私は2017年11月に宗谷と留萌を巡る旅をしたばかりだが、その記憶もまだ新しい2018年1月20日、また北海道へ行ってきた。

<釧路市街>
6:30〜
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釧路の朝は早い(by大橋巨泉)。東の空が明るくなりつつある釧路都心部はうっすら雪化粧していた。シャワーを浴び身なりを整え、荷物をまとめる。稚内の朝と同様、ホテルで朝食はないがセイコーマートに食糧を調達に行く予定はない。
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僅かに開く窓を開け釧路駅の方面を撮影してみる。釧路市役所、NTT釧路支店鉄塔、道警釧路方面本部などが見え、道警の左手の方に「道新」と書かれたビルが。北海道新聞釧路支社のビルで、UHBの釧路支社も同居しているという。マスメディアも立地し、まさに道東の中核都市という風情だ。
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エレベーターホールに向かうと、反対側の海手も見えた。市街地が海に面しているという点は青森市や函館市のようでもある。八戸や秋田も港湾都市だが、どちらも市街地から海は少し離れている。釧路もフェリー欲しいよなあ。八戸と大洗に就航しないかな
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季節にもよるだろうが、JALダイナミックパッケージを利用すれば往復航空券+釧路プリンスホテルが3万円でなんとかなる。この旅行を計画した時点では出発まで二週間を切っていて、もう早割など無い時期だ。お財布にやさしい。
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釧路にはローソンもある。あらためて、セイコーマートしかコンビニが無い稚内などの道北の街が醸し出す最果て感が道東のそれよりも際立つように思う。
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フィッシャーマンズワーフMOOの所から幣舞橋に上がり、釧路川の河口の方を眺めてみる。夕陽が美しいそうだ。釧路川の河口はほぼ真西(32方位でいうところの西南西と西の間の西微南というくらい)を向いている。
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幣舞橋から釧路都心方面を振り返ってみる。右側が末広町や栄町などの繁華街。幣舞橋の通りをまっすぐ突き進めばJR釧路駅である。
08:45〜 釧路は坂の街である
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幣舞橋を渡って対岸へ。立派な標柱なんかを見ていると幣舞橋は北海道三大名橋の風格があるように思う。青森からみてもっとも身近な北海道は函館になるが、大きな川が無いせいか函館市内で思い浮ぶ橋があまり出て来ないことにも気が付く。最近だと港にともえ大橋が架かっていたりもするが。
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この日、石狩や空知、上川では道央道の通行止とかJRの運休とか酷い猛吹雪になっていたので、快晴の釧路に北海道の広さを実感する。しかし、釧路で北海道新幹線H5系車両の絵と「翔け はやぶさ 道東の空に」なんて看板を目にするとは。
全くの余談ながら、釧路8:23発の「特急スーパーおおぞら4号」⇒南千歳12:45発の「特急北斗12号」⇒新函館北斗16:17発の「北海道新幹線はやぶさ30号」と乗り継げば東京20:32と約12時間で東京に行ける。
で、次に東京まで行けるのが釧路11:24発の「特急スーパーおおぞら6号」⇒南千歳15:15発の「特急スーパー北斗16号」⇒新函館北斗18:36発の「北海道新幹線はやぶさ38号」で東京着は23:04。これが鉄路での釧路から東京や仙台への最終になる。
新青森までであれば釧路13:39発の「特急スーパーおおぞら8号」⇒南千歳18:41発の「特急北斗22号」⇒新函館北斗21:59発の「北海道新幹線はやて100号」まであるようだ。
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地下道を経由して国道38号を横断すると、旧・日本銀行釧路支店。日銀の支店もまた、ある程度の格の都市でなければ所在しない。東北の県庁所在地でも盛岡や山形だと事務所はあるが支店はないし、八戸や郡山やいわきには事務所もない。道東では釧路支店がトップで、帯広に事務所があるほか北見には事務所もない。

旧日銀釧路支店が面するのが、北海道では旭川の常盤ロータリーと並んで有名な幣舞ロータリー。札幌や函館だと路面電車、旭川と釧路だとロータリーが、運転に不慣れなドライバーが困惑するポイントかもしれない。
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JR釧路駅からまっすぐに黒金町と末広町の間を抜け幣舞橋を渡ってきた「北大通(きたおおどおり)」だが、幣舞ロータリーから南は斜面になっており、車道はカーブしていく。私は歩行者なので直線的に距離短縮を図ろうと思っていると、おあつらえ向きな階段が。
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「出世坂」という名前がついているようだ。終点の見えない左遷街道を歩み続ける私が登るのは申し訳ない。“大正二年、釧路中学の開校と共に、向学心に燃える若者達の通り道とな”ったのを機に出世坂と呼ばれるようになった、との鰐淵俊之元釧路市長による解説文も。釧路中学とは、道東屈指の進学校として知られる今の釧路湖陵高校だ。釧路には釧路高等女学校(今の釧路江南高校)もあったので、旧制中学と高女が両方あったことになる。
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出世坂は結構な急坂だ。幸い、登りなら冬靴が滑るほどではない。釧路湖陵高校は1990年までこの坂を登った先の富士見3丁目2-3、今のハローワーク釧路の位置にあったという。釧路市「富士見」の富士とは、おそらく雌阿寒岳(1499m)と並ぶ名峰・阿寒富士(1476m)のことだろう。
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坂を登り切った所に「幣舞公園」があったので、いったん休憩がてら寄ってみよう。眺めが良さそうだ。
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歌詞が五星霜から三星霜に変わった他は旧制中学時代から同じ校歌を引き継いでいる釧路湖陵高校の校歌で「理想は高し阿寒山」と歌われる阿寒山とは、やはり雌阿寒岳と阿寒富士のことを指すのだろうか。幣舞橋の先のフィッシャーマンズワーフMOOの上に、うっすらと阿寒の山が見えていた。
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ここから路地裏の抜け道を駆使して次の目的地を目指すのだが、これがまた、とんでもなく滑る滑る。青森で買った冬靴で滑り止めもしっかりしているはずだが、釧路の氷結路面はスパイクが無ければ厳しいのではないか。昨晩降り積もった雪がアイスバーンを覆い隠していて、滑らないだろうと思う雪面が「実はボク、極悪氷結路面でちたートゥルリントゥルリン」と足元を掬いに来るもんだから恐ろしい。
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転びそうになりながら到着したのが、NHK釧路放送局だ。都道府県庁所在地以外でNHK「放送局」を設置するのは福岡県の北九州市の他、北海道の函館、室蘭、旭川、北見、帯広、そしてこの釧路である。NHK釧路放送局にはアナウンサーも常駐していて、ここから普通に釧路・根室管内へとローカルニュースなどの番組を放送しているのである。
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ところで、この旅行の頃の話題と言えば元NHKの登坂淳一アナのセクハラ疑惑であったが、これを報じた週刊文春によれば2011年6月、札幌放送局に赴任していた登坂氏は、取材のため、NHKのあるローカル局を訪れた。事件が起きたのは、番組収録後に行なわれた打ち上げの2次会だった。」とある。で、私、2007年頃からのテレビ欄の記録を保存なさっているインターネットサイトテレビ番組表の記録さんで調べました。すると2011年6月3日18時10分から、『ネットワークニュース北海道 ▽釧路根室スペシャル ▽震災からの復興・防災課題は?登坂アナ釧路から生中継』とあるではありませんか。ということはセクハラの現場は釧路の末広町や栄町の界隈か。
人生の下り坂を転げて行った元アナへの下衆な勘繰りはこの辺にしておいて、NHK釧路放送局を後に浦見城山通を西進する。出世坂以外にも、釧路川の方へと降りていく急坂が何本もあるようだ。
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NHK釧路から300〜400mほど西進すると、左手に何やら大きな建物があったので見てみると、なんと釧路総合振興局、かつての釧路支庁の建物であった。函館の渡島総合振興局(旧渡島支庁)に比べると随分と古くて小さいなという印象だが、渡島の方は合同庁舎で色んな機関の出先が入っているから大きいのも仕方がない。
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しかし、渡島の他にもう一つ行ったことのある江差の檜山振興局(旧檜山支庁)と比べても、釧路のそれはあまり大きさ的に変わらない気がする。檜山振興局は北海道の振興局の中で面積も最小なら人口も最少である。それを考えると釧路の庁舎が小さいのか、江差の庁舎が大きいのか……。
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朝食会場に向けてさらに浦見城山通を進むと、「くずまき歯科」の電柱広告を発見する。葛巻姓といえば、葛巻町(旧八戸藩領)周辺の八戸市にも葛巻さんはいるし、岩手県北部や青森県南部に多い苗字だ。この歯医者さんも、ひょっとすると南部から北海道に開拓に行ったご先祖様の末裔かもしれない。道北と違い、釧路や根室は津軽よりも南部や伊達方面によくある苗字が多いような気がする。
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潮見4丁目1の交差点からも坂が伸びている。この坂は斜面の途中で二手に分かれ、左の方へヘアピンで折れて降りると啄木ゆめ公園に至る。釧路新聞社(戦時の一県一紙政策で道内の他の新聞社ともども現在の道新に統合されたため、現在の釧路新聞とは別の会社)に勤務していた石川啄木はこの坂の下の辺りに住んでいたらしい。啄木も南部盛岡の出である。もっとも、啄木は仕事が長続きしない人で、釧路も3ヶ月くらいしか居なかったようだ。
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坂の上の浦見城山通を歩き、ようやく朝食を摂る店が見えてきた。普段は朝からラーメンを食べることはないが、予定を詰め込んだ釧路の旅なので朝ラー強行だ。
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札幌出身の同僚に聞いて「青森のラーメンが好きなら、絶対行った方が良いよ」と言われたのが、こちらのまるひらさん。食べログによれば営業時間は9:30からとなっていて、時刻はまだ9:19だが暖簾が出ているし食べ終えて出てくる客もいる。もう入って良いみたいだ。
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カウンターに通され、注文したのがご覧の「正油ラーメン」。確かに、青森の津軽ラーメン好きならこの釧路のまるひらのラーメンは好きになる味だろう。麺は細めのちぢれで、ポロポロという舌触りとのど越しが良い。スープの味は青森のラーメン屋で言えば「つじい」が非常に近い気がする。つじいはイワシの煮干かと思うが、まるひらは鰹ダシをかなり強めに効かせた感じで、旨味もさることながら後味のキレがすこぶる良く、まったくくどくない。本当に美味しい。ご当地ラーメンで大当たりを引くのは久しぶりじゃないか!
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この店、大正解(by井之頭五郎)。お父さんが会計など客捌きをしながら、よくお顔の似た息子さんと思われる若者が厨房で腕を振るっていたのが印象的だ。実に良い店。本当は大盛りで食べたいくらい後を引く美味さだが、釧路を発つ前にもう一軒、食べに行くものがある。次の目的地までさらに徒歩で腹ごなしする。

(6)につづく
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