高速道路の交通量を調べるにあたって、当ブログでは国土交通省の二つの資料を活用している。
それぞれ、道路統計年報と、道路交通センサスだ。

道路統計年報の長所は、高速自動車国道年間を通じて算出された正確な値から割り出された1日平均交通量がわかることである。
道路交通センサスは、統計年報の対象外の地域高規格道路などの交通量もわかるが、任意の1日を選んで調査されているため、道路統計年報ほどの正確性はない。

道路統計年報道路交通センサスを比較した場合、どの程度の差異があるのだろうか。

気になったので、前回の道路交通センサスの調査が行われた2010年東北縦貫自動車道弘前線(川口JCT-青森)の24時間交通量を、道路統計年報の数値と照らし合わせてみることにした。
(道路交通センサス自体は2015年のものも公表されているが、最新の道路統計年報でもまだ2015年のものは公表されていないため、前回のものでの比較とした。)

結果は下表のとおりである。

東北自動車道 区間別交通量表(2010年)
名称
統計年報値
statistics
センサス値
census
C/S
青森
3,046
2,980
0.978
青森JCT
9,734
9,797
1.006
浪岡
7,345
7,087
0.965
黒石
5,883
5,276
0.897
大鰐弘前
8,093
7,282
0.900
碇ヶ関
6,863
6,130
0.893
小坂
6,790
6,032
0.888
十和田
7,862
6,961
0.885
鹿角八幡平
8,397
7,498
0.893
安代
8,943
8,113
0.907
安代JCT
14,955
13,772
0.921
松尾八幡平
15,640
14,059
0.899
西根
16,980
15,462
0.911
滝沢
18,644
17,279
0.927
盛岡
20,592
19,191
0.932
盛岡南
24,769
23,540
0.950
紫波
25,632
24,423
0.953
花巻
25,056
23,866
0.953
花巻JCT
24,632
23,297
0.946
花巻南
24,705
23,177
0.938
北上江釣子
24,788
23,253
0.938
北上JCT
27,304
25,025
0.917
北上金ヶ崎
26,772
24,393
0.911
水沢
24,513
21,888
0.893
平泉前沢
24,310
21,548
0.886
一関
24,067
21,133
0.878
若柳金成
25,360
22,640
0.893
築館
28,217
25,554
0.906
長者原S
28,899
26,342
0.912
古川
33,582
32,026
0.954
三本木S
35,047
33,589
0.958
大衡
35,114
0.957
大和
37,193
36,314
0.976
富谷JCT
32,401
33,383
1.030
27,996
29,933
1.069
泉S
29,032
31,391
1.081
仙台宮城
33,568
35,888
1.069
仙台南
43,042
40,871
0.950
村田JCT
37,956
34,411
0.907
村田
34,244
30,274
0.884
白石
33,955
29,417
0.866
国見
34,189
29,792
0.871
福島飯坂
35,488
31,512
0.888
福島西
40,680
37,380
0.919
福島松川S
41,421
38,179
0.922
二本松
42,647
39,465
0.925
本宮
41,861
38,439
0.918
郡山JCT
38,500
35,125
0.912
郡山
31,287
26,719
0.854
郡山南
31,372
26,407
0.842
須賀川
31,185
25,734
0.825
鏡石S
31,002
25,400
0.819
矢吹
30,206
24,615
0.815
白河中央S
29,020
23,298
0.803
白河
29,777
23,747
0.797
那須高原S
30,293
24,081
0.795
那須
33,278
26,689
0.802
黒磯板室
34,992
28,475
0.814
西那須野塩原
39,151
33,299
0.851
矢板
42,880
37,468
0.874
上河内S
43,661
38,247
0.876
宇都宮
46,608
42,133
0.904
鹿沼
51,837
47,536
0.917
栃木都賀JCT
70,634
66,784
0.945
栃木
70,711
67,220
0.951
岩舟JCT
67,674
64,395
0.952
佐野藤岡
68,256
64,923
0.951
館林
75,121
72,174
0.961
羽生
74,573
72,228
0.969
加須
78,415
77,411
0.987
久喜
85,815
86,264
1.005
岩槻
93,706
96,253
1.027
浦和第一
82,953
85,032
1.025
浦和第二
90,162
84,278
0.935
川口JCT
全線平均
32,439
29,872
0.921
(国交省の平成22年道路交通センサスおよび、道路統計年報2012に記載の2010年の値を使用)


ご覧の通り、全線でみると道路交通センサスの値の方が、道路統計年報のそれより小さい数値となっているのである。

その理由は特に難しいことは無い。
道路交通センサスは、交通量が極端に増えたり減ったりするような特異日を避けて交通量調査をしているためである。
これに対して道路統計年報の場合は、大型連休やお盆・夏休み期間、年末年始など、高需要期もすべて含んだ数値である。

それからもう一つ、2010年の特徴としていえるのが、土日祝料金上限1,000円を実施していたという事実である。
高需要期以外にも、毎週末のように交通量が飛躍的に増加し混雑していたのは、2017年の今日でもまだ記憶に新しい。

道路統計年報は年間を通じて計上された総交通量を元に算出されているので1日あたりの交通量は正確だが、高需要期を除いた普段の交通量を知るという意味では、道路交通センサスの方が参考になりやすいだろう。



差異の最も大きい区間は那須IC那須高原SICで、道路統計年報比で道路交通センサス値が0.795と、2割以上も少ない数字となっている。
この区間を挟むように西那須野塩原IC須賀川ICの区間でも道路統計年報比で0.795〜0.825と低値を記録している。

栃木県北部〜福島県中南部にかけては、高需要期に爆発的に交通量が増加する地域であるといえるかもしれない。
たしかに、栃木県付近は大型連休等のたびにいつも大規模な渋滞が発生しているわけで、その裏付けかもしれない。



一方で東京にほど近い浦和第二久喜ICや、仙台都市圏環状自動車専用道路の一部を構成する仙台南IC富谷JCTなど、大都市近郊では道路統計年報比で1を超える値が記録されている。

大都市とは言えない盛岡近郊でも1に近い値が出ているほか、青森近郊の浪岡IC青森JCTでは1を超えてしまっている。

こういった高需要期を含む道路統計年報の数値と近似の値が出る地域というのは、普段から並行一般道の利用を避けて高速道路を利用する傾向が高いのかもしれない。
特に大都市ゆえに交通量が多く、一般道が混雑しやすい首都圏と仙台都市圏ではこの性質が強そうだ。
青森都市圏と盛岡都市圏の場合は、首都圏から500km以上も離れた末端区間にあり、高需要期と言えどもほぼ首都圏から大量の車両が爆発的に流入することもない、つまり年間を通じて交通量の変動幅が小さい可能性が否定しきれず、このデータ比較だけで回答を導くのは難しいだろう。

他の路線とも比較しながら、みていければと思う。

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