前回の「E1A新東名高速 新静岡−森掛川 昼間12時間平均旅行速度」で、静岡県の新東名高速 新静岡−森掛川の実勢速度について、国交省の平成27年の道路交通センサスの昼間12時間平均旅行速度のデータから色々遊んでみた。

東北道花巻南盛岡南今回は12月から最高速度が110km/hに緩和される東北道 花巻南−盛岡南について。

過去にも「岩手県の東北道が120km/h制限へ」と題して、平成17年のデータから岩手県の高速道路の実勢速度を見ているが、国交省の平均旅行速度の計測方法が変わっているので、あらためて平成27年のデータから東北道 花巻南−盛岡南の実勢をみていきたい。

花巻南−盛岡南の各区間ごとの昼間12時間平均旅行速度を記したのが左の地図だ。

左の地図で、盛岡南の下に96.0という数値があるが、これは上り線の盛岡南IC矢巾町・盛岡市境の間の昼間12時間平均旅行速度が96.0km/hという意味である。
(まあ、前回の記事もお読みの方はおさらいで)

静岡県内で110km/hに制限速度が緩和される新東名高速の区間とはうってかわって、岩手県内には平均旅行速度が100km/hを超える区間がなかった。

制限速度110km/h緩和予定区間で、上下線平均の最高値となったのは花巻IC−花巻市・紫波町境98.1km/hだが(上り97.4km/h、下り98.8km/h)、岩手県内の上下線平均値が最高となるのは制限緩和予定区間外北上江釣子IC−北上市・花巻市境98.3km/h(上り97.2km/h、下り99.4km/h)であった。

前述の「岩手県の東北道が120km/h制限へ」の記事内で僕は、花巻南−盛岡南の速度が速いという実感は「あまり印象にない」とか「岩手なんかより茨城の常磐道や千葉の東関道の方が遥かに高速でぶっ飛んでる実感がある」と書いていた訳だが、平成27年のデータを見る限りでは僕の印象通り“特別速いわけでもない”という数値が出ているように思う。
(事実、茨城の常磐道 友部Jct−笠間市・水戸市境でも98.3km/hという上下線平均値が出るが、1日の交通量は岩手の27,000台強に対し茨城は約44,000台と1.6倍も多い中で同じ速度の記録を出すのだ)

確かに花巻南−盛岡南は設計速度も毎時120キロメートル以上で高速走行するのに申し分ない整備状況にあるのだが、同じ岩手県内で時速80キロ制限がかけられる一関IC−一関市・平泉町境という線形的に厳しい区間でも昼間12時間上下線平均旅行速度が97.8km/hを記録していたりする。

花巻南−盛岡南は道路規格は間違いなく良いが、そこだけが特別に速いというわけでもないようである。

では例によって、昼間12時間大型車混入率をもとに、静岡と同様に岩手も大型車がすべて80km/hで走行していると仮定して、方程式を解いて大型車以外の普通車の推定平均旅行速度を独自算出してみたいと思う。
静岡の時も同様であったが、交通量に関しては上下別の数値ではないので、平均旅行速度は上下平均値を求めてから算出しようと思う。
結果が下表だ。

東北道 花巻南⇔盛岡南 上下線普通車昼間12時間平均旅行速度 推定値
区間普通車推定平均旅行速度大型車混入率
花巻南IC−花巻Jct102.2km/h23.8%
花巻Jct−花巻IC101.9km/h22.7%
花巻IC−花巻市・紫波町境103.3km/h22.3%
花巻市・紫波町境−紫波IC101.7km/h22.3%
紫波IC−紫波町・矢巾町境100.6km/h21.6%
紫波町・矢巾町境−矢巾町・盛岡市境99.5km/h21.6%
矢巾町・盛岡市境−盛岡南IC102.8km/h21.6%
(いずれも平均旅行速度は国交省の平成27年道路交通センサス昼間12時間の数値を使用し、大型車の速度は80.0km/hと仮定)

あくまでも大型車の平均旅行速度を80.0km/hと仮定した場合の数値ではあるが、東北道 花巻南−盛岡南の普通車の推定実勢速度も100km/hをわずかに超える程度で、新東名高速に比べると低速といえる。

東名阪三大都市圏を結ぶ重要路線にして京浜工業地帯・東海工業地域・中京工業地帯・阪神工業地帯という我が国を代表する工業地帯を結ぶ新東名高速と比較するのは酷だが、本州末端区間に近い岩手の東北道の大型車混入率は低く(≒新東名高速に比べるとあまり大型トラックは走っていない)、全体の速度と普通車の速度も近い値に。




(盛岡南⇒紫波(上り線)に位置するオービス。110キロ仕様に変わるのか)
ここからは根拠のない自分の予想だが、普通車が規制緩和前から110〜120km/hくらいで高速で流れていたと思われる静岡の新東名高速と違って、ほぼ100km/hで普通車が走っていると推定される岩手の東北道は規制緩和で実勢速度がグッと上がるかもしれない。

それこそ、ところどころ片側3車線(両側5か6車線)が実現している新東名高速とは異なり、片側2車線(両側4車線)の東北道では大型車が追越車線に出てくることも合法であり、リミッターぎりぎりまで引っ張っても90km/hしか出せない大型トラックと、将来的に実現する120km/h走行の普通車の速度差は30km/hになる。

普通車にとっては110km/h走行でも違反ではなくなるメリットは大きいが、新東名に比べると東北道の高速化は走りにくさを生む結果になるかもしれないと思う。特に大型トラックの運転手さんにとっては。

新東名ほど多くはないとはいえ、岩手も1日に8,000〜9,000台くらいの大型車が通行しているのだ。
大型トラックの制限速度を100km/hに見直して、リミッターを110km/hに設定できる法改正も必要になってくるかもしれないと僕は思っている。

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