JR北海道が「単独での維持が困難な路線」と、維持か廃止か「今後検討する路線」について公表した。

維持困難路線by北海道新聞
こちらの図は11月15日付の北海道新聞に掲載された「JRが単独で維持困難とする路線」の図。

これに先立つ2015年夏に、JR北海道に対して第三者委員会が廃止してはどうかと7路線8区間を例示し、その中で最も輸送密度が高かったのが釧網本線の466人だった。

今回、JR北海道が公表した路線はそれよりかなり多く、15線区もある。


輸送密度200人未満で「バス転換を協議」、輸送密度2,000人未満で「上下分離を軸に協議」、などと輸送密度に応じて今後の方針についての段階を踏んでいるのだが、

注目すべきは「今後検討する路線」として挙げられた2線区のうち輸送密度が2,266人の根室本線帯広−釧路。

決して帯広−釧路を廃止にするとは言っていないものの、今後、同区間の高速化に寄与した北海道高速鉄道開発に出資している自治体からの出資増をお願いすると言っているわけで、場合によっては廃止の可能性も皆無ではないのだろう。
(そもそも南千歳−帯広も釧路からの乗客がかなり乗っているはずだが、帯広で東西に分けたあたり策士よのぅ、と思う。)

さて。
単純に輸送密度だけでみた場合、東北6県のJR線はどうか?

冬の最低気温や豪雪などは東北より過酷で保線費用も大きな負担になるし、貨物列車の収入も決して大きくは無い根室本線帯広−釧路と、東北6県のJR線を比べるのは無理がある(東北を管轄するJR東の財務状況も良いし)。

それを承知の上で、根室本線帯広−釧路より輸送密度の悪い線区は廃止の可能性があると仮定してみると、東北6県のJR線はどうなってしまうのかシミュレーションしてみた。
(数字の出典は、JR東日本の路線別ご利用状況(https://www.jreast.co.jp/rosen_avr/)より2014年のものを使用した。)


東北6県のJR線のうち、根室本線帯広−釧路の輸送密度である2,266人を下回る線区を赤線に塗り替えてみた図が下の左図、実際にそれらが廃止された場合の路線網が下の右図になる(私鉄・一部第三セクター線は除く)。
東北6県のJR東日本線 根室線帯広ー釧路を下回る線区図東北6県のJR東日本線 根室線帯広ー釧路を下回る線区廃止後
【左図、右図ともクリックで拡大します】

東北のJR線の利用状況も決して良くないというのが一目瞭然である。

根室本線帯広−釧路の2,266人という輸送密度があっても廃止の可能性があるという、JR北海道基準でみれば、東北も最悪、右図のような路線網まで縮小する可能性があるのである。
(もっとも実際に右図のようなところまで廃止しまくると、貨物列車の日本海縦貫線が運行できなくなるし、さすがに東北・羽越・奥羽北の縦貫幹線は廃止できないだろうと思うが。)

JR北海道基準でみれば、太平洋沿岸は八戸と仙台周辺およびいわき以南の他は廃止となってしまう。
東北新幹線沿線から日本海に向かおうとしても花輪線、北上線、陸羽東線(一部)、陸羽西線、米坂線、磐越西線(一部)等が廃止されてしまい、秋田新幹線で行くしかルートが無い。
庄内の鶴岡−酒田は飛び地になってしまう。
青森県にはJR在来線では行けないということにすらなってしまうのだ。

それ以前に、東北本線の輸送密度だって黒磯−新白河が2,557人、小牛田−一ノ関が2,454人という数値なので、今の時代に整備新幹線のスキームに則って東北新幹線を建設したなら経営分離される並行在来線というところだろう。
東北新幹線盛岡以南は国鉄時代に全国民の税金を投入して建設されたわけだが、今の整備新幹線建設スキームであれば栃木・福島・宮城・岩手の4県も建設費の3分の1を負担した上に、黒磯−新白河と小牛田−一ノ関で、おそらく赤字に喘ぐことになる並行在来線第3セクター線を経営しなけばならなかっただろう(仮にJR東日本が黒磯−新白河と小牛田−一ノ関の経営分離を表明したら僕は支持する)。

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【GIFアニメはクリックで拡大します】
最後に、上の図をアニメーション化して終了。
以前にも書いたが、JR北海道の問題を対岸の火事だと笑ってたら、いつの日か東北も大変なことになるだろう。

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