本記事は平成22(2010)年の国土交通省の道路交通センサスのデータを基に当ブログが算出したものです。

平成27(2015)年データ版も計算が終わって公開しておりますので、クリックしてご覧ください。

東京⇔青森 一般道最速ルートの計算をする」と題した5月23日の記事以来、平成22年版道路交通センサスを元に、終点の青森から南下する形で東京⇔青森間の一般道最速ルートの計算を行ってきた。

東京日本橋を基点とする国道4号が、仙台など太平洋側に膨らむように北上する線形に着目し、東京と青森を結ぶ直線に近いルートを取る方が速いのではないかと踏み、野岩羽ルートに照準を絞って計算を行った結果、やはり速達性が認められたのである。
(敢えて一般道で移動する最大の理由は、やはり通行料金の節約だろうということで、無料供用中の自動車専用道路は一般道とみなして計算に使用した)

野岩羽とは、律令制旧国名の下代・前(出羽)の一文字ずつを取った用語であり、栃木県・福島県西部・山形県に相当する。
東京と青森を結ぶ直線はこの野岩羽を通過することから、直線に近いルートとして野岩羽ルートを採用したのである。

当ブログの導き出した
東京・青森間の一般道(下道)最速所要時間は約14時間15分
である。



東京⇔青森 一般道最速ルート図をみる

文章にするより、下の地図を参照いただければ幸いである。
東京と青森を結ぶ直線は、水色の太線にしている。

赤線国道緑線主要地方道黄線一般県道である。

宇都宮の北方から、日本海側を進む方が東京⇔青森間で一般道最速となる野岩羽ルートであり、地図上ではピンク色の太線を重ねてある。

東京⇔青森 一般道(下道)最速ルート 図
【画像はクリックで拡大します】


詳しい数値は図を拡大してみてもらうとして、要点は下記のとおりである。


(1)直線に近い野岩羽ルートだが、距離は724kmにのぼり、実は国道4号と比べて12km程度しか短縮していない。

(2)無料供用中の高速道路野岩羽ルート上にのみ存在し、高速走行で時間短縮を実現。

(3)宇都宮以北も仙台まで郡山、福島と県都級の都市が連続する国道4号と比較すると、野岩羽ルートの沿線人口は大幅に少なく、一般道としては快速区間が長い。

(4)14時間以上かかるので、必然的に混雑時間帯での通過を余儀なくされる区間も出てくるので、計算結果はあくまで無休憩・無給油で走行し続けた場合の理論値であるということ。

(5)途中で下道に飽きて東北自動車道に逃げようと思っても、那須〜碇ヶ関にかけては奥羽山脈越えが必要になるので覚悟が必要。

(6)長距離トラックのルートにもなっているので、自分が先頭で後続が何台も連なっていたら譲ってあげてほしい。





まず、(1)について。
直線で移動したいが、直線上には南から那須岳、猪苗代湖、西吾妻山、神室山地、森吉岳など自然障壁が多く存在し、野岩羽ルートはそれらを避けながら進むので、意外と距離をとられた。
また、利根川(鬼怒川)水系、阿賀野川水系、最上川水系、雄物川水系、米代川水系、岩木川水系といった平野・盆地群を隔てる分水嶺を何度も越えねばならず、その都度、勾配やカーブで距離が長くなってしまった。

対する国道4号だが、白河で阿武隈川水系に入ってから仙台平野まで緩やかに下り、そこから岩手県北部まで北上川水系を200km近く緩やかに上るという、野岩羽ルートに比べれば平坦で直線的なルートであるのが作用したのだろう。
なんとトンネルが初めて出てくるのは岩手県北部の一戸である。

こういった地形的要因の差が、野岩羽ルート国道4号両者の距離差を広げない結果になったようだ。


次に(2)について。
無料供用中の高速道路は今後も野岩羽ルートでは随時延伸していくことが予想される。
そして、延伸次第では今後、最速ルートが大幅に変わる可能性がある。

今回は使用していないルートでも、東北中央道 福島⇔米沢の栗子トンネルは無料供用が決定しているので、これの平均旅行速度次第では米沢以南のルートが福島経由に変わる可能性もある。
2022年には日光宇都宮道路が償還期限を迎え無料開放されるので、塩原を経由する現ルートから今市経由に変更となる可能性も高いように思える。
一方で、国道4号ルートには既に東北自動車道があるので、無料高速が生まれる可能性は低く、挽回するのは難しいか。


そして(3)について。
国道4号ルートには東北の3県都(福島、仙台、盛岡)を通過する上に、東北第二都市・郡山も控えているのに対し、宇都宮以北の野岩羽ルートには山形、会津若松しか人口10万以上の都市が存在しない(弘前は通過しない)。

人口が希薄なこともあり信号が少なく、さらに比較的人口が多い山形盆地でも国道13号が4車線で整備されていることもあり、無料高速の有無に関わらず、平均旅行速度が高めの区間が長かった。


(4)についてはそのまんま。以上

(5)について。
なんたって14時間に及ぶ旅になるので飽きてくるのは必定。
東京から栃木県までと、青森県だけは東北自動車道が並行しているが、那須から碇ヶ関にかけては奥羽山脈の峠越えをして太平洋側に出なければならない。
峠越えには最低1時間から所によって2時間はみておきたいので注意。

最後に(6)について。
通行料金のカットを会社から要請されて、時間内にたどり着くために一般道を一生懸命に走り続ける長距離トラックも多い路線になる。
自分が大名行列の先頭になって後続に迷惑をかけていないか、常に意識しながら譲り合いで安全運転を。




矢板市 蒲須坂(南)交差点 ⇔ 青森市 青い森公園前 距離別速度階級図
【画像はクリックで拡大します】

上の図は、矢板以北の国道4号野岩羽ルートの旅行速度ごとの走行距離の比率を比較したグラフである。

に近い色ほど高速で、に近いほど低速を示す。

ご覧のとおり、矢板以北で612kmにおよぶ国道4号ルートでは、全体の7割近くが平均旅行速度50km/h未満の区間になる。
それに対し597kmの野岩羽ルートでは全体の6割で平均旅行速度50km/h以上と、ハイペースの区間が多くを占めているのがわかる。

ストレスなく快走できるのも野岩羽ルートなのである。

原付や自転車が走行禁止となっている無料高速を含む数値ではあるが、原付なら並行する一般道の現道に迂回しても国道4号ルートより速いだろう。
自転車の場合は、勾配がきつい分、つらいかもしれないが。



同じ青森県でも八戸には4号

さて、この一連の計算作業は東京から「青森市」への一般道最速ルートを計算したものであるので、注意されたい。

津軽地方であれば、西南津軽(深浦・岩崎)を除いて野岩羽ルートで大館から矢立峠を越え津軽平野に入るコースで大丈夫だろう。
また、沿線上の福島や山形、秋田の各地でも援用可能だし、ルートからそれるが秋田市もおそらく六郷まで同一ルートになる。
秋田市や能代市など秋田沿岸北部、青森県西南津軽(深浦・岩崎)であれば六郷から国道13号で秋田市まで行けば良いのだ。



が、八戸市であれば矢板以北も国道4号を郡山、福島、仙台、盛岡とえんえんと北上し続け、剣吉から国道104号に乗り継ぐのがベストになる。
三沢、十和田など南部地方の各都市も同様だ。


野岩羽ルート 4号ルート比較表

ここで、東京から一般道での東北各地への所要時間を比較してみよう。
野岩羽ルートの速さが目立つであろう。


ほぼ同緯度に位置する日本海側と太平洋側の都市で比較してみると、仙台より山形の方が25分程度早く着くし、秋田に至っては盛岡より1時間も早く到着する。
これは無料高速を使用しないで現道を使っても、逆転されないほどの大差である。

北東北5大都市で早く着く順に並べると、一般道なら秋田、盛岡、弘前、青森、八戸となるのだ。
これが高速道路になれば盛岡、秋田、八戸、弘前、青森となり、鉄道になれば、盛岡、八戸、青森、弘前、秋田と変わってしまう。


全線4車線以上の東北自動車道にしてもフル規格の東北新幹線にしても、東北の軸は完全に太平洋側経由になっているのは誰しもが知っていることだが、最速・最短ルートにこだわって野岩羽ルートに高速交通網を通していたらと思うと感慨深い。

馬鹿げたことだと思う人もいるだろうが、中国地方において、山陽と山陰のどちらにもアクセスできるようにと、中国山地の脊梁部に中国自動車道を整備したような例もあるのだ。

実際、東北新幹線の構想段階では、山形から横手、大館付近を通って津軽半島を縦断して北海道上陸というルートが検討されたこともある。

それが悉く外れたのが現在の東北日本海側だ。

国土軸の上にある/外れるというだけで、発展度合が随分変わってくるというものである。


青森から海を渡ってさらに北へ。

「函館・札幌⇔稚内 一般道(下道、無料高速)最速ルートの計算をした」のリンクはコチラ。


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