前回の記事山形・宮城南部⇔秋田・岩手南部 一般道最速ルートの計算で、福島県南部の各地から、日本海側は秋田県湯沢市雄勝、太平洋側は岩手県奥州市前沢までの計算を行った。

今回は一気に、終点・青森の県庁前まで、野岩羽ルート国道4号ルートの計算結果を比較するものとする。

今回も挑戦者サイドである国道4号ルートでの奥州市以北の方からみていこう
◆ 2020年道路交通センサスデータが楽しみな岩手県道302号 岩手の4号も迂回へ

かつて平成22(2010)年のセンサスで東京・青森間の一般道最速ルートを計算した際、岩手県内はただひたすらに国道4号で抜けきるルートを使用したが、今回はもう少し国道4号より速いルートは無いものかと地図とにらめっこしてみる。
愛用するツーリングマップル(昭文社)には岩手県道13号国道4号の抜け道として紹介されており、北上−盛岡はこれを使ってみる。
残念なことに、北上以南には国道4号に対抗できそうなルートが乏しいのだが、そんな中で平成27年センサスのデータ調査後に県道に昇格した胆沢広域農道こと岩手県道302号の存在が頼もしい。

奥州盛岡
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さすが昭文社ツーリングマップル、岩手県道13号を使うことで国道4号より時間短縮が可能なようだ。

データがある部分で、北上市の有田交差点から盛岡市の上堂交差点までの比較は下表のとおりである。
北上有田⇔盛岡上堂距離平均旅行速度所要時間
国道4号ルート54.6km39.8km/h1時間22分14秒
県道13号ルート57.9km42.9km/h1時間20分54秒
(いずれも平均旅行速度は国交省の平成27年道路交通センサス昼間12時間の数値を使用)

岩手県道13号で北上すると盛岡駅付近の市街地を通過しないと行けないので時間がかかるかなと予想したのだが、それでも国道4号で行くより速いみたいだ。


(盛岡市山王町の国道4号盛岡バイパス。交差点に右折専用レーンがない。)
それもそのはず、岩手県の人には失礼ながら、盛岡市の国道4号盛岡バイパスの整備状況が県庁所在地を通過するメインルートとしてはみすぼらしいのは否めない。
これは「市営球場入口」交差点であるが、同じように第二走行車線(右車線)が右折レーンを兼ねる交差点が国道4号盛岡バイパスには何か所かあるのだ。
このような交差点で右折待ちの車両に第二走行車線を塞がれている場合、左側の第一通行車線で直進できるが、横断歩行者や自転車がいて左折待ちの車両が発生した場合は2車線とも塞がれることになってしまう。
茶畑2丁目交差点などは「7-20時右折禁止規制」などもかかるという、おおよそ県庁所在地のバイパスではなかなか見ないような規制までかかるのだ。

東北6県の人口20万以上の都市の中で、通過交通を捌く国道メインルートが盛岡ほどみすぼらしい都市は他に思い浮ばない。

国道4号沿線でいえば青森や仙台には連続した6車線区間もあるし、福島や郡山には福島南バイパス・あさか野バイパスなどの高規格バイパスもある。
八戸の国道45号だって6車線区間はあるし、八戸都心部の塩町では立体交差も完成している。
山形の国道13号も盛岡と同じく4車線ではあるが、あちらは立体交差が連続し快適な走行が可能である。

こんなわけで岩手、特に盛岡周辺は国道4号が頼りにならないので、他の県道が活躍するのである。


2015年のセンサスに県道昇格が間に合わなかったのが惜しまれるが、前沢−北上間を岩手県道302号で移動する場合、同県道の平均旅行速度が32.5km/h以下でない限り、岩手県道13号とリレーすれば国道4号よりだいぶ時間短縮が出来そうである。

奥州市前沢の沖田交差点から盛岡市の上堂交差点までの比較は下表のとおりである。
奥州沖田⇔盛岡上堂(一部推計値)距離平均旅行速度所要時間
国道4号ルート86.4km39.0km/h2時間12分59秒
県道302・13号ルート(胆沢50km/h)87.3km46.3km/h1時間53分14秒
県道302・13号ルート(胆沢40km/h)87.3km42.3km/h2時間03分43秒
(いずれも平均旅行速度は国交省の平成27年道路交通センサス昼間12時間の数値を使用)

こんな感じで参考記録ではあるが、旧・胆沢広域農道区間を50km/hで通過できれば前沢沖田〜盛岡上堂は約1時間53分で通過可能となり、旧・胆沢広域農道区間を40km/hでも約2時間04分と、国道4号だけで行くより速いのだ。
繰り返しになるが、旧・胆沢広域農道区間の平均旅行速度が32.5km/hを下回らなければ、計算上は国道4号に負けることはないのである。

とりあえず、データの正確性を期すために、北上以北のみ岩手県道13号を利用するものとして計算していこう。
◆ 野辺地大迂遠の短絡は282号(津軽街道)ですべきか、八甲田越えですべきか

国道4号は青森県の津軽と南部を結ぶメインルートであるが、両地域を隔てる八甲田山をかわすように陸奥湾沿岸の野辺地や平内へと迂遠してしまうため、青森県によって天間林・青森間にみちのく有料道路などの短絡路が建設されてきた経緯がある(東北新幹線も野辺地を避けみちのく有料に並行するように七戸十和田−新青森間を抜けて行く)。

南部町や十和田市などから国道4号を使って青森まで行く場合、この野辺地大迂遠を短絡する八甲田の短絡ルートを考えておく必要がある。


もう一つ、有力なルートとしては盛岡の北隣・滝沢から国道282号(津軽街道)で秋田の鹿角を経由して青森県平川市碇ヶ関に抜けるルート。
東北自動車道 滝沢−碇ヶ関はこのルートに並行して大鰐弘前IC青森ICを目指している。

滝沢市の滝沢分レから青森市の県庁前まで、各ルートを比較してみよう。
滝沢青森
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青森県内ではやはり野辺地大迂遠よりは十和田・青森間で八甲田越え(県道40号)の方が速いというデータが出た。
センサスのデータがある路線しか使えないので十和田市街地を通過する国道102号とリレーする形にしているが、農道や市道も色々あるので本当はさらなる時間短縮も可能である。

対する国道282号はどうだろうか。
平成22年のセンサスのデータを基に算出した滝沢分レ(盛岡・仙台方面)⇔青森 国道4号VS国道282号 比較の際には、国道4号の野辺地大迂遠よりは5分程度速いという結果が出ているが、青森県道40号による八甲田越えとの比較ではどうだろうか。

青森県道40号で山越えの場合の方が8分くらい早そうだが、トータルでの計算結果は後程。
◆ 野岩羽ルートは角館−鷹巣の105号か、田沢湖−鹿角の341号か、それとも…?

福島、山形に続いてミッシングリンク状態ながらも無料高速の恩恵にあずかってきた秋田県の野岩羽ルートも、湯沢以北はしばらく一般道を走らないといけない。

奥羽山脈に沿うように仙北市角館まで行き、そこから米代川水系の北秋田市鷹巣を目指すべきか鹿角市を目指すべきか。
平成22年のセンサスでは国道105号で角館から鷹巣へ抜けるのが最善だろうとの計算結果が出た。

まず、国道13号秋田県道11号が接続する秋田県美郷町の赤城から、国道341号ルート上に位置する仙北市の玉川宝仙湖(尻高橋北詰)までのルートを比較し、角館の通過ルートから決めたい。
赤城宝仙湖
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横手盆地北端部の平地が広がっていることもあって南北にのびる国道や県道も豊富にあるのだが、国道105号に向かうなら素直に県道11号国道341号に向かうなら角館市街地を避けるように山裾の県道50号で行くのが良いようだ。

では、玉川宝仙湖(尻高橋北詰)に行く場合、国道105号から県道321号とリレーする場合と、旧田沢湖町の野中交差点経由で国道341号で行く場合を比較してみよう。
赤城⇔玉川宝仙湖距離平均旅行速度所要時間
国道105号・県道321号ルート59.5km48.5km/h1時間13分32秒
県道11号・国道341号ルート63.6km51.1km/h1時間14分41秒
(いずれも平均旅行速度は国交省の平成27年道路交通センサス昼間12時間の数値を使用)

というわけで、国道341号で鹿角経由の場合も、角館を国道105号で縦断して上桧木内から県道321号で行くのが良いようだ。

ただまあ、H22センサスでの計算の際にも書いたが、県道321号は全区間舗装済ながら大型トレーラーでは走りたくないような険道っぷりを見せてもくれるのだ。
これが嫌であれば、国道46号で旧田沢湖町経由で国道341号を北上してくるのも手だ。


ということで、上桧木内から碇ヶ関までのルートを国道105号で鷹巣・大館経由にするか、国道341号で鹿角・小坂経由にするかの比較に移ろう。

北秋田市(旧森吉町)の諏訪岱交差点以北の秋田道 鷹巣−大館北などは、大阪⇔青森 一般道(下道、無料高速)最速ルートの計算の際に使用した岩城IC⇔大館北IC 一般道最速ルートの計算の際に確定済みである。
上桧木内碇ヶ関
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やっぱり、国道105号で鷹巣に抜けるのが早いみたいだ。
これ以北は大阪青森間の計算で確定済みである。
上桧木内⇔碇ヶ関距離平均旅行速度所要時間
国道105号・秋田道・国道7号ルート100.2km54.0km/h1時間51分15秒
国道341号・282号ルート96.0km46.9km/h2時間02分46秒
(いずれも平均旅行速度は国交省の平成27年道路交通センサス昼間12時間の数値を使用)

距離だと国道341号が短いのだが、玉川温泉や八幡平など山岳地帯を抜ける分、カーブや勾配がきつく平均旅行速度が思うように伸びない。
国道282号でも鹿角市街も通過しないといけない。

その点、国道105号の方がまだ走りやすく、秋田道で鷹巣や大館の市街地をパスできるのは強い。
今回も国道341号よりは国道105号で角館−鷹巣を通過がベターだ。
◆ 東京⇔秋田市の一般道最速路も野岩羽ルートから応用を・・・!?

青森までの計算をまとめる前に北東北最大都市である秋田市への最速ルートを出しておきたい。

具体的には、山形・秋田県境北側の雄勝までは野岩羽ルートと同じである。
雄勝以北は、国道13号東北中央道(湯沢横手道路)などで横手や大曲を経由するより、国道108号で日本海沿岸の由利本荘市に抜けて日本海東北自動車道 本荘−岩城を利用し国道7号というのが良いようだ。

国道13号の山形県境から秋田市の臨海十字路交差点までの比較は下表の通り。
山形県境⇔秋田・臨海十字路距離平均旅行速度所要時間
国道108号・日本海東北道・国道7号ルート104.6km59.1km/h1時間46分09秒
国道13号・湯沢横手道ルート118.8km48.0km/h2時間28分36秒
(いずれも平均旅行速度は国交省の平成27年道路交通センサス昼間12時間の数値を使用)

というわけで、東京日本橋⇔秋田市の一般道(下道、無料高速)最速ルート野岩羽ルート国道108号日本海東北自動車道 本荘−岩城国道7号だ。

これで、東京・秋田間は距離=559.7km、平均旅行速度=50.6km/h、11時間03分45秒となる。


秋田市なら高速道路に無課金でもほぼ11時間で東京からクルマで行けるのね。
って、そういえば秋田−弘前間の最速ルートは大阪・青森間の計算の際に算出済み。

従来の阿仁経由(105号ルート)と秋田市経由(108号・285号ルート)を比較するとどちらが速いだろう?
雄勝米内沢
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国道13号の山形・秋田県境と、国道105号国道285号が接続する北秋田市の諏訪岱交差点までの間で、秋田内陸の横手・阿仁経由の国道105号ルートと、沿岸の秋田市経由の国道108号・285号ルートで比較すると下表のようになった。
山形県境⇔諏訪岱交差点距離平均旅行速度所要時間
国道13号・湯沢横手道・105号ルート160.4km51.2km/h3時間07分48秒
国道108号・日本海東北道・国道7・285号ルート169.6km55.1km/h3時間04分42秒
(いずれも平均旅行速度は国交省の平成27年道路交通センサス昼間12時間の数値を使用)
東京−青森の野岩羽ルート、秋田市経由が最速か。
まさか、秋田沿岸部まで出るのが最速ルートになるとは・・・・・・。

◆ 東京−青森の一般道最速ルートを比較してみよう

秋田・岩手南部(雄勝、前沢)から青森までの各ルートの比較は終了した。

野岩羽ルートが平成22年と変わった所は、無料高速の新規開通区間の他に、栃木県の矢板−塩原間と、秋田県の雄勝−鷹巣間と、青森県の大鰐−浪岡間と、大きく変わった。

ルート別の詳細は下の地図の通りだ。
秋田岩手南部−青森
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国道4号を中心に青森県内まで走っていき県道40号で八甲田越えのルート、国道4号中心に岩手まで北上して国道282号で津軽地方へ抜けて国道7号にリレーするルート、秋田沿岸経由というさらなる高速ルートを擁する前回王者の野岩羽ルートの3本の比較で最速路を決めよう。
また参考記録として、既に敗退が決まっている国道4号のみで北上ルートや、東北中央道福島大笹生−米沢北を利用した場合の奥羽ルート国道108号で宮城県から秋田県に抜ける鬼首ルートとの比較もしてみる。

東京日本橋⇔青森県庁前距離平均旅行速度所要時間
国道4号・三陸道・青森県道40号ルート747.4km45.2km/h16時間33分08秒
国道4号・三陸道・国道282号ルート745.8km44.7km/h16時間41分33秒
野岩羽ルート736.6km50.0km/h14時間43分35秒
4号のみルート736.0km43.1km/h17時間03分57秒
奥羽ルート741.2km49.9km/h14時間50分55秒
鬼首ルート750.6km46.3km/h16時間12分04秒
(いずれも平均旅行速度は国交省の平成27年道路交通センサス昼間12時間の数値を使用)

今回も野岩羽ルートの勝利でありました。
東京・青森間は距離=736.6km、平均旅行速度=50.0km/h、14時間43分35秒だ。

会津縦貫道東北中央道は開通の目途もつきつつある。
こうした無料高速の延伸で、野岩羽ルートはさらに時間短縮を可能にするだろう。

では、大阪・青森間の時のように、最後のまとめを次回にします。

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