お盆前に北海道新聞とかが報じたところによれば、JR北海道が留萌本線の留萌−増毛2016年秋をめどに廃止だそうだ。



青森県の西津軽・五能線沿いで育った自分にとって、日本海の沿岸を走る線路というものに特別な思いがある。

広い意味での日本海になるが、南は長崎県の松浦鉄道たびら平戸口駅から始まり、ところどころ内陸に引っこみながらも筑肥線など、九州でも玄界灘沿いに鉄道は敷設されている。
関門海峡を越え本州・山口県に入ってからは長大な山陰本線に始まり、おおむね日本海沿岸を走る線路は青森県まで繋がっている。

平戸島に近い所から来た日本海沿いの線路が、しばらく日本海から離れてしまうのが青森の鰺ヶ沢になる。



34large【写真は江差線上ノ国−江差の車窓】

鰺ヶ沢を離れると、2015年8月現在、次に日本海沿いを走ることになる線路は函館本線の余市−銭函といったところか。

つい昨年2014年までは、江差線の上ノ国−江差も1駅間だけながら日本海沿いを走っていたが、現在では五能線を離れれば札幌に近いところまで日本海沿いの線路は無いのが現状だ。



銭函以北だが、留萌地方までまたしばらく日本海沿いに線路は無い。
線路どころか、1980年代前半まで国道231号すら通らない陸の孤島・雄冬海岸が石狩と留萌の間にあった。



暑寒別岳の北、増毛でようやく再び現れるのが、留萌本線だ。
留萌本線は内陸の深川で函館本線から分岐し、留萌から増毛まで日本海沿いを走っているのである。

この区間は留萌市と増毛町の2市町を結ぶ9駅間になる。



留萌より北になると、宗谷本線が抜海駅周辺だけ日本海沿いを走っているばかりであり、利尻富士の車窓が美しい好眺望区間だが距離は短い。



そう考えると、複数の市町村を結ぶ日本海沿いの線路としては、留萌本線の留萌−増毛が日本最北と言ってよいかもしれない。
(一応、樺太西線は生きているようだが・・・)


もっとも、国鉄民営化以前においては、北海道の日本海沿いにはまだまだたくさんの線路が生きていた。

留萠(当時)から分岐し、苫前や羽幌、初山別、遠別などの沿岸町村を経由して幌延で宗谷本線に連絡する羽幌線なんかは有名だろう。

羽幌線の距離なんと141.1km
五能線は鰺ヶ沢−五所川原−川部の内陸区間もあわせて147.2kmだから、ほとんど海沿いばかりの羽幌線の存在感は大きい。

秋田以北日本海側鉄道路線図
【画像はクリックで拡大します】


秋田以北・稚内以南の日本海側の鉄道を上の地図にまとめてみた(一部省略)。

赤線廃線
黄線廃線予定
黒線現役在来線で、おおむね日本海沿いを走っている区間は水色でなぞった。


図にすれば一目瞭然で、五能線より北の日本海沿いにはほとんど線路が残っていない。

そして羽幌線の長さが際立つ。
もしも沿線の炭鉱が現役で、今も羽幌に3万の人口とか栄えたままで羽幌線が生き延びていたとすれば、リゾートしらかみのような日本海の展望観光列車を走らせたいところ。
それはもちろん、増毛⇔稚内でである。

羽幌線廃止はやむを得なかったこととはいえ、惜しい線路をなくしたものである。


あと、非常に細かいところだが白神岬以西を日本海と定義すれば松前線 渡島大沢−松前の2駅間も日本海沿いの線路ということになるし、瀬棚線 北檜山−瀬棚岩内線 西前田−岩内なんかも一応、日本海沿いを走る区間であったと言える(ほとんど海が見えない区間もあるが)。




ここまでで地名が出て来た北海道日本海側の松前、江差、瀬棚、岩内、増毛、留萌、羽幌なんかは北前船であったり、ニシン漁であったり、いろいろと西津軽との関係性が濃い地域である。

ほとんど津軽弁に近い方言を話す人もいるし、津軽に多い苗字の人たちも比較的多く存在している。
数年前に泊まった奥尻の宿の主人からは「御先祖様が青森の金木だから、若い時に島の同級生同士で金木自動車学校に合宿で運転免許を取りに行った」と話すのを聞いた。

若い頃に北海道に出稼ぎに行ったことのある祖父は「留萌にいると鰺ヶ沢にいるような感覚になる」と言う。



そんなわけで、留萌本線とか羽幌線と聞くと、五能線の親戚のような親近感を覚える。

北海道からそういう線路が消えると聞くと、自分は五能線が消えてしまうような、悲しい気分になる。

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