読者と考える紙面委員会>消滅可能性都市/団体自治守る姿勢を』という記事が目に付いたので、抜粋してみる。



◎東北再生の道、多面的に
 河北新報社は2月24日、「人口減少時代の報道と震災復興」をテーマに第37回「読者と考える紙面委員会」を仙台市青葉区の本社で開いた。急激な人口減少と課題山積の東日本大震災からの復興をどう伝えるべきか。仙台弁護士会の荒中弁護士、仙台市産業振興事業団の熊谷建一常務理事、東北大会計大学院の成田由加里教授の3委員が意見を交わした。(司会は河北新報社編集局長・鈴木素雄)

 −「全国自治体の半分が将来、消滅するかもしれない」とした日本創成会議の試算に衝撃が広がっています。東北では福島を除く5県で約8割の市町村が消滅可能性都市とされました。河北新報の一連の報道をどうみますか。
  試算は大変ショッキングだが、人口問題に真剣に臨むきっかけになった。ただ、人口減少対策を転じて富国強兵を推し進めようという勢力も見受けられる。慎重な報道を心掛けてほしい。
 −慎重な報道とは?
  人口減少で問われているのは、地方が自治を維持できるかどうかだ。人口問題とは地方自治の問題であり、地方自治とは憲法問題であるという認識が欠かせない。団体自治を守り抜く姿勢が求められる。
 熊谷 人口減少は重い現実であり、侮ってはならない。「子供を産む中心世代の女性(20〜39歳)の増減」を指標に用いた創成会議の発想は興味深い。
 成田 「女性の活用を」と表現したマスコミがある。高度経済成長期には「家を守れ」と言われ、生産人口が少なくなると「働け」と言われる。女性は社会の調整弁ではない。こうした問題を指摘した河北新報の記事は評価できる。
 熊谷 日本全体の人口が減る問題と、限られた人口をめぐる地域間競争は、分けて報道してほしい。人口減を前提に、それでも幸せに暮らせる国を目指すべきだ。東北にとっては震災に続く第2の津波であり、そのハンディを訴える報道を望みたい。
 −正月紙面では仙台が東北で果たしてきた人口の「ダム機能」が低下していると指摘しました。
 熊谷 仙台は札幌、広島、福岡など同規模自治体に比べて都市機能が弱い。ミニ東京を目指すのではなく、東北の他都市との連携を模索したらどうか。
  シンクタンク機能を有する大学の集積、地下鉄東西線の開業や常磐道の全線開通で形作られる交通網の中心地、大生産地に近接した大消費地。これらが仙台の都市特性だが、十分生かされているとは言い難い。もっと外に向かって発信すべきだ。
 成田 どのような機能があればダムとして効果を発揮できるのかを報道が示してほしい。例えば人材育成、キャリア教育を仙台で実現できないだろうか。ダムではなく必然的に人が集まるまちになるための示唆を報道に求めたい。



この記事を読んだ、青森出身で現在やむをえず東京都民の自分は「残念」という印象。

何点かにわけて、自分の考えを書いてみる。


1.『人口減少対策を転じて富国強兵を推し進めようという勢力も見受けられる。』

荒弁護士がいうような、人口減少対策にからめて富国強兵を推進せよ、という勢力をまだ見たことがない。
まあ、本当にいるのかもしれない。
が、逆説的に言えば、人口減は国防上のリスクになるということを気づかせてくれた。

2010年の国勢調査の数値を用いて論じてみる。
下の表は、0歳〜39歳までの年齢層を5歳単位に区切った、日本の人口である。
2010年 日本 年齢層別人口 グラフ

少子化が進んでいるのが一目瞭然であろう。
2010年現在の日本の20代の人口は1372万人だ。
実際には、不幸にも若くして亡くなってしまう人もいるし、外国人が帰国したり入国することで人口は変動するのだが、それらを無視して、2010年の10代以下の人口が変動しないと仮定して、今後の20代人口がどのように変動するか計算してみたのが下の図。
20歳代人口推移

今年2015年には、1249万人に減る見込みとなる。
123万人以上減るのである。

0歳児から100歳越えのご長寿まで全員あわせた仙台市の人口より多いぞ。
続いて、2020年を計算すると、1198万人。
2030年には1088万人まで減る。
2035年になると、20代後半の人口が530万人を割る状況なので、おそらく1000万人の大台を割ることになる。

さて、こういう書き方はしたくないが。
2015年現在の自衛隊員数は22万。
日本が実際に戦争に巻き込まれた場合、有力な戦力となりうるのは30代以上の隊員より20代の隊員であろう。

自衛隊の20歳代の具体的な数や、その存在がどのような戦力となるのかは定かではない。
が、平成26年版の防衛白書によれば、自衛隊員数の充足率は91.3%である。
2010年時点で1372万いた20代の人口が、2030年には2割以上減の1088万となるわけで、必然的に自衛官(に応募しようとする人)の数も減少することは想像に難くない。

dremonkkmsil一方で、日本のお隣では、中国とロシアは絶賛軍備増強中。
東日本大震災直後、被災地で若い自衛隊員が救援活動をする最中、中露がちょっかい出しにきて自衛隊機がスクランブル発進したのも記憶に新しい。
日本の自衛隊は、国を防衛するために、隊員がどんどん高齢化して、総数も少なくなるという条件で、そういう隣国と対峙しないとならんのである。

この状況が続くようだったら、打開策として徴兵制創設とか、核武装なんて言い出す政治家やマスメディアも出てくるだろう。
この画像は勝手に引用したドラえもん「しかえしミサイル」の一場面だが、ジャイアンとスネ夫を中露、のび太を核武装した日本だと置き換えてとして考えてみよう。
河北は、こういうの世の中になることを望んではいないんじゃないのか?
自分も、子供が徴兵制で連れていかれて中国だのロシアに殺されたら嫌だ。


2.『女性は社会の調整弁ではない。』

おっしゃるとおりです。

同時に、男は子供を産めないんですが。

「問題を指摘した河北新報の記事は評価できる」とお褒めの言葉を貰って終わっちゃった河北新報に残念さを感じずにいられない。

世の男どもに「子育てを嫁に押し付けっぱなしにするな」とか、産業界に「もっと社員に産休・育休くれてやれ。ていうか男にも育児休暇とらせろ」とか、国に「出産や育児にもう少し手厚く援助とか、なんとかしろ」とか言えてたら評価できたのだけれど。

子供が生まれやすくなるような社会をつくる方策を提示すればいいのに。
まあ、この人、「人口減を前提に、それでも幸せに暮らせる国を目指すべきだ。」って言ってるくらいだから、人口減少問題を容認しちゃう考えなんだろう。


3.日本全体の人口が減る問題と、限られた人口をめぐる地域間競争は、分けて報道してほしい。

この熊谷氏の発言に続いて、河北新報側から「仙台が東北で果たしてきた人口の「ダム機能」が低下していると指摘」したなんて話が出てくる。

で、「仙台の都市特性だが、十分生かされているとは言い難い。もっと外に向かって発信すべきだ。」とか、「どのような機能があればダムとして効果を発揮できるのかを報道が示してほしい。例えば人材育成、キャリア教育を仙台で実現できないだろうか。ダムではなく必然的に人が集まるまちになるための示唆を報道に求めたい。」というコメントが出てくる。

日本全体の人口が減る問題より限られた人口をめぐる地域間競争仙台の人口のダム機能低下問題にずいぶんと熱心なようで。

実際、正月の1月4日に河北新報は「仙台は東北、北海道から人を集め、東京など大都市への流出を抑制してきたが、転入は減少傾向にあり、両地域の割合も低下しているからだ。ダム機能は東京一極集中の是正に重要だ」と書いていたり、仙台市役所職員の話として「東北の人が仙台を通り越して首都圏などに流出している可能性がある」と、東京へのライバル心が隠せないでいる。

そんなわけで、『東北5県(青森、岩手、秋田、山形、福島)の人口が減る問題より、5県の人口が仙台に入ってこないのはけしからん』ってのが河北新報というか仙台の本音なんじゃねーかと。

河北は『日本の東京一極集中がで、東北の仙台一極集中はだ』とでも言いたげではないか。
これは自分、青森県人としても東京都民としても容認できる話ではない。



で、仙台に必然的に人が集まるまちになるために人材育成、キャリア教育を仙台で実現できないだろうかと書いたりしてるが…

お前ら、その前に、東北大学の頭脳流出問題と向き合えよ。
omae
東北大学の優秀な学生が、卒業後に大部分が東京など仙台以外に出てしまっていて、旧帝国大学の中で地元都道府県に留まる学生の比率がワーストという体たらくを晒している仙台にミルコ・クロコップの画像を久しぶりに貼ってしまう。

今の仙台で人材育成、キャリア教育を行う街づくりを実現しても、東北大卒業生と同じで出ていくよ。


この記事だけ読んで河北新報や仙台を論ずるのは乱暴なんだろうけれど、河北新報が少子高齢化問題と、東京一極集中問題と、東北の消滅可能性都市が多数ある問題をきちんと理解できてるとは思えない。

河北は昨年8月8日に『人口減対策「仙台がダムに」増田氏講演』と題した記事を掲載している。
増田氏というのは元岩手県知事で元総務大臣の増田寛也氏のことだ。
増田元大臣が「東京一極集中の歯止めとして仙台が東北のダム機能を果たさなければいけない」と指摘したと書いてある。

恥ずかしながら、増田元大臣の本や日本創生会議のレポートをちゃんと読んだわけではなく、テレビで増田氏のコメントを聞いた限りの印象だが、増田元大臣が言う「東京一極集中の問題」と、河北や仙台が考えている「東京一極集中の問題」は内容が違うんじゃないかと思う。

増田元大臣が指摘する東京一極集中の問題は、東京の過密化のリスクと、東京の出生率の低さではないかと、自分は考える。

47都道府県別出生率20112011年の日本の合計特殊出生率は1.39だが、東京都の出生率は47都道府県で最低の1.06しかない。
ただでさえ少なくなってきている若者が、みんな出生率の低い東京に集まっていてはますます少子化が進むというのが問題なのだ。

東京は過密ゆえに宅地面積も狭くならざるを得ず、環境的に子育てが難しい。
都心に近いところで狭い家で我慢するとか、郊外から1時間とか2時間とかかけて通勤するとか方法はあるが、それはきつい。
精神的・肉体的な理由だけではなく、前者の場合は都心に近いだけ家賃が高額になるし、後者の場合は交通費が高額になる。

子育てで、それ以上にきついのが教育費用の問題。
多くの県庁所在地の場合、自宅から通える距離に国立大学があるが、南関東4都県の国立大学は東大を筆頭に東工・一橋・外大・横国・千葉大など難関校ばかり。そういった国立大に行ける学力が無ければ、高い学費の私大に入れるか、遠隔地の国公立大学に下宿代込みで通わせるしかない。
奨学金を申請する手段もあるけれど、未納も大きな問題になっているわけで、大学に入れたはいいが子供が奨学金返済滞納者でブラックリスト入りなんて笑えない事態がふつうに起こりうる。

てことで、東京に住んでいては、とても子供をたくさん産んで育てようとは考えにくくなる。
わしは掃除洗濯も飯炊きも手伝って嫁さんの負担を減らそうとしているけれど、嫁さんは普通に「子育てのために青森に帰りたい」と言うし、一部上場企業(某業界の最大手)の正社員なのに「青森の男と結婚して青森に帰りたい」と言って県職員と見合いした同級生も知っている。

東京は確かに都会で、田舎には無い便利で専門的なサービスも多い。
自分も都会に憧れて大学から青森を出たし、東京に憧れて東京に出てくる若者も多いのだけれど、当然、都会のサービスを享受するにはそれなりの金がかかる。

田舎が嫌で東京に憧れるとか、地方に仕事がないとか、色々な理由で東京に集まるのだけれど、そもそもバブル期や高度成長期と違って、非正規雇用で東京に仕方なく来る人が多いのも問題で、非正規雇用の若者ほど金に困るのだから、少子化に歯止めがかかる訳がない。
それ以前に結婚すら難しい状況に陥っている若者も多かろうに。

こういった、『子供を産み育てる世代を取り巻く社会構造が厳しくなっている』という問題が、増田元大臣の考える東京一極集中の問題の核ではなかろうかと思う。

東京より子育て環境が良く、出生率も比較的高い地方に若者が残っている必要がある、というのが増田元大臣の言いたいことでなかろうかと推測する。
現に、増田元大臣は「仙台の出生率はもっと高くてもいい」と指摘もしているし。
これ、調整弁じゃないって意見の人が怒りそうだけれど、「仙台は出生率が低いから上げろ」ってことじゃないか。

もっと言っちゃえば、仙台が東北の一極集中拠点になって東京みたいに出生率が下がるくらいなら、仙台なんかどうでも良くて盛岡とかが代わりを務めればいいとも考えていると思う(岩手県知事だったしね)。



河北新報は日本全体の人口が減る問題と、限られた人口をめぐる地域間競争は、分けて考えたいんだろうけれど、分けて考えるのは支持できない。

日本という国全体に対しては、゛人口減を前提に、それでも幸せに暮らせる国を目指せ”と訴えながら、東北他県に対しては仙台への人口流入が鈍るのを嘆くとか、ムシが良すぎるでしょう?

もう一回書くけど、これ河北新報だけじゃなく仙台市の本音じゃないの?
というのは、仙台が政令指定都市になりたいがために、旧宮城町に「モノレール建設」とか「人口5万突破で旧宮城町を分区」と合併後の特約をチラつかせて、全部ご破算にしている前科前例があるからである。
同じ県内の隣町に対しても仙台はこの最低な態度なので、東北他県など人口供給地くらいにしか思っていないのであろう。

「消滅可能性都市/団体自治守る姿勢を」と題していながら、仙台も河北も東北各県の消滅可能性問題はどうでもよく、結局は東北から仙台に人口が集まらなくなるのが怖いのである。

ぶっちゃけ宮城県以外では河北新報の発行部数は大したことないわけで、宮城以外の5県が滅びようとみんな仙台に集まってきて河北新報を取ってくれれば経営的にはまったく問題ない。
むしろ、東奥日報とか岩手日報とか秋田魁といった東北5県の県紙が人口減で弱体化する間隙を縫って、河北は東北のブロック紙の座を狙いたいんじゃないかと。違う?

仙台に人口を供給している東北5県が滅びたら、今の出生率のままだと仙台の人口も減りに減って、河北も弱体化するというのがわかってんだろうか。


じゃあ青森は仙台にどう対峙すべきか。

自分は仙台市という都市は、青森県の全市町村よりも魅力度の高い都市だと思う。
今は仕事で仕方なく東京に住まわされているが、職場が仙台だったらどんなにいいかとさえ思う。
でも、仙台が好きかと聞かれれば、そうではない。

個人的に、仙台と組むより、青森は札幌と組んだ方が良いんじゃないかと思う。

以前、「盛岡以北の高速道路の休憩施設について」と題した記事でも触れたが、今青森にある高速道路とか新幹線とかの公共インフラは、津軽海峡の向こうに北海道があるから整備されたと言って過言じゃないだろう。

岩手と違って青森には鈴木善幸みたいな我田引鉄が出来る政治家がいたわけでない。
地元へ利益誘導するような政治家がいなかったのに、東北自動車道八戸自動車道も、秋田や山形や磐越の各線に先駆けて開通し、しかも最初から4車線で整備されたなんてのは、青森が東京⇔札幌の『北東国土軸』の上に見事に乗っかっているからに他ならない。

北海道のおかげというのを逆説的に言えば、北海道がダメになれば、青森もダメになるということだ。
ちょっと極端だが北海道の稚内を例にすれば、1922年に宗谷本線(天北線ルート)が到達し、わずか4年後には幌延経由の短絡新線(現在の宗谷本線)まで建設され、戦況が悪化しても最後まで急行列車が走っていたというが、樺太を喪失して一気に運命が変わってしまったではないか。


すでに、約40年も前から、北海道と首都圏の旅客流動は千歳⇔羽田の航空機が主流になってしまっていて、『北東国土軸』を支えてきた青函連絡船基地という役目を担う街としての青森市の重要性は薄くなっている。

それでも、千歳から飛行機に積めないような物資の輸送という面では、24時間フェリーが行き来する青函航路のみならず、八戸・苫小牧航路など、まだまだ青森県は北東国土軸の上で重要な役割を示す地位にあると言ってよい。



一方で、同じ北東国土軸の上にある岩手(盛岡)、宮城(仙台)、福島との関係を見てみると、青森の地位というのは、決して良いとは言えない。むしろ悪い。

1982年の東北新幹線 大宮・盛岡開業で、「青森にあった北東北支店や北東北営業所の類がみんな盛岡に行ってしまった」というのを、青森の年配者の話や学校の授業で聞いたことがある人はいるだろう。
交流軸の都市階層

南の方からの視点でみると、東北の拠点として支社を置く位置は仙台であり、仙台支社の管轄下である北東北の営業所は盛岡に置き、青森はその下という状況に甘んじている現状は認めざるを得ない。
東京を札幌、仙台を旭川、盛岡を名寄、青森を稚内に置き換えて北海道の鉄道で考えてみると、旭川まで電化区間→名寄まで非電化高速化区間→稚内まで非電化未改良、と変遷するように、東北でも交流軸の上で都市が階層化されているのである。
実際、最下層の青森には盛岡から28年遅れでフル規格の新幹線が来ることになったが、背後に北海道がなかったら秋田のように新在直通特急に甘んじるか、長崎のようにいまだに新幹線の目途が立たない状況にあったはずだ。
背後を失った稚内と、失っていない青森の違いである。



ここで、北海道と東北の7道県に本店を置く株式上場企業の、北東北地方および道南の主要都市への拠点配置状況をみてみたい。

東証一部・二部・マザーズ、札証・アンビシャス、JASDAQ、セントレックス等の株式市場に、7道県から97社が上場している。
これら97社が、青森、八戸、弘前、函館、盛岡、秋田の各都市に事業所を置いている数をまとめたのが下表だ。
拠点配置状況

ご覧のとおり、北東北・道南においては盛岡への拠点配置数が34社と最多である。
続くのは29社が拠点を置く青森と八戸。なんと八戸は秋田に勝利した。
97社あるうちで、34対29なら、青森も思ったほど盛岡に差を付けられていないと思うかもしれない。

が、宮城県に本店を置く23社で見てみると、盛岡に拠点を置くのは12社に対し、青森はわずか7社と惨敗
八戸には10社が所在し善戦しているが、やはり盛岡に及ばない。

南東北3県の42社で見てみると、盛岡の16社に対し青森は10社で、秋田の15社にも水をあけられている状況だ。

まあ、仙台を中心とする南東北からすれば、北東北で拠点とすべき都市は盛岡であり、青森はそれ以下に見られているのである。
拠点が盛岡にあって青森にないという南東北の会社は6社あるが、その逆で青森にあって盛岡に拠点がないという南東北の会社は1社のみである。



一方で、北海道に本店を置く会社42社で見てみると、青森が10対8で盛岡を逆転し、北東北1位である。

このうち、少なくとも2社(うち1社は函館ではなく札幌)は統括支店が青森市にあり、盛岡にあるのは青森の統括下の営業所や出張所である。
北海道の会社で、拠点が盛岡にあって青森にない、というのは1社のみ。
逆に、青森か八戸のいずれかに拠点があるが盛岡にはない、という社は4社にのぼる。

やはり、商品の物流という視点で考えれば、本州側に最も安いコストで、かつ速く搬送できる拠点を選ぼうと考えれば、北海道の会社にとって拠点を置くべき土地は青森か八戸なのであろう。


青森に拠点を置かない仙台(南東北)と、拠点を置いてくれる北海道(札幌)を比較したら、どちらが青森県にとって有益なパートナーであるか、ハッキリしている。

人口減が進む中で、青森から拠点が撤退しないよう、青森の人は北海道の会社と取引を活発にするとか、北海道の会社の商品を買って売り上げに貢献するとか、少しでもできることはした方が良いと考える。
特に食の分野において北海道というブランドは絶大であり、北海道の業者とタッグを組んで青森県産品を原料にした食品を開発するとか進めてほしい。

青森も函館も人口が減っているが、交流人口を増やせばいい。
新幹線効果で青函圏の人の行き来が活発になれば、ダメージを少なくできる。
青森の人が函館で買い物をして函館に金を落とし、その逆で函館から青森に落ちる金も増えるよう、青森や函館の人ががんばらなければならない。

青森市の人は、1982年の盛岡暫定開業の際の大手企業支社の青森一斉撤退・盛岡一斉移転という、終着駅に繁栄を奪われるというトラウマが未だにあるのかもしれんが、『函館を訪れた人が青森に来てくれるチャンス』だと思って動いた方が良いのにと思う。
函館市は確かに北日本を代表する観光地だが、函館観光の次に行く「二次」観光地となれば、大沼公園とかに限られてくる。
公共交通機関を利用するなら、同じ道南の松前や江差でさえ片道2時間はみておきたいほどで、札幌や小樽、旭川(旭山動物園)、富良野などの超強豪観光地は函館から非常に時間がかかるのだ。
なら、「函館に来たついでにどっか行く?」の候補地として、青森は有力候補になるというものである。


幸い、新函館北斗開業に向けて、新幹線が通らない下北半島の人たちも含め、青函圏の交流が活発になってきているのは喜ばしいことだ。
八戸開業のときも新青森開業の時も、隣の県とは何もしてなかったし、青森はやはり北海道を向くべきだ。



北海道に元気でいてもらうために青森も協力する必要がある

実は、少しずつではあるが、札幌の支社機能を仙台支社に移管し、札幌は営業所に降格、という企業が増えてきている。
これは地理学概論なんかの論文雑誌でもたまに指摘する論文や寄稿を目にすることがある。

すなわち、札幌の地位低下・仙台の地位向上ということになるが、青森にとって好ましいことでない。

先述した7道県の上場企業の拠点分布を調べる過程で、面白い事例があったので、紹介したい。
エヌデー社

上図は、山形県南陽市に本社を置くエヌ・デーソフトウェア株式会社(東証二部)のホームページに記載されている営業所の地図だ。
北海道のうち、道南のみ、東北と同じ色に塗り替えられているのがわかる。
実際にサイトへアクセスすればわかるのだが、この会社では札幌にある北海道営業所の営業エリアから(函館エリアを除く)と明記し、仙台営業所のエリアとしているのだ。

このように、函館が札幌から仙台の影響下に入りつつあるのだ。

北海道新幹線が開業したら、函館から札幌より仙台の方が時間的に近くなってしまうので、放置すると仙台への傾斜は加速していくことになる。

寂れつつあるとはいえ、函館は人口27万弱を擁する北海道第三の都市である。
釧路や帯広と言った函館に次ぐ有力都市の人口が20万を割っているような状況の北海道を統括する札幌にとって、函館の統括権を仙台に握られるのは軽い問題ではない。

仙台による函館への侵食を阻止するには、北海道新幹線の札幌早期開業を目指すのが最も効果的だ。

函館が、195万都市の札幌と新幹線でつながれば、札幌よりも遠いうえに105万と都市規模が格段に小さい仙台に勝ち目は薄い。

青森もそうだ。
札幌と仙台が等距離・等時間であれば、札幌に傾斜するだろう。

国分町とススキノと聞いて、心が躍るのは後者だ。
なんやかんや、性欲とか食欲と言った一次的欲求が渦巻く歓楽街というのは、都市のパワーを見事に反映させているものである。


スポーツなどの文化面でも北海道と関係が強くならないだろうか。

自分の知人なんかは、新庄劇場最盛期の頃は日ハムファンだったくせに、楽天が日本一になった頃から俄かにコボスタに浮気して行ったりしたが、そういう奴らも日ハムファンに戻るんだろうか。
だいたい、青森では地上波でも放送しないしTBCラジオも聴けないので、東北楽天というのはなんか遠い感じがするんである。
その点、北海道のTVが映る環境なら日ハム戦は青森でも地上波で見れるし、HBCラジオで日ハム戦を聞くのはたやすい。
山口県では、同じ中国地方の広島カープより、関門海峡を挟んだ福岡ソフトバンクホークスのファンクラブ会員の方が多いという。
青森も、楽天より日ハムファンが多い、というくらいに北海道との交流が盛んになればいいのだが。


ともかく、東北で自分とこだけ栄えればいいと思ってるような節が感じられる仙台と組むよりは、札幌をはじめとする北海道と共存共栄していく道を考える方に、可能性を感じずにいられない。

blog_rankingクリックでブログランキングに投票!