前回の記事福島南部⇔山形・宮城南部 一般道最速ルートの計算で、福島県南部の各地から、日本海側は山形県米沢市、太平洋側は宮城県岩沼市までの計算を行った。

平成22年の道路交通センサスで最速ルートであった野岩羽ルートは平成27年のデータでも快速ぶりをみせつけ、国道4号から東北中央道福島大笹生−米沢北にリレーするより速い結果を出した。

他方、太平洋側を行く国道4号国道6号の比較では、首都圏での速度の伸び悩みがみられる国道6号よりも、バイパス網が整備されている国道4号に軍配が上がった。

今回はさらに北上し、秋田県と岩手県の南部まで計算する。

野岩羽ルートは米沢市南部の、国道121号県道4号が接続する入田沢の交差点を起点に、秋田県湯沢市雄勝町の新万石橋交差点まで。
国道121号から国道13号にリレーし山形市を経由する方が速いのか、県道4号から県道8号国道287号国道347号と長井市や寒河江市を経由する方が速いのかどうか。

国道4号は岩沼市の藤浪交差点から、岩手県奥州市前沢区の沖田交差点まで。
平成22年度の計算の際には国道4号一本道で算出したが、今回はもう少し他のルートもみていこうと思う。

例によって、挑戦者サイドである国道4号ルートでの仙台以北の方からみていこう
◆ 少し遠回りだが距離40kmを超える三陸自動車道4号より速いか?

宮城県と岩手県の国道4号ルートは東北自動車道八戸自動車道が既に4車線で整備されており、国道4号に並行する無料高速の整備計画がないのであるが、宮城県の一部に限っては三陸自動車道の無料区間が国道4号からそれほど離れていない場所を通過している。
東松島市(旧鳴瀬町)の鳴瀬奥松島IC以北は無料区間で、登米市(旧中田町)の登米ICまでを利用して計算してみたい。
(登米IC以遠は東の三陸沿岸部に向かってしまい、青森を目指すにはかなりの遠回りとなる)

宮城県の旧中田町といえば岩手県境の町であり、国道342号(一関街道)で岩手県一関市にアクセス可能であるし、北上川沿いを行く複数の県道を縫って一関や平泉町まで行くことも可能だ。

とりあえず、国道4号仙台バイパスから鳴瀬奥松島ICまでの無料最速ルートは多賀城や塩釜の市街地を抜けずに済む宮城県道8号(利府街道)ルートになるので、国道4号県道8号が接続する仙台市の山崎立体交差を起点にする。
国道342号(一関街道)ルートと合流する栗原市金成の金成有壁交差点までを比較してみよう。
仙台BP山崎立体⇔金成有壁距離平均旅行速度所要時間
国道4号ルート80.3km39.9km/h2時間00分45秒
三陸道・342号ルート98.3km55.2km/h1時間46分55秒
(いずれも平均旅行速度は国交省の平成27年道路交通センサス昼間12時間の数値を使用)

こんな感じで、三陸自動車道無料区間を利用すると石巻方面へ迂遠する分だけ距離は20km近く遠回りになるが所要時間では13分以上の短縮が可能なようだ。


(青森方から東京方を望む宮城県栗原市の金成有壁の交差点。旧国道4号である宮城県道203号国道342号にアクセス)
仙台以北の宮城県内の国道4号はやはりあまりバイパス網が充実しているとはいえない。
大崎(旧古川)市は一応古川バイパスがあるとはいえ、地方都市のご多分に漏れずロードサイドショップが建ち並び市街地化しているし、築館バイパスも未開通。

埼玉、栃木の新4号バイパス、福島のあさか野バイパス福島南バイパス、宮城の白石バイパス仙台バイパスなど、東京から仙台までは国道4号もバイパスが充実しているが、仙台以北はさっぱりという感じだ。
国道4号は仙台を過ぎれば、青森までの間に人口10万を超える都市が盛岡しかない人口希薄地帯を貫く路線になるのもあるだろうが……(平成の大合併で10万を超えた大崎市や奥州市は除く)

これに対し三陸道は遠回りながらも東松島市の鳴瀬奥松島ICから登米市の登米ICまで約30分で結ぶことが可能だ。
登米ICからは国道342号で都市部の市街地を通過することなく金成有壁に至り、国道4号一関バイパス方面へと北上が可能となる。


(東京方から青森方を望む宮城県登米市の北上川沿いを行く宮城県道189号。普通車は問題ないが結構狭い)
なお、北上川沿いに北上する宮城県道189号にはご覧のような幅員狭小区間もあって、走行しやすいとは言いにくい条件がつき、所要時間でも国道342号に僅差で敗れるようだ。
これでも、国道4号で行くよりは速いみたいだが。

では、日本海側を行く野岩羽ルートの方をみていこうか。
◆ 山形市を抜ける国道13号で行くべきか、山形市を避ける国道287・347号で行くべきか

山形県内陸部を南北に縦断する場合、県都山形市を通過するメインルートである国道13号の他に、西側の最上川左岸沿いを抜ける国道287号国道347号がある。
平成22年データで計算した際は国道13号で山形市を通過するのが最速だろうという結果が出ているが、平成27年データではどうだろうか。

米沢以南の最速ルートは国道121号大峠道路で会津方面と計算済みなので、米沢市南部の入田沢交差点を起点に計算していこう。

(東京方から青森方を望む山形県米沢市入田沢の国道121号。)
国道13号山形市経由で行く場合はこのまま国道121号を直進し、米沢市の窪田交差点から国道13号に入る。
山形市を避け国道287号国道347号で行くには、左折し県道4号・8号で川西町へ抜けて国道287号へと接続していく。

計算の終点は、両路線が再び結節する尾花沢市の東北中央道 尾花沢ICだ。
計算してみよう。
米沢市入田沢⇔尾花沢IC距離平均旅行速度所要時間
国道13号ルート101.8km46.6km/h2時間10分57秒
国道287・347号ルート105.0km47.9km/h2時間11分38秒
国道287号東根経由ルート109.5km47.4km/h2時間18分29秒
(いずれも平均旅行速度は国交省の平成27年道路交通センサス昼間12時間の数値を使用)

今回も国道13号で山形市を経由する方が速いようだ。

やはり上山市から尾花沢市まで55km以上も4車線化されている国道13号は強い…!
お隣の宮城県は政令指定都市・仙台を擁しながらも国道4号が連続して4車線以上を確保するのは大河原町から大衡村までの約62kmというのを考えると、最大都市の山形市でも人口25万程度しかない山形県の国道13号の整備の充実ぶりは特筆すべきものであろう。

弘前・青森間の国道7号も山形みたいにならんものだろうか。
◆ 鳴子−雄勝と抜ける国道108号「鬼首ルート」野岩羽ルートに対抗可能か

では、山形県内陸部を行く野岩羽ルートも確定したところで、宮城県から直接秋田県に抜ける国道108号との比較をしてみようか。

かつて、仙台⇔秋田を最速で結ぶ国道108号鬼首ルートの分析で、仙台⇔秋田・青森の最速ルートになるだろうとの計算結果が出た国道108号鬼首ルートだが、野岩羽ルートには及ばず敗退していた。

今回はどうだろうか。
野岩羽ルート鬼首ルートが合流する秋田県湯沢市(旧雄勝町)の新万石橋交差点までの比較をしてみよう。

東京日本橋⇔新万石橋距離平均旅行速度所要時間
野岩羽ルート465.1km49.0km/h9時間29分46秒
鬼首ルート471.6km42.9km/h10時間59分33秒
(いずれも平均旅行速度は国交省の平成27年道路交通センサス昼間12時間の数値を使用)

またしても、野岩羽ルートの快勝。

距離では結構いい勝負になるのだが、やはり国道4号は那須以北で郡山、福島、仙台と東北屈指の人口集中地帯を通過するため平均旅行速度が伸び悩むのに対し、野岩羽ルートの速さが効いた。

各路線各区間ごとの詳しいデータは下図で。
山形宮城南部−秋田岩手南部ルート
【地図はクリックで拡大します】

大阪⇔青森 一般道(下道、無料高速)最速ルートの計算でもそうだったが、無料高速の効果がでかいな。

ところで、野岩羽ルート新万石橋交差点(湯沢市雄勝)は北緯39度3分、4号・三陸道ルート沖田交差点(奥州市前沢)は北緯39度2分とほぼ同緯度。
東京日本橋からそれぞれの地点までのデータを比較すると下表の通りになる。

東京から雄勝・前沢まで距離平均旅行速度所要時間
野岩羽ルートで雄勝まで465.1km49.0km/h9時間29分46秒
国道4号・三陸道ルートで前沢まで469.5km44.7km/h10時間30分04秒
(いずれも平均旅行速度は国交省の平成27年道路交通センサス昼間12時間の数値を使用)

ほぼ同緯度の地点で比較して、野岩羽ルートに1時間のアドバンテージが生まれるようだ。

このまま野岩羽ルート東北中央道(湯沢横手道路)秋田道へと継投し青森まで逃げ切れるか。

いくら岩手県が北海道を除く46都府県で最も人口密度の低い県とはいえ、盛岡以南の国道4号沿線には水沢(現奥州市)、北上、花巻など小都市が点在し、さらに青森市を目指すには距離稼ぎのために奥羽山脈越えをするか、下北半島の付け根の野辺地まで北上し陸奥湾沿いを行かなければならない。

今回も野岩羽ルートの勝利かなあとは思いつつ、次回へ。

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