前回の青森県に続き、北海道を。

全国最大面積の北海道は高速道路網の総延長も1000kmを超えており、膨大なデータとなった。

200万人近い人口を誇る北日本最大都市・札幌を中心に、道南・道東・道北の各地方ごとに点在する拠点都市を結ぶように高速道路の整備が続けられているものの、未だに函館や釧路、北見は道都と結ばれていない。

それでも、将来は高速道路ネットワークに接続されるであろう区間が主要都市近郊でも飛び地的に開通しており、函館近郊の自動車教習所ではかつて運転シミュレーターに頼ってきた高速道路教習を、函館新道の開通で実地教習できるようになっているとも聞く。

道路統計年報には数値が出て来ない、函館新道のような区間も含め、北海道の高速道路の交通量がどのような数値になっているのか、平成27年の道路交通センサスよりまとめてみた。

北海道高速道・自専道交通量図
【画像はクリックで拡大します】

◆ さすが北日本最大都市・札幌 5万台を超える札樽道交通量

青森県や秋田県の交通量を見てきた後だと、驚くような数字が当然出る。
札樽自動車道 伏古−雁来の24時間交通量は55,794台にも達する。

札幌の約半分の規模ながら100万都市である仙台を擁する宮城県の場合は、首都圏に接続されていても有料高速の最大値は東北道 村田JCT−仙台南の46,214台にとどまる。
無料高速を入れても仙台西道路の55,131台が最大値なので、札樽道はそれをも上回る数値を出すのである。

都市高速は札幌市には存在しないが、秋元市政で検討が進められている都心−札樽道 連絡自専道は必要と考える。


◆ 札幌以外でも交通量から見える主要都市の拠点性


人口500万強の北海道で200万弱の人口を誇る札幌はプライメイトシティと呼んでよいレベルであるが、それでも旭川や函館など人口30万クラスの都市や都市圏が複数存在している。
以前に別の記事で書いたことがあるが、旭川市の人口は、仙台以外の東北の県庁所在地のそれを上回るのである。

そういった有力都市では、周辺自治体を統括する拠点性がみてとれる数値もでた。


旭川の場合、道央道 深川−旭川鷹栖で9,368台という交通量が旭川鷹栖−旭川北では5,039台と、旭川鷹栖を境に北側は46%も交通量が減少してしまう。

しかし、旭川北−比布JCTでは5,370台と回復に転じるのである。

これは旭川市を南北に挟むように位置する旭川鷹栖旭川北の両インターに、南北それぞれの自治体から車両が集まってくるという拠点性の表れだろうと考える。

金沢周辺 北陸道 交通量図

北陸の拠点都市である金沢市の北陸道 金沢西ー金沢東の交通量にもみられる現象は、やはり道北の拠点都市・旭川でも見られた。


◆ 難所回避や速達性重視での1区間利用も北海道の特徴か。

以前にも書いたことがあるが、道東自動車道の交通量が最大となるのは、国道274号 日勝峠国道38号 狩勝峠をパスできるトマム−十勝清水である。

全国的に、中心都市(北海道であれば札幌)から離れるほど交通量は減っていく傾向がある中で、周辺に大きな都市もない山間部のトマム−十勝清水の交通量が最大になるというのは道東道の大きな特徴である。

道新の記事「道東道4車線化へ調査着手 占冠―十勝清水 災害対応も」によれば、日勝峠の通行止めの影響もあって、道東道の1日交通量は10,600台になっているというから、トマム−十勝清水に限れば2万台近い交通量を記録する日も出ているだろうと考える。


さて、トマム−十勝清水有料区間の話であるが、気軽に利用しやすい無料区間であればさらに強く、1区間だけの利用という傾向が見えてくる。

一例を挙げれば、深川留萌道 北竜ひまわり−留萌幌糠
ここは、決して険しい峠ではないが空知・留萌振興局境の美馬牛峠をパスする部分であると同時に、札幌⇔稚内の最速ルート上に位置する区間である。

もしも有料区間であれば、交通量節約のために美馬牛峠をそのまま走行する車両が多かっただろうと予測するが、無料区間ゆえに速達効果狙いで1区間だけ利用する車両が少なくないのだろう。


本州の場合は高速道路一般道の速度差が大きく、高速道路は長く走れば走るほど時短効果も大きくなるが、北海道の場合は一般道も流れが非常によく、使い勝手の良い区間だけ高速道路を利用する傾向があるのかもしれない。


では、ここで有料区間無料区間の平均交通量をまとめてみたので下表に。
路線名料金区分距離24時間交通量
(加重平均値)
函館新道
(函館−七飯藤城)
無料11.1km17,777台
11.1km17,777台
道央自動車道 函館方面
(大沼公園−札幌南)
有料265.2km10,109台
265.2km10,109台
道央・札樽自動車道 料金均一区間
(札幌南−札幌西)
有料20.6km39,671台
20.6km39,671台
道央自動車道 稚内方面
(札幌−士別剣淵)
有料171.7km11,102台
171.7km11,102台
名寄美深道路
(名寄−美深北)
無料22.5km4,539台
22.5km4,539台
幌富・豊富バイパス
(幌延−豊富北)
無料27.1km1,930台
27.1km1,930台
黒松内新道
(黒松内JCT−黒松内)
無料4.8km525台
4.8km525台
札樽自動車道 西側
(小樽−札幌西)
有料24.4km17,796台
24.4km17,796台
道東自動車道 根室方面
(千歳恵庭JCT−白糠)
有料193.0km5,195台
無料34.1km2,130台
227.1km4,735台
道東自動車道 網走方面
(本別JCT−足寄)
有料13.1km1,297台
13.1km1,297台
北見道路
(北見西−北見東)
無料10.6km4,891台
10.6km4,891台
美幌バイパス
(美幌高野−女満別空港)
無料8.7km4,212台
8.7km4,212台
室蘭新道
(輪西−母恋)
無料5.8km37,441台
5.8km37,441台
白鳥新道
(陣屋−祝津)
無料3.8km10,798台
3.8km10,798台
函館新外環状道路・函館江差自動車道
(赤川−北斗茂辺地)
無料19.8km7,927台
19.8km7,927台
深川留萌自動車道
(深川JCT−留萌大和田)
有料4.4km2,033台
無料39.9km3,531台
44.3km3,382台
日高自動車道
(苫小牧東−日高門別)
有料7.5km4,620台
無料37.9km9,364台
45.4km8,580台
帯広広尾自動車道
(帯広JCT−忠類大樹)
有料3.6km2,623台
無料55.0km5,050台
58.6km4,901台
旭川紋別自動車道
(比布JCT−丸瀬布)
有料2.2km2,989台
無料78.7km4,274台
80.9km4,239台
全路線合計有料705.7km9,803台
無料359.8km5,671台
1065.5km8,408台
(国交省の平成27年道路交通センサス24時間交通量の数値を使用・H27時点での未開通区間は除く)

北海道もまた、無料高速の整備が進んでいる。
というか、室蘭新道が1974年に開通している時点で、無料高速にかなり先進的な地域であったのは間違いない。

それにしても、旭川紋別自動車道無料区間89.1km(上表には含まれない丸瀬布−遠軽瀬戸瀬を込みの数値)にものぼる。

旭紋道89.1kmという距離は、八戸道 安代JCT−八戸の68.1kmや、米子道 落合JCT−米子の66.5km、宮崎道 えびのJCT−宮崎の80.5kmなどを上回る距離である。

これはすさまじい距離と整備の進捗度合のように感じる。
札幌−網走のJR特急オホーツクが「ノローツク」と揶揄される向きもあるようだが、旭川紋別自動車道の整備状況をみていると、並行するJR北海道の石北本線は苦しいだろうと考えてしまう。


税金で旭川紋別自動車道の建設が可能なら、必要に応じてJR北海道の鉄路維持に税金を投入してもよいのではないかと、あらためて思うのである。

blog_rankingクリックでブログランキングに投票!