前回の記事で、奥津軽いまべつ駅は日本一乗降客数の少ない新幹線駅にならないかも、という話をしたが、今回は津軽海峡を越えた先の木古内駅の話。

正直、奥津軽いまべつ駅がいわて沼宮内に勝てる可能性は微妙だが、木古内ならいわて沼宮内に負ける可能性は低いと思っている。

というのは、新函館北斗駅が大沼に近い北斗市北部に設置されたからだ。
新函館北斗駅が函館市街から遠いという話はマスコミの報道でも出たりしているが、実は北斗市の場合も、旧上磯町の中心部からは遠い。
北斗市は上磯町と大野町が合併して成立したが、5万弱の人口のうち、大半を占めるのは上磯(約4万)であり、上磯の市街地は函館市から連続した函館湾沿岸部にある。
ということは、新函館北斗駅は函館市街だけじゃなく、北斗の市街からも遠いとも言えるのだ。

函館・北斗両市の市街地からの遠さが、木古内駅には追い風になると自分はみている。


ここで、東北新幹線 七戸十和田駅の開業9か月後に東奥日報に掲載された記事を引用する。

◇無料駐車場は好評
県外観光客にとって必ずしも二次交通の便が良くない七戸十和田駅。
だが、地元では無料の駐車場が好評で、常に満車に近い状態が続く。
青森市民も最寄りの新青森駅ではなく、七戸十和田駅を利用する動きがある。
青森市東部の原別地区に住む会社員男性(43)は昨年12月の東北新幹線全線開業以降、同市西部にある新青森駅ではなく、七戸十和田駅を3回利用した。
男性によると、家族4人で東京方面に行く場合、七戸十和田駅で乗降すれば、新青森駅より新幹線運賃が約4千円安く済むという。しかも七戸十和田駅は駐車場料金がかからない。新青森駅の駐車料金は1泊千円、3泊目以降は1泊につき800円ずつ加算されるため、旅行先に長く滞在するほど高くつく。
男性は「そもそも自宅から新青森駅には逆戻りする形になるので、近所でも七戸十和田駅を使う人が多い。七戸までのガソリン代が少しプラスになるくらいで、青森での浮いた駐車料金をお土産代に回すことも出来る」とメリットを語る。
七戸町の小又勉町長は「青森市から七戸十和田駅を利用する人がいるという話はよく聞く。それだけ、駐車場の無料効果が大きいということだ」と話す。
町は当初、約600台分を整備したが、土日祝日は満車になるため、7月に約100台分を増やした。
駅の利用者数が今後の停車本数に影響を与えるだけに、町などは今秋、利用者の実態調査を行い、二次交通策や観光振興に役立てる考えだ。(2011/9/23 東奥日報)

新青森駅がある青森市民でも、無料の駐車場目当てで七戸十和田駅までクルマで行く人が少なくない、という話である。
この記事では青森市東部の原別地区の会社員の例を取り上げているが、原別と新青森駅と七戸十和田駅の位置関係を示したのが下図である。

新青森 七戸十和田【画像はクリックで拡大します】
日中12時間平均で、青森市原別から新青森駅へは約10km、所要時間は20分程度である。
まあ、青森市街の予期せぬ渋滞に備え、余裕を持って30分はみておきたい。

一方で、原別から七戸十和田駅。
国道4号で野辺地を廻ると1時間程度かかるが、みちのく有料道路で行けば約42km、所要時間も42分程度となる。

七戸十和田と新青森で、違いは距離で30km、所要時間なら20分程度となるが、この差でも七戸十和田は青森市内で新青森のシェアをある程度奪うことになっている。

これが木古内ならどうなるか?


函館の基準点は、国道5号から国道227号が分岐する万代こ線橋交差点とした。
この万代こ線橋から放射線状に、道南各地への国道が出ているからだ。

新函館北斗駅へのアクセス道路は平成22年版の道路交通センサスに載ってないのだが、国道227号が函館平野から江差へ向かう峠越えの道に折れる市渡交差点に、アクセス道路が接続されると聞いたので、市渡新函館北斗駅の計算地点と定めた。

一応、クルマで函館市街地から新函館北斗駅までどのルートが良さそうか、函館新道で行くべきか、国道227号大野新道で行くべきかの比較計算も行ってみた。


函館市街⇔新函館北斗駅・木古内駅 アクセス図

新函館北斗 木古内アクセス図
【画像はクリックで拡大します】

新函館北斗駅には函館新道より国道227号が速達か。

函館市街から新函館北斗駅へは、あまり差はつかなかったが、国道227号で行く方が多少早いようだ。
函館新道は4車線で100km/h制限ではあるが、国道227号 大野新道も直線で4車線の快走路で距離が短い分、有利となった。
どっちを使っても、万代こ線橋交差点から新函館北斗駅までは平日日中平均で23〜25分程度はかかる。

函館駅前からの比較になってしまうが函館空港なら16分で行けるわけで、こりゃ遠いと感じるわけだ。



木古内駅にも函館江差道より国道228号が便利と思われる。

国道227号と七重浜7丁目交差点まで来て、直進するのが国道228号で、海沿いに木古内へ向かうルートだ(いずれは松前を経て江差まで行く)。
内陸側を函館江差道も並行しているが、平成22年度時点で開通していた北斗富川ICまで利用しても、内陸に迂回する分の距離がネックになり、既存の国道228号の方に速達性があった。
2015年現在では北斗茂辺地ICまで開通しているので、茂辺地まで北斗中央⇔北斗富川の平均旅行速度を代入して計算したが、函館江差道が1分程度速いかどうかというところ。
これなら距離で4km以上短絡可能な、既存の国道228号の方が良さそうだ。

で、肝心の木古内駅までは、万代こ線橋交差点から約37km、49分程度かかる結果になった。


函館市街地から、新函館北斗駅に行くのと、木古内駅に行くのを比較すると、差は距離で22km、所要時間で25分くらいというところだ。

先述の七戸十和田と新青森での違いは距離で30km、所要時間なら20分程度というのを考えてみよう。
青森から七戸十和田へ行くより、函館から木古内に行く方が近く、所要時間でも5分くらいしか違わないのだ。
函館における木古内駅の存在感は、青森における七戸十和田駅の存在感より、大きく、身近に感じないだろうか。

そして、木古内駅には無料駐車場が300台用意されるそうだ。

地理的に奥羽山脈に隔てられるだけでなく、旧津軽・旧南部藩境を越えるという文化的・心理的要因があっても、青森から七戸に行く利用者が少なくないのだ。
海沿いに繋がる函館と木古内の間の人の行き来は、青森・七戸間よりたやすいはずだ。

僕は、函館市内や北斗市南部を中心に、木古内駅を利用する人が多いのではないかと予測する。


木古内まで函館江差道が到達したら・・・

函館江差道木古内IC開通予定年度は2019年度だという。

北斗茂辺地⇔木古内の予定距離は16kmだが、これに、北斗中央⇔北斗富川の平均旅行速度を代入して計算すると、七重浜から木古内までは31分程度に縮まる。

青森と七戸の間にあるみちのく有料道路は普通車で片道850円だが、函館江差道は無料高速なのだ。

函館や北斗から無料高速を飛ばして、駅併設の無料駐車場を利用するという、パークアンドライド拠点として、木古内駅には七戸十和田駅以上の可能性を感じるのである。


首都圏の多数派連中の根拠のない北陸新幹線バッシングを見てると、北海道新幹線もバッシングされるのは予測できてしまうが、しっかりと木古内を応援したいところだ。

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