秋田県は青森県や岩手県に比べると高速道路の開通は遅かった。

1977年11月に岩手県に東北自動車道 一関−盛岡南が開通し、北東北初高速道路が生まれた。
その1年10か月後の1979年9月には青森県にも東北自動車道 大鰐弘前−青森が開通、青森と岩手は1970年代には高速道路が供用されたのである。

1983年10月になって、ようやく秋田県初の高速道路として東北自動車道 安代−鹿角八幡平が開通するが、県都・秋田市に秋田自動車道 横手−秋田南が開通するのは1991年7月まで待たなければならなかった。

ところが
無料供用の高速道路(自動車専用道路)の開通に関しては、秋田県はとても早かった。

秋田自動車道の部分開通から2年も経たない1993年3月17日には琴丘能代道路 八竜−能代南が開通。

琴丘能代道路より1日早く1993年3月16日に、後に三陸自動車道 大船渡北−三陸の一部となる新三陸トンネル部分のみが岩手県でも供用開始しているが、当時は大船渡北ICがなく、上のGoogleストリートビューにも痕跡が見られるように大船渡市立根町で国道45号に平面で直結しており、無料高速の2つのインターチェンジ間が開通した例としては琴丘能代道路が北東北初となっている。

ちなみに、岩手県で無料高速の2つのインターチェンジ間が初めて開通するのは1993年12月で、久慈道路 久慈−久慈北が供用開始されている。
青森県は非常に遅く、県内初の無料高速として津軽自動車道 浪岡−五所川原東が開通するのは2002年11月まで待たなければならなかった。

現在、秋田県の無料高速総延長は120kmを超えており、青森や岩手のそれを圧倒している。
北東北3県の中では無料高速の先進県ともいえる秋田県の、高速道路の交通量を今回はみていくものとする。
データは、例によって平成27年の道路交通センサスの数値である。

秋田県周辺高速道路交通量図 - コピー (3)
【画像はクリックで拡大します】

秋田道 西仙北−秋田南の区間では有料でありながら24時間交通量で10,000台を超えており、なかなか立派である。
ただ、秋田市以北の有料区間はやはり末端に向かうにつれ交通量が減ってしまう。
無料区間となる八竜以北では大幅に回復している。

有料区間は秋田市を離れるにつれ交通量が減少し、無料区間で一気に交通量が回復するという傾向は、日本海東北道湯沢横手道路でもみられる。

まあ、そりゃそうだよな。無料区間だけ走りたいという心理はよくわかる。


無料区間が市内を通過する能代市、由利本荘市、湯沢市では、近隣町村から無料高速でクルマが集まってくる傾向も見て取れた。
特に能代市の場合は顕著で、市街地をバイパスする能代南−能代東の交通量は6,718台だが、両端の八竜−能代南が7,008台、能代東−二ツ井白神が9,209台であり、やはり三種町や旧二ツ井町から地域の中心の能代市へと無料高速で行き来する需要が大きいことが数値にも表れていた。

金沢周辺 北陸道 交通量図
以前、北陸3県の中心都市である金沢市に富山や福井から車が集まるという北陸自動車道の交通量をみたが、能代市のような小規模の都市でも、同様の傾向が見られたのが興味深い。


では、ここで有料区間無料区間の平均交通量をまとめてみたので下表に。
路線名料金区分距離24時間交通量
(加重平均値)
東北自動車道
(岩手県境−青森県境)
有料41.9km8,197台
41.9km8,197台
日本海東北自動車道
(象潟−河辺JCT)
有料16.7km2,678台
無料47.8km9,784台
64.5km7,944台
秋田自動車道 南側
(岩手県境−二ツ井白神)
有料132.2km7,306台
無料21.5km8,059台
153.7km7,411台
秋田自動車道 北側
(二井田真中−小坂Jct)
有料0.5km1,313台
無料22.9km3,584台
23.4km3,535台
湯沢横手道路
(雄勝こまち−横手)
有料13.5km4,756台
無料13.8km7,279台
27.3km6,031台
角館バイパス
(羽根ヶ台−西長野)
無料6.1km5,109台
6.1km5,109台
全路線合計有料204.8km6,928台
無料112.1km7,624台
316.9km7,174台
(国交省の平成27年道路交通センサス昼間12時間の数値を使用・H27時点での未開通区間は除く)


やはり、無料区間の交通量が有料区間のそれを上回っているわけだが、その差は約700台というのは、結構、通行料収入で成り立つ有料の高速道路の需要予測というのはまともなのかもしれない(笑)
無料区間の交通量が有料区間の倍とかかけ離れた数値であれば、どんな需要予測で整備しているのかと怒られそうである。


◆ まだ高速道路が無い県境越え国道の交通量は…

余談ではあるが、秋田県の国交省直轄国道の県境越え区間の交通量もみてみた。

青森県境を越える国道7号の矢立の交通量は5,477台
一応、高速道路並行区間ではあるが、三次救急で弘前都市圏に依存する大館と青森県の交流の強さが交通量にも表れたのだろう。決して少なくはない。

沿岸で山形県境を越える国道7号の象潟側の交通量は7,386台と、矢立を上回る。
象潟も本荘や秋田よりも近い酒田都市圏との間で県境越えの移動が盛んであり、数値に表れている。
日本海東北道の整備も決定したし、早く繋がって欲しいものである。


一方で、内陸で山形県境を越える国道13号の山形側(及位)の交通量は3,013台で、沿岸の半分に満たない。
この区間は東北中央道の着工までまだ漕ぎつけておらず、需要を見ている段階だろうか。
山形県の内陸側には新庄市があるが、酒田ほど大きな都市ではなく、象潟のように県境を越える需要は大きくないのだろう。

もう一つ、岩手県境を越える国道46号の仙岩道路の秋田側の交通量は3,671台とこれも少ない。
国道46号は秋田市と盛岡市の最短ルートにあるのだが、同じ岩手県境越えでは秋田道 湯田−横手6,185台に大きく水をあけられている。
せめて盛岡市が人口50万を超えるような都市なら話は別なのだろうが、秋田から盛岡への需要はあまり大きくなく、岩手県を通過し仙台や東京へ向かうという傾向が自動車の交通量にも出ているのだろう。
やはり、盛岡秋田道路が全線自動車専用道路で整備される必要性は薄いように思う。
そして、秋田新幹線も横手経由で、仙台や東京に短絡可能な北上線で東北新幹線に繋いだ方が良かったのではないかとあらためて思う次第である。


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