今日(2016/1/5)の秋田魁新報に衝撃的な図と共に、気になる記事が載っていた。



◆ 奥羽・羽越新幹線要望活動本格化へ 佐竹知事
羽越新幹線20160105
佐竹敬久知事は4日の定例会見で、基本計画の決定から40年以上たっても着工に至らない奥羽新幹線(福島—秋田)と羽越新幹線(富山—青森)の実現に意欲を示し、国への要望活動を本格化させるとした。

政府は1973年、両新幹線について「建設を開始すべき路線」とし基本計画に盛り込んだ。しかし、開通には専用線を設けるなど多額の整備費が見込まれ、いまだに具体化していない。

奥羽、羽越の沿線自治体は路線ごとに建設促進同盟会を結成。佐竹知事は「山形は熱心に活動している。実現には20年から30年かかるかもしれないが、秋田も県民運動として盛り上げたい」と述べた。(2015/1/5 秋田魁新報)


なぜ"衝撃的な"と書いたかというと、羽越新幹線のルートが能代からまっすぐ北上して深浦に達している図だからだ。


まあ、この図は魁が(良い意味で)適当に書いた図で、深い意味は無かろう。


本当に能代からまっすぐ北上したら、五能線が並行在来線として十中八九廃線になってしまうが、新幹線が停まる深浦駅や鯵ケ沢駅を想像すると胸が熱くなる。



という冗談はおいといて、新青森駅は羽越新幹線を想定して建設された経緯があるからこそ、こういう記事が出たというのが衝撃的なのだ。
僕が小学校高学年から中学校の頃にかけて、盛岡以北の東北新幹線がフル規格になるかならないかというせめぎ合いがあり(1990年代半ばから後半にかけての話である。)、学校の授業でも取り上げられたりしたことがあった。

その時に、秋田や山形と同じミニ規格なら今の青い森セントラルパークの辺りに新幹線の駅を持ってこれるという話がポッと出た。
たぶん、当時青森市にいた人なら、聞いたことがある人も少なくないのではないだろうか。

くしくも、僕の中学校では社会科の授業で「フル規格で石江の駅(新青森)が良いか、ミニ規格で中心部の駅(青い森セントラルパーク)が良いか」をテーマにディベートをやらされたのである。



ディベートで、ミニ規格派に強制的に振り分けられつつ、ふと疑問に思っていたのは「なぜフル規格で青い森セントラルパークはダメなのか」であった。

一応、住宅が建ち並んでいて用地買収に時間がかかり、開業が遅れてしまう−という理由であったように思う。

しかし、当時はまだ東青森駅南側の浜館や自由が丘の開発がこれから始まろうかというころで、戸山団地の方まで見渡す限り田んぼが広がっていた。

青い森セントラルパークから東北本線に並行しながら荒川を渡り、筒井は線路沿いを買収しながら駒込川まで行ってしまえば、田んぼの中を進んで戸山団地の手前から八甲田トンネルに入ってしまえば良いと思っていたのである。



その疑問に答えてくれたのは、別のクラスの社会科の教師であった。

「弘前を通って秋田、新潟に向かう羽越新幹線のためだ」
新青森駅は北海道に直通できる構造という条件を満たすとともに、将来の羽越新幹線も合流できる位置に−

この理由であれば、やはり今の石江の新青森駅ということになる。

青い森セントラルパークに新幹線駅を置くと、日本海側を北上してきた羽越新幹線はスイッチバックしないと北海道方面へ行けない構造になってしまう。
(もし、青森県が妥協してミニ規格を選択していたら、北海道新幹線は津軽海峡を越えなかったように思う。)



もちろん、用地買収に金がかかるというのも間違いではない。
青い森セントラルパークより西側の古い住宅密集地を通過する工事は、かなり面倒くさそうである。
青森の街づくりのむこう100年の計だけを思えば、それは大ナタを振るっても良いようには思う。

ただ、青森市の地域エゴだけで羽越新幹線を永遠に葬ってしまうような位置−すなわち青い森セントラルパークの選択はすべきでないし、実際にしなくて良かった。



一応、羽越新幹線が理由であるということを示す公的な裏付けもある。

一例を挙げると、1995年6月21日の青森県議会で、森内勇議員の質問について佐藤正勝県企画部長が

「仮に青森操車場跡地に駅舎を変更することを地元が提案した場合どのような問題が考えられるかというお尋ねであります。(中略)将来建設される羽越新幹線──富山−青森間でありますが──のターミナル駅としての北海道新幹線との接続問題が生ずることが想定されます。」


と答弁している。

森内勇議員は1996年3月11日の議会でも同様の質問をしているが、これについては木村守男知事も羽越新幹線について触れた答弁をしている。

青森県議会の議事録を読めば、羽越新幹線接続も、石江に新青森駅を置かなければならなかった理由であるという内容が、こんな風にいくつか出てくるのである。
秋田以北のルートを妄想してみやう。

さて、その羽越新幹線だが、新潟−秋田は概ね日本海沿いに新発田、村上、鶴岡、酒田、羽後本荘と、羽越本線に並行して北上してくるのは想像がつく。

ところが、秋田以北となると、並行する国道7号秋田自動車道の線形がそうであるように、能代付近と大館付近で2回ほぼ直角に曲がるルートをどうするのか、想像がつかない。

羽越新幹線 秋田以北ルート予想
国土地理院の地図を用い作成。
【地図はクリックで拡大します】



まず、秋田以北を奥羽本線に沿って行くルートを図上ではピンクの破線で描いた。

前述の通り、現在の東能代駅大館駅に新幹線駅を作るとすると、能代市付近で南から東、大館市付近で西から北へとほぼ直角に近いカーブを描かなくてはならない。
もしかすると、曲線緩和のために、能代や大館は現駅ではない位置に新駅を造ることになるかもしれない。
能代は南の外れか、東の外れの方に駅が行きそうだ。



次に、その能代を避けて八郎潟から鷹ノ巣へ抜けるルートは水色の破線。

一般道で秋田・大館間を最短で結ぶ国道285号に並行するルートだ。
これはこれで鷹巣市街地が鷹ノ巣駅の南側に広がっているのを考えると、現鷹ノ巣駅ではない位置に新幹線駅が出来そうな気がする(大館能代空港の近くとかか)。
しかし、能代市、色をなして反対しそうだなこりゃ。



今度は、大館を避けて鷹ノ巣から弘前へ抜けるルートは緑色の破線。
直線的に南側から弘前へ入ることになるが、歴史的建造物が建ち並ぶ弘前市街地で用地確保が恐ろしく難しくなる予感。
世界遺産地域は外れるが、白神山地の東のはずれを通るという難所もあろう。
そんなわけでまあ、大館を避けるこのルートはあまり考えられないかなという印象。



そして、魁の地図同様に、五能線沿いに抜けるルートは黄色の破線。

これなら、能代市は東能代駅どころか能代駅に新幹線駅を作るくらいの運動をやっても良いかもしれない。
五所川原にも新幹線が通るだろう。
ただ、これだと大館と鷹ノ巣はもとより、弘前でさえ完全スルーだ。
なにより、五所川原から新青森経由で奥津軽いまべつへと、信じられないようなJ字の無駄な曲線が出来上がってしまう。
これは無さそうだな。
さて、色々と妄想してみたが、山形県と秋田県が羽越新幹線に向けて動き出したなら、北海道新幹線が落ち着いたところで青森県も参加したらどうかと。

もし実現したら、今の東北地方の地域構造は革命と呼んでいいような変貌を遂げるように思う。

秋田止まりの羽越新幹線で、秋田駅で乗換を強いられる秋田県北民や弘前市民というのは、あまり見たくないじゃないの。
永遠に見ることないって?


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