一般道(無料高速含む)での函館・札幌⇔稚内の最速ルートの計算も終わったところで、久しぶりに交通量の話をしようかと思う。
2015年5月9日の「函館⇔札幌 高速道利用 最速ルートの分析」と題した記事で、函館・札幌間を高速道路で移動する場合は、室蘭や苫小牧を経由して全区間を走るよりも、豊浦IC以南のみの利用として国道230号中山峠経由がベストだろうという計算結果を得た。
続いて2016年1月28日の「国道230号⇔国道275号・道央道旭川方面連絡ルートの分析」の記事では、旭川など道北方面へ道央道で向かう場合の札幌市内の通過ルートの計算を行った。
この場合も豊浦ICから国道230号中山峠経由が所要時間面で優位なばかりか、費用面でも2回発生するターミナルチャージを込みでも通行料金が安いという結果が出た。
こうした結果が、道央自動車道の交通量にも表れているのか、国交省の道路統計年報から確かめてみようというのが今回の記事である。
対象区間は、大沼公園IC−札幌JCTまでの、道南方面とした。
使用した資料は、2017年5月15日現在で最新の国交省の道路統計年報で、平成26(2014)年の数値を使用した。
◆登別室蘭−札幌JCTの交通量
道南方面の道央道だが、登別室蘭ICを境に札幌方面は4車線であるが、函館方面は暫定2車線となっている。
この登別室蘭ICが交通量の面でも大きく変動するポイントの一つとなっており、ここを基準に南北で分けてみて行こうと思う。
(出典：国土交通省「道路統計年報2016」)
概ね、北海道の中心都市・札幌を離れるにつれて交通量が減少していくという、末端方向ほど交通量が少ないという一般的な傾向が道央道にも出ている。
主に札幌市内の豊平区や清田区など南東部には、国道36号や羊ケ丘通(札幌市道羊ケ丘線)を介して流出入する需要があるため、札幌JCTから輪厚スマートICまでは交通量増という逆の傾向をみせる。
しかし、新千歳空港や道東道方面への流出・分岐を経て、ピークで40,000台近かった交通量は千歳付近で20,000台前後まで半減する。
さらに日高道が分岐し、フェリー利用客の流出がある苫小牧東付近で約10,000台へとさらに半減。
以降は緩やかに減少し、4車線区間終点の登別室蘭IC手前では約8,500台となる。
◆大沼公園−登別室蘭の交通量
室蘭市には登別室蘭ICの他に、室蘭ICから白鳥大橋を介し海を渡って室蘭市街にもアクセスできるのだが、対札幌方面の交通量は登別室蘭ICを境に3割以上も減少してしまう。
室蘭市街地へは登別室蘭ICから室蘭新道の方が距離が近いのが理由だろう。
室蘭ICでの交通量の減少は登別室蘭ICと比較すると小さく、隣接する伊達市の伊達ICまでは緩やかな減少となる。
伊達ICでは一気に3割近く交通量が減少し、5,000台を超えてきた交通量が3,700台と大幅に減少する。
(出典：国土交通省「道路統計年報2016」)
概ね、伊達市の辺りまでは対札幌の移動で道央自動車道を使うという傾向が強いのだろう。
伊達以降は4,000台を回復することが無い。
ところが、である。
豊浦ICで、輪厚スマートICを境に一貫して減少し続けてきた交通量は増加に転ずるのである！
やはり、函館方面⇔札幌の移動において、豊浦IC以南を道央道の利用とし、国道230号中山峠経由の車両が多いのであろう。
さらに黒松内JCTでも増加し、長万部ICでもほぼ横ばいと推移する。
これも、小樽方面やニセコ・倶知安方面から函館方面への需要を反映しているのだろう。
長万部IC以南は、函館に向けて緩やかに減少していき、末端の大沼公園−森では3,000台を割るところまで減少する。
◆道南の道央道の4車線化は遠いかもしれない
さて。
ほぼ函館手前まで道央道は開通しているのである。
かつての道東道の十勝の飛び地開通状態とは異なり、札幌と繋がっていてこの交通量は少しさみしい。
(高速道路は繋がってこそ意味がある、とわかる道東自動車道交通量データ)
その道東道はというと、2014年の調査結果でも帯広JCTまで5,000台以上の交通量を維持しているのである。
確かに、道東道と異なり、道南の道央道は並行する国道5号の整備状況がよく走行しやすいという条件はある。
(道東道で交通量が最大となるのは難所の国道274号日勝峠をパスできるトマム−十勝清水である)
北海道の高速道路で4車線化を急ぐとすれば、道東道の千歳恵庭−帯広が最優先だと思う。
しかし、森から長万部の間の内浦湾沿いは国道5号の他に並行する一般道が無いので、交通事故や災害等で通行止になると道央道に依存せざるを得ないのである。
(それこそ、1999年の豪雨で八雲町の野田追橋が崩落した際にはまだ道央道がなく、道南⇔道央の移動は日本海側の檜山支庁の国道229号経由の100km迂遠を強いられたこともあったほどである。)
昨年2016年の台風被害で国道274号が長期通行止となり、道東道へ車両が殺到して大渋滞が起こるほどなのを考えると、道央道もせめて森−長万部は4車線化した方が良いのではないかと考えるのである。
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2015年5月9日の「函館⇔札幌 高速道利用 最速ルートの分析」と題した記事で、函館・札幌間を高速道路で移動する場合は、室蘭や苫小牧を経由して全区間を走るよりも、豊浦IC以南のみの利用として国道230号中山峠経由がベストだろうという計算結果を得た。
続いて2016年1月28日の「国道230号⇔国道275号・道央道旭川方面連絡ルートの分析」の記事では、旭川など道北方面へ道央道で向かう場合の札幌市内の通過ルートの計算を行った。
この場合も豊浦ICから国道230号中山峠経由が所要時間面で優位なばかりか、費用面でも2回発生するターミナルチャージを込みでも通行料金が安いという結果が出た。
こうした結果が、道央自動車道の交通量にも表れているのか、国交省の道路統計年報から確かめてみようというのが今回の記事である。
対象区間は、大沼公園IC−札幌JCTまでの、道南方面とした。
使用した資料は、2017年5月15日現在で最新の国交省の道路統計年報で、平成26(2014)年の数値を使用した。
◆登別室蘭−札幌JCTの交通量
道南方面の道央道だが、登別室蘭ICを境に札幌方面は4車線であるが、函館方面は暫定2車線となっている。
この登別室蘭ICが交通量の面でも大きく変動するポイントの一つとなっており、ここを基準に南北で分けてみて行こうと思う。
(出典：国土交通省「道路統計年報2016」)
概ね、北海道の中心都市・札幌を離れるにつれて交通量が減少していくという、末端方向ほど交通量が少ないという一般的な傾向が道央道にも出ている。
主に札幌市内の豊平区や清田区など南東部には、国道36号や羊ケ丘通(札幌市道羊ケ丘線)を介して流出入する需要があるため、札幌JCTから輪厚スマートICまでは交通量増という逆の傾向をみせる。
しかし、新千歳空港や道東道方面への流出・分岐を経て、ピークで40,000台近かった交通量は千歳付近で20,000台前後まで半減する。
さらに日高道が分岐し、フェリー利用客の流出がある苫小牧東付近で約10,000台へとさらに半減。
以降は緩やかに減少し、4車線区間終点の登別室蘭IC手前では約8,500台となる。
◆大沼公園−登別室蘭の交通量
室蘭市には登別室蘭ICの他に、室蘭ICから白鳥大橋を介し海を渡って室蘭市街にもアクセスできるのだが、対札幌方面の交通量は登別室蘭ICを境に3割以上も減少してしまう。
室蘭市街地へは登別室蘭ICから室蘭新道の方が距離が近いのが理由だろう。
室蘭ICでの交通量の減少は登別室蘭ICと比較すると小さく、隣接する伊達市の伊達ICまでは緩やかな減少となる。
伊達ICでは一気に3割近く交通量が減少し、5,000台を超えてきた交通量が3,700台と大幅に減少する。
(出典：国土交通省「道路統計年報2016」)
概ね、伊達市の辺りまでは対札幌の移動で道央自動車道を使うという傾向が強いのだろう。
伊達以降は4,000台を回復することが無い。
ところが、である。
豊浦ICで、輪厚スマートICを境に一貫して減少し続けてきた交通量は増加に転ずるのである！
やはり、函館方面⇔札幌の移動において、豊浦IC以南を道央道の利用とし、国道230号中山峠経由の車両が多いのであろう。
さらに黒松内JCTでも増加し、長万部ICでもほぼ横ばいと推移する。
これも、小樽方面やニセコ・倶知安方面から函館方面への需要を反映しているのだろう。
長万部IC以南は、函館に向けて緩やかに減少していき、末端の大沼公園−森では3,000台を割るところまで減少する。
◆道南の道央道の4車線化は遠いかもしれない
さて。
ほぼ函館手前まで道央道は開通しているのである。
かつての道東道の十勝の飛び地開通状態とは異なり、札幌と繋がっていてこの交通量は少しさみしい。
(高速道路は繋がってこそ意味がある、とわかる道東自動車道交通量データ)
その道東道はというと、2014年の調査結果でも帯広JCTまで5,000台以上の交通量を維持しているのである。
確かに、道東道と異なり、道南の道央道は並行する国道5号の整備状況がよく走行しやすいという条件はある。
(道東道で交通量が最大となるのは難所の国道274号日勝峠をパスできるトマム−十勝清水である)
北海道の高速道路で4車線化を急ぐとすれば、道東道の千歳恵庭−帯広が最優先だと思う。
しかし、森から長万部の間の内浦湾沿いは国道5号の他に並行する一般道が無いので、交通事故や災害等で通行止になると道央道に依存せざるを得ないのである。
(それこそ、1999年の豪雨で八雲町の野田追橋が崩落した際にはまだ道央道がなく、道南⇔道央の移動は日本海側の檜山支庁の国道229号経由の100km迂遠を強いられたこともあったほどである。)
昨年2016年の台風被害で国道274号が長期通行止となり、道東道へ車両が殺到して大渋滞が起こるほどなのを考えると、道央道もせめて森−長万部は4車線化した方が良いのではないかと考えるのである。
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コメント
コメント一覧
札幌から新千歳空港、苫小牧市、登別&室蘭市という主要施設&都市への需要を境にして交通量が減少していく、という傾向を表しているデータだと思います。
道東道の交通量がトマムー十勝清水で最大となるのは、日勝峠をバイパスできるから、というのもあるのですが、札幌から帯広、釧路方面へ向かう場合の最短ルートは札幌ー道道3号（南郷通ほか）や国道274号ー夕張で、千歳を経由するのは距離的に若干遠回りになってしまうので、札幌から夕張まで一般道を走行し、夕張やトマムから高速に乗る、というルートがあるためだと思います。北海道の場合、都市部を除くと渋滞がなく快適に一般道を走行できる環境があるので、距離の遠回りはそのまま時間ロスに直結してしまいます。
道央道（函館）と、道東道（帯広）を比較すると、交通量は道東道の方が多くなります。函館の都市圏人口が40万程度に対し、帯広25万、釧路20万、北見ー網走15万で合計60万と差がありますので。
コメントありがとうございます。
札幌から帯広方面へは国道274号で夕張までが最短ルートだというのは承知しておりますが、それなら国道274号が最初に接続するICである「夕張」から「むかわ穂別」や「占冠」のあたりに交通量のピークがあっても良さそうに思います。
道東の交通量の話ですが、道東道の「夕張ー占冠」開通前の、国道274号のむかわ町穂別稲里における24時間平均交通量が7,376台です(H22道路交通センサス)。
これに対し、同じく道央道の「落部−大沼公園」が開通前の国道5号の森町石倉での交通量が12,323台と、高速道路開通前の並行一般道の交通量は道東より道南の方が5,000台ほど多くなっています。
どちらも付近に並行道路のない区間どうしでの比較で、これほど交通量が違います。
H27の道路交通センサスがまだ公開されておらず見れておりませんが、函館圏⇔札幌圏の自動車の交通総量が、道東圏⇔札幌圏より少ないということもなかろうとみています。
仰る通り、帯広都市圏＋釧路都市圏の人口は函館都市圏より多いわけですが、函館港は青森と大間を合わせて1日20往復もフェリーで本州方面と結ばれている交通量がありますので。
余談ながら北見・網走の15万という数字も、旭川紋別道が上川・オホーツクの振興局境を越える「浮島−奥白滝」の北大雪トンネルで3,684台に対し、十勝・オホーツクの境を越える国道242号の池北峠が770台、道道143号の鹿の子峠で927台と、両峠合計でも北大雪TNの半分に満たない1,700台弱しかありません。
ほとんど北見・網走エリアから道央への自動車の流動は道東道経由ではなく旭川紋別道や国道39号で道央道旭川経由とみていますので、道東道への交通量増には寄与しないと考えています。
ご返信、ありがとうございます。
札幌ー帯広間200kmという距離を、一般道で移動しようと思う人がそれほど多くなかったのが、道東道の開通（日勝峠のパス）によって自家用車で移動することが普通になり、道路交通量が飛躍的に増加したということだと思います。札幌前市長の上田さん（幕別町出身）が、道東道開通前に「これまで十勝にとって札幌は頭になく東京（とかち帯広空港経由？）を向いていた」というようなことをおっしゃっていましたし。
青函の流動については正直あまり詳しくないです。ただ、札幌からだと、新千歳空港、あるいは苫小牧ー八戸、大洗航路を利用して本州へ移動するのが一般的かと思うのですが。
北大雪についてはおっしゃる通りだと思います。ただ、北大雪周りで移動するのは、道央道の札幌ー旭川鷹栖間130kmが片側2車線、制限速度100km化（一部80kmだけど）されているからのような気がします。なので、もし千歳恵庭ー音更帯広が片側2車線、制限速度100km化されたら、かなりの分が道東道経由に流れるような気がします。交通量からしてその可能性は十分にあると思います。
返信ありがとうございます。
高速無料実験中の2010年の国交省の道路交通センサスで、日高・十勝の振興局境を越える区間の交通量は、道東道「トマム−十勝清水」が7,596台、国道274号は日勝峠(日高町千栄)で1,534台、合計で9,130台です。
道東道の開通で、車で札幌と十勝を行き来しやすくなり交通量が飛躍的に増加したというのは否定しませんが、それでも前述の森の国道5号の交通量を下回る訳です。
道央道と5号が並行していた長万部町の国縫でも、道央道「国縫−長万部」が3,073台、5号が7,356台で計10,429台に達します。
『札幌からだと、新千歳空港、あるいは苫小牧ー八戸、大洗航路を利用して本州へ移動するのが一般的』
旅客流動に関していえば新千歳から空路というのが主流なのは間違いありませんが、自動車の交通量の話ですので、飛行機は関係ないものとして言及しません(積めないので)。
とりあえず、平成26年の北海道運輸局の統計で、函館港発着のフェリーが輸送した台数は青森大間2航路計で389,350台です。
北海道と道外を結ぶフェリーの合計輸送台数が1,371,041台ですから、函館港の占有率は28.4%で、航路別にみると青函航路の361,574台という実績が最大となります。
『もし千歳恵庭ー音更帯広が片側2車線、制限速度100km化されたら、かなりの分が道東道経由に流れる』
十勝オホーツク道が開通すれば、本別JCT-北見中央間が97.4kmの計画だそうで、札幌JCTから道東道では318.4kmになります。
一方、旭川紋別道の遠軽ICは札幌JCTから243.5kmの位置(遠軽町野上)になるとのことです。
遠軽町野上から北見駅前まで国道333号と道道7号でおよそ55kmですから合計で298.5kmとなり、道東道の方が20kmほど遠回りになります。
対札幌はそれこそイエロー様の仰る「距離の遠回りはそのまま時間ロスに直結」で旭川紋別道に軍配が上がるように思います。高速料金も安いですし。
詳細なデータをお示しいただいてのご返信、まことにありがとうございます。
＞函館港の占有率28.4%
私が数年前、札幌から首都圏に引越しした際、その運送業者の伝票に示されていたルートが青函経由になっていてかなり驚いたものです。函館都市圏の人口40万人、北海道全体に対して10％にも満たないのにこの数値というのは相当高いですね。
札幌や道央圏からだと、どう考えても小樽（新潟）や苫小牧（八戸、大洗）、室蘭（宮古へのフェリーが運行されようとしている）とかの方が近いのに、なにかあるのでしょうか？
そういえば昨年、新千歳空港が雪で止まった時も本州の人は苫小牧からのフェリーでなく新函館北斗まで行って新幹線で首都圏まで移動していましたね。どっかのアイドルは七飯町で事故を起こしていましたし。津軽海峡冬景色の影響力は大きいのか（ww）。
津軽海峡フェリーの青森函館航路のブルードルフィンの積載量がトラック最大71台、商船三井の大洗苫小牧航路のさんふらわぁさっぽろがトラック最大154台です。
船舶によって積載量が違いますが、青函を70台、大洗苫小牧を150台で計算しますと、前者は青函フェリー社と合わせて1日に片道16便ありますから1,120台トラックを本州に運べますが、後者は片道3便で450台しか運べないわけです。
そして前者は片道4時間かからないのに、後者は片道17時間以上かかる。
前者を利用した方が札幌から東京にも早着しますし、途中の道南や青森、その他東北沿線各地の荷物も取り扱えます。
人口は輸送量に影響を与える要素でありますが、それだけで決まるわけでもありません。
地理的条件や、客観的な統計資料を、もう少し考慮した方が良いかと思われます。
フェリー時間だけを考慮するとその数字ですが、札幌ー函館は陸路で4時間近くかかります。対して札幌ー苫小牧は1時間ですし、青森より八戸の方が東京に近いですから、対苫小牧ー八戸航路については、そうはならないです。
大洗についても、おっしゃる通り所要時間は3時間ほど長くなりますが、青森ー東京間、8時間くらい運転する必要がある。例にあげた引っ越しでは最初から最後までドライバーがついて移動しますが、そうでない場合は、運転は札幌ー苫小牧の1時間、大洗ー東京の2時間で済むわけです。
北海道、道央圏ー首都圏以南の輸送においては、青函を経由する重要性はほとんどないと思いますね。
ではでは。
コメントありがとうございます。
「青森より八戸の方が東京に近いですから、対苫小牧ー八戸航路については、そうはならない」
東北道の川口JCTから青森ICまでが680km、八戸ICまでの距離が631kmで、仰る通り八戸の方が東京に近いですが、差はたったの48kmですよ。
法令でリミッター制限が掛けられ90km/hしか出せないトラックでも32分程度の差です。
イエロー様の言うとおり札幌・函館を4時間、札幌苫小牧を1時間として計算しますと(この数字に対してはだいたい合っていると思います)、前者は津軽海峡フェリーの標準的な便と接続してもフェリーの所要時間が3時間40分ですから、7時間40分で本州に上陸します。
後者は八戸苫小牧最速の1日に1本だけある7時間15分の便と接続しても本州上陸まで最短8時間15分です。
最速便でも本州上陸時点で青函経由より苫小牧八戸経由が35分遅く、標準的な苫小牧八戸便は7時間30分から8時間ですから、青函より本州上陸時点で1時間から1時間半は遅いわけです。
最初の八戸の話の時点で、根拠に乏しく計算も合いませんので、やはりコメントを下さる前にきちんとしたデータを確認してから示してください。
「運転は札幌ー苫小牧の1時間、大洗ー東京の2時間で済む」
運転手の運転時間についてはその指摘の通りですが、前述の通り、大洗苫小牧航路が輸送できる台数は1日に450台、つまり運転手は最大450人しか利用できないわけです。
夏季の観光シーズンや帰省シーズンには一般利用客も増え、予約が取れなくなり、ますます450という枠を取りづらくなるわけです。
大洗便も仙台便も八戸便も確かに便利ですが便数は少なく、予約が取れなければ海を渡れません。
普段から昼夜問わずピストン輸送しつつ、混雑期には増発も容易にできて大洗や八戸から溢れた車両を収容できる青函航路を、「重要性はほとんどない」というイエロー様のお考えには、残念ですがとても同意できるものではありません。
私の中では札幌ー函館は所要時間5時間の感覚があって、実を言うと、今回のコメントをするに当たりgoogleマップで確認したところ、4時間、意外と速いんだなと驚いたわけです。
道央道の延伸によって、青函航路が再び競争力を持つようになってきた、ということでしょうか。（とはいえ、札幌南側からだと一般道でも1時間程度のところに苫小牧港があるのに、函館まで4時間もトラックで走行させることは、札幌人からするとやはり理解しがたいですが。）。
ではでは。
道南方面のの4車線化は将来的に長万部以南で微妙かもしれませんね。
現状、札幌から230号線＋豊浦ICから高速利用する実態を反映していると思います。
黒松内から小樽(朝里)への高速道路の建設が始まっており、こちらが開通すると札幌から函館の最短ルートとなり苫小牧~黒松内の利用が激減するでしょう。
これで函館方面は1時間程度の短縮になるので多少の需要増加は見込めます。
青函航路の需要回復につながるかもしれません。
道内は非札幌同士の需要があまりにも薄く費用対効果の高いルートは札幌都心への高速乗り入れと思います。冬は札幌駅や大通地区から札幌北ICや札幌ICまで40分程度かかっており、高速の札幌都心乗り入れのインパクトはJRの経営に影響するくらい大きいと予想します。
フェリーの新航路の件が盛り上がってますが、日本海ルートのような高速船を導入して苫小牧~仙台を10時間で結ぶのがベターと思います。宿代わりに使えるのと、需要が大きく、季節変動が少ない札幌~仙台、東京のニーズを取り込めるものと思います。
釧路方面は農水産物が主力で季節変動が大きいのがフェリー会社にとって痛いところです。
いつもコメントありがとうございます。
おっしゃる通り、後志自動車道が開通すると伊達~黒松内は道央道で最閑散区間になるかもしれません。(新幹線長万部駅開業後は室蘭都市圏への高速バスが走るかもしれませんが…)
ただ、長万部以南の交通量も増えても1日1,000台行かないかなとも思っていますし、青函航路の需要回復に劇的に繋がるかも微妙に思っています。
フェリーも、日本海側の新日本海Fが高速船を導入できた背景には、新潟県の村上都市圏から青森県の弘前都市圏まで高速道路が繋がっておらず、京阪神圏⇔札幌圏の陸路とのスピード競合に勝算があったからだと考えています。
高速船は船会社にとって新造費用や燃料高騰リスクがありますし(国から厚い補助でもあれば別ですが)。
休憩時間確保が追い風になっている現在でも、東京や川崎から西日本の太平洋側各地に出ていたフェリー廃航路に復活の兆しが無いのをみると、仙台苫小牧航路も踏み出せないのだろうと考えています。