以前、青森県旧67市町村のコンビニ設置状況をみてみるという記事を公開したが、今回はガソリンスタンド版をやってみる。

経済産業省のこちらのデータ(pdf)によれば、平成28(2016)年度末の青森県のガソリンスタンドの数は564軒だという。
全国的にガソリンスタンドは減少傾向にある中、青森県も例外ではないようだ。

旧67市町村の人口は2015年国勢調査値を用いたが、ガソリンスタンド店舗数はできるだけ最新のものをと考え、2018年12月7日現在値を「NAVITIME」にて調べたところ県全体で541軒だという。

やはり減っているようだが、国の公式発表による2年前の数値が564で、現在の数値が541と出てくるあたり、「NAVITIME」の情報の精度もなかなか良さそうだ。

◆ 人口1,000人あたりガソリンスタンド数をみる

まずは人口1,000人あたりガソリンスタンド数を旧67市町村で比較してみようと思う。
値が高ければ高いほど、住民にとってはガソリンスタンドが豊富にあるということになろうか。

青森県旧67市町村 人口1000人当たりGS店舗数
【図はクリックで拡大します】
コンビニの場合、旧8町村が無コンビニ地帯になっていたわけだが、さすがに旧67市町村でガソリンスタンドが消滅した所はなかった。
クルマ社会の青森県、そして冬場は灯油販売を行う業者もあるだけに、やはりガソリンスタンドはコンビニ以上に生活と切っても切り離せぬ重要インフラという感じがする。

意外なことに、人口の割にガソリンスタンドが少ない所として、ほんのわずかな僅差で1位は百石町に譲りつつも青森市が2位にランクインしている。
県内人口首位都市の青森市は店舗数で、人口2位都市の八戸市の後塵を拝しているのだ。

いったいどうしたことか…
信頼性の高いソースを示せず憶測にすぎないが、激安で知られた青森市の柿本石油の2008年の破綻はヒントかもしれない。柿本石油の旧店舗はおおむね他の業者が居抜きで再利用しているが、破綻前の激安攻勢に耐えられず廃業に追い込まれたガソリンスタンドが出ている、という噂は2007年頃にあった。
カキモトによって減らされた店舗が、今も回復していないのかもしれない。
あくまでこれは憶測だが、不当廉売は地域と業界に打撃を与えるという実例だったのか。

旧百石町に関しては、商業地としては隣接する旧下田町や八戸市の方が栄えていて、面積が狭いのも人口の割にガソリンスタンドが少ないという結果に繋がったのかもしれない。


反対に、人口の割にガソリンスタンドが多い所として、人口1,000人あたり店舗数が1を超える所は新郷、佐井、東北、車力、三厩、柏、十和田湖、中里、横浜、南部、岩崎と旧11町村にも及ぶ。天間林も0.999とほぼ1に近い数値を記録している。

これは、ガソリンスタンドの撤退速度を上回る急速な人口減少によって数値が跳ね上がっているケースと、自治体の人口減少とは関係なくガソリンスタンドが集積しやすいケースに分けられるのではないかと考えるが、次で。

◆ セルフ式ガソリンスタンド1店舗あたり人口をみる

次は人口1,000人あたりセルフ式ガソリンスタンド数を旧67市町村で比較してみようと思う。
値が高ければ高いほど、住民にとってはセルフ式のガソリンスタンドが豊富にある、ということになる。

青森県旧67市町村 人口1000人当たりセルフ式GS店舗数
【図はクリックで拡大します】

セルフ式かフルサービス店舗型かを問わず、人口1,000人あたり店舗数が1を超える、或いはほぼ1という所は新郷、佐井、東北、車力、三厩、柏、十和田湖、中里、横浜、南部、岩崎、天間林の旧12町村になる。

このうち、柏と中里と南部と天間林の旧4町村にはセルフ式のスタンドが立地する。
中里は比較的人口の多い地域であり、柏は商業集積地、南部と天間林は高速道路の並行が無く交通量の多い国道4号が地域内を貫くという特徴があり、ここはガソリンスタンドが消滅する心配はないだろう。
自治体の人口減少とは関係なくガソリンスタンドが集積しやすいケースというやつか。
(本当はコンビニ充実自治体でもある横浜にもセルフ式があっても良さそうなのだが、いずれ下北縦貫道が延伸すれば並行一般道の国道279号沿いでガソリンスタンドの商売をするのは難しいと考えられているのだろうか?)


ところで、セルフ式のガソリンスタンドといえば平成10(1998)年に規制緩和で登場し、給油所総数が減少する中でも増加し続けて来た形態だが、新郷や佐井などは歴史上、新設やフルサービススタンドからの形態転換を問わずセルフ式のスタンドが誕生することがなかった自治体ということになる。

かなりキツイ言い方で関係者には申し訳ないと思うが、新郷、佐井、三厩、十和田湖、岩崎あたりは将来にガソリンスタンドが消滅する地域ということになるかもしれない。
セルフ式スタンドは設備投資額が大きいので零細な個人経営者が形態転換するのは難しいとはいえ、儲かる地域ならどこか進出する業者がいるはずだが、それが無いのである。
いずれも、人口減少が著しい地域でもあるんだよなあ。
ガソリンスタンドの撤退速度を上回る急速な人口減少によって数値が跳ね上がっているケースってことになるだろうか。

青森県旧67市町村 セルフ式GS店舗構成比率
【図はクリックで拡大します】

ちなみにこちらが、旧67市町村ごとのガソリンスタンド軒数に占めるセルフ式の比率を図にしたもの。

県全体では25.5%がセルフ式ということになるが、青森と八戸は約1/3がセルフ式ということになり、弘前はなんと4割がセルフ式ということになる。
いずれにせよ、黒石やむつなど、他の都市部でもこの傾向が進行していそうだ。

◆ 24時間営業のガソリンスタンドの分布をみる

24時間営業のガソリンスタンドの立地傾向も見ておきたい。
人々が眠りにつき、交通量もガクンと減る深夜・未明帯においては給油需要も小さくなるから、スタンドが24時間営業するには余程の需要が無いと難しい。
逆説的に言えば、24時間営業するスタンドがある地域なら、当面はガソリンスタンドがなくなる心配は杞憂といって問題無さそうだ。

青森県旧67市町村 24時間営業GS店舗数
【図はクリックで拡大します】

24時間営業のスタンドが存在するのは青森、弘前、八戸、十和田、五所川原、黒石の6市と、常盤と大鰐の旧2町村の計8市町村だけということになる。

郡部で立地が確認された常盤と大鰐の店舗はいずれも国道7号沿線で、やはり自治体の人口というより長距離移動する顧客の需要に支えられているのだろう。

それにしても、上北郡の野辺地と六ヶ所を含めても、下北半島には24時間営業のガソリンスタンドが皆無なのか。
八戸自動車道・百石道路・上北自動車道には給油所がないので、岩手県方面から深夜零時を跨いで高速道路で下北半島へ向かう場合は、岩手山SAが最終給油地になる。燃料の残が少なくなれば、八戸市内で一般道に降りるか、遠回りだが十和田市を経由しないといけないようだ。

函館−大間のフェリーが深夜帯でも運航していて、北海道−首都圏の流動の恩恵がもう少し大きければ全然違うのだろうが、むつ市と三沢市、おいらせ町(下田、百石)には1店舗欲しい気がする。


最後に、24時間営業店舗数なら八戸市を逆転して県内最多となる旧青森市内の24時間営業スタンドの立地を見て終わりたい。
旧青森市内 24時間営業ガソリンスタンドMAP
【図はクリックで拡大します】

24時間営業のスタンドは旧青森市内に8店舗あるが、7店舗は中心市街地から市外へ向かう車線沿いにあり、野辺地方面に向かう国道4号方面には1店舗も無いという特徴がある。

国道7号で弘前・秋田方面へ向かう車線沿いが地図上で△鉢の2店舗。
青森道 青森中央ICへ向かう県道120号沿いにきキΔ3店舗と、どちらかといえば青森から弘前・秋田方面への需要に対応した立地と言えるかもしれない。

24時間運航するフェリーの青函航路の需要も関係あるかなと思ってはいたが、フェリーふ頭~東北道 青森IC間に24時間営業のスタンドは1店舗しかないので、大きな要素にはなっていなそうだ。
(余談だが、函館市と、函館港フェリーターミナルにほど近い北斗市上磯の24時間営業ガソリンスタンド数は11軒もあって青森市より多い)

とりあえず、深夜にやむにやまれぬ事情で青森市で給油して出発しなければならない層にとっては便利な立地になっているようだ。


とまあ、こんな感じで見てきたが、次回は「道の駅」でも見ていこうか。
最近忙しすぎて、ブログを更新できていませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

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