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いよいよ今回で九州総合通信局と沖縄総合通信事務所管内の地上デジタルテレビ放送の送信所と中継局のうち、親局および「プラン局」(詳細についてはリンク先参照)と呼ばれるものを主要局として扱い、実効輻射電力(ERP)についてまとめ、これで全国の網羅となる。

送信場所送信出力
(W)
実効輻射電力(W)
NHK GNHK ENNNANNJNNTXNFNSJAITS
福岡3,0006,9007,2006,6006,7006,0006,6006,400 
北九州1,0009,1008,9008,5008,5008,5008,5008,500 
大牟田1045454141414141
久留米30270270300300300300300
宗像21100100100105100100100
糸島30190190190210185190185
行橋1051515656565656
佐賀1001,7501,700    1,700 
伊万里1001,1001,100 1,900
日ノ隈20125120 92.3
呼子101717 17
唐津105658 47.2
長崎1,0008,3008,1006,3006,3006,300 6,300 
佐世保1,0007,4007,2008,3008,2008,300 9,800
諫早104747464747 46
福江106262545454 54
郷ノ浦30190185280280280 280
厳原30630630340340340 970
熊本1,0008,5008,3007,3007,3007,300 7,300 
人吉3010125125105105 105
水俣1001,1001,000980980980 980
南阿蘇106868686868 68
大分1,0008,7008,300 8,7008,300 8,700 
中津40450450 450450 450
佐伯102020 2020 18
国東105050 5050 49
三重102020 2020 18
玖珠107171 6868 68
宮崎1,0008,7008,300  8,700 8,100 
延岡100870870  810 780
高千穂104438  47 50
鹿児島1,0008,1008,4009,1008,6008,900 9,100 
鹿屋45270270260260260 260
枕崎30570510870880870 870
串木野103232303330 30
阿久根30220220250250250 250
名瀬100550540590590580 560
西之表30130130115115115 115
頴娃103030302727 30
末吉102323282827 30
志布志103131272728 28
南種子108787878787 87
瀬戸内50490490520520420 520
徳之島30430440560610550 610
知名3012012010099100 100
大口107474727272 72
蒲生10140140160145150 145
送信場所送信出力(W)NHK GNHK ENNNANNJNNTXNFNSJAITS
那覇1,00010,00010,000 18,00018,500 10,500 
平良1001,7001,600 2,7002,700 2,700
石垣1001,7501,750 1,7001,700 1,700
川平30500500 500500 500
今帰仁30220220 290290 220
(総務省 電波利用ホームページ | 無線局等情報検索を基に作成、大分と宮崎の民放第2波はFNS系列として掲載)

あくまでも基幹放送用周波数使用計画の表に掲載される送信場所を地名に参考に使ったので、ご容赦を。
使用する際は必ず総務省のホームページと照らし合わせてください。
これコピペして何か損害あっても責任負いません。

資料編

全国の主要局(親局・プラン局)の実効輻射電力(ERP)がまとまったところで、各放送事業者系ごとのERPの上位10局のランキングを表にしてみた。
さすがに送信出力自体が大きい親局および、NHKが親局を設置する送信場所と同位置の民放の中継局ばかりがランクインした。

実効輻射電力(ERP)ベスト10

NHK GNHK ENNNANNJNNTXNFNSJAITS
1AK東京
68,000W
AB東京
68,000W
NTV東京
69,000W
EX東京
69,000W
TBS東京
69,000W
TX東京
69,000W
CX東京
68,000W
tvk横浜
12,500W
1
2IK札幌
34,000W
CB名古屋
33,000W
FCT福島
38,000W
KFB福島
41,000W
TUF福島
38,000W
TVh札幌
28,000W
FTV福島
39,000W
MX東京
11,500W
2
3CK名古屋
33,000W
IB札幌
33,000W
CTV名古屋
34,000W
NBN名古屋
34,000W
CBC名古屋
34,000W
TVO大阪
21,000W
THK名古屋
34,000W
MTV津
7,900W
3
4FK広島
30,000W
FB広島
32,000W
TeNY新潟
30,000W
HOME広島
30,000W
RCC広島
30,000W
TSC岡山
20,000W
TSS広島
32,000W
SUN神戸
5,890W
4
5FP福島
30,000W
FD福島
30,000W
HTV広島
30,000W
HTB札幌
27,000W
BSN新潟
29,000W
TVh旭川
13,500W
OX仙台
30,000W
TVSさいたま
5,800W
5
6QK新潟
26,000W
KB岡山
26,000W
MMT仙台
28,000W
KHB仙台
27,000W
HBC札幌
28,000W
TVh室蘭
12,500W
NST新潟
30,000W
KBS京都
4,900W
6
7BK大阪
24,000W
QB新潟
26,000W
STV札幌
27,000W
UX新潟
27,000W
MBS大阪
24,000W
TVh網走
11,000W
KTV大阪
29,000W
CTC千葉
4,200W
7
8KK岡山
24,000W
BB大阪
25,000W
ytv大阪
24,000W
ABC大阪
24,000W
RSK岡山
23,000W
TVh函館
10,500W
UHB札幌
27,000W
TVN奈良
2,300W
8
9HK仙台
24,000W
HB仙台
24,000W
YBC山形
21,000W
KSB岡山
23,000W
TBC仙台
22,000W
TVh帯広
9,800W
OHK岡山
24,000W
GBS岐阜
1,450W
9
10JG山形
17,500W
IZ室蘭
17,900W
RNC岡山
20,000W
YTS山形
21,000W
TUY山形
21,000W
TVQ北九州
8,500W
SAY山形
21,000W
GYT宇都宮
760W
10
(総務省 電波利用ホームページ | 無線局等情報検索を基に作成)

NHKおよび民放5系列(NNNEXJNNTXNFNS)は、送信出力が全国で唯一の10kW局である東京送信所(東京スカイツリーR)の局が1位を独占し、各系を総合しても関東広域圏の民放親局とNHK総合NHK Eテレが1位から7位まで独占した。

その次に食い込んできたのは五大都市圏の親局を差し置いて、なんと福島県からKFB福島放送福島(笹森山)親局送信所の41,000Wである。
確かに福島送信所も五大都市圏の親局と並ぶ送信出力3kW局だが、東京以外でERPが40kWを超えるのはKFBのみであり、それに続くのもFTVFCTTUFと福島の民放の親局であった。

一方で、送信出力3kWの中で唯一、ERPではベスト10にまったくランクインしなかったのが福岡県の福岡(福岡タワー)親局送信所である。
福岡親局のERPは他県の送信出力1kWの親局のERPと比較しても小さな値となっており、特にRKB毎日放送福岡送信所のERP6kWは、親局でも100Wの佐賀や独立局などの例外を除けば最小規模のERPである。
福岡は全局とも、皿倉山の北九州中継局の方がERPでは福岡タワーの親局を逆転する結果になった。


  (一財)情報通信振興会の実効輻射電力(ERP)の解説を読み解く 

一般財団法人情報通信振興会のホームページの実効輻射電力(ERP:Effective Radiation Power)の解説では、

“映像送信機の出力10kW(10dB)、給電線損失0.6dB、スーパターンスタイルアンテナ利得8.6dBの場合は、 10dB−0.6dB+8.6dB=18dBとなり、実効輻射電力は63kW(48dBW)”

となってるんだが、文系の人間には「よくわからん」というのが正直なところだろう。
特に、アマチュア無線をかじったことがある人などを除けば、「18dBがなぜ63kWなんだ」、というdBのところが初見殺しだと思われる。
まあ、dBを真数に変換するのは慣れればなんとなくわかってくるし、もっと上手に解説してくれてるサイトが他に山ほどあるので当ブログでは割愛させていただく。

話を戻そう。
例文のスーパーターンスタイルアンテナの利得8.6dBとは、絶対利得(dBi)のことだ。
このdBとかdBiとかよくわからんので、絶対利得(dBi)を真数の「倍数」に変換しよう!

まず、例文にある「8.6dB-0.6dB=8dB」・・・この8dBを真数の倍数に直す。
計算式は以下の通り。
10logx8
こんな感じで8dBを真数にすると約6.3となる。
例文で"映像送信機の出力10kW"なので、10kWを6.3倍にすると、実効輻射電力は63kWとなる。

以上が文系の私なりに考えた、真数の倍数を「利得」と定義する考えなのだが……とりあえず、実際の送信所や中継局で用いられている個々のアンテナの利得と損失の値は一般人には不明なので、アンテナ利得-損失の値をひっくるめて「利得(倍数)として考えるものとする。
例えば、実効輻射電力が7200Wで送信出力が500Wの局の場合、利得(倍数)は7200W÷500W=14.4倍となる。

この考え方で、利得が大きい送信所をランキングしたものが下表になる。

利得(倍数)ベスト10

NHK GNHK ENNNANNJNNTXNFNSJAITS
1TG上北
54.0倍
TC上北
54.0倍
RAB上北
47.0倍
ABA上北
54.0倍
ATV上北
45.0倍
TVh苫小牧
34.0倍
UHB苫小牧
34.0倍
MX新島
24.7倍
1
2IQ苫小牧
42.0倍
IZ苫小牧
42.0倍
RAB八戸
35.0倍
ABA八戸
35.0倍
ATV八戸
35.0倍
TSC内海
25.0倍
KTN厳原
32.3倍
GYT大田原
24.0倍
2
3TG八戸
35.0倍
TC八戸
35.0倍
STV苫小牧
32.0倍
HTB苫小牧
32.0倍
HBC苫小牧
32.0倍
TX新島
24.7倍
KTS枕崎
29.0倍
TVN奈良
23.0倍
3
4LG米子
33.0倍
LC米子
33.0倍
KYT枕崎
29.0倍
KKB枕崎
29.3倍
MBC枕崎
29.0倍
TX大田原
22.0倍
OTV平良
27.0倍
SUN明石
20.0倍
4
5HP坂出
30.0倍
HD坂出
30.0倍
RNC内海
25.0倍
QAB平良
27.0倍
RBC平良
27.0倍
TVh深川
21.0倍
OHK内海
25.3倍
WTV新宮
20.0倍
5
6HP内海
25.0倍
HD内海
25.0倍
NTV新島
24.7倍
KSB内海
25.0倍
RNC内海
24.7倍
TVh浜頓別
21.0倍
CX新島
24.7倍
MTV津
15.8倍
6
7AK新島
24.7倍
AB新島
24.7倍
NTV大田原
22.0倍
EX新島
24.7倍
TBS新島
24.7倍
TVO大阪
21.0倍
CX大田原
22.0倍
CTC銚子
15.0倍
7
8AK大田原
23.0倍
ZB
伊予青島
22.0倍
RNB
伊予青島
22.0倍
EX大田原
22.0倍
TBS大田原
22.0倍
TX
かすみがうら
19.5倍
EBC
伊予青島
22.0倍
GYT那須
14.0倍
8
9ZK伊予青島
22.0倍
AC厳原
21.0倍
YBC山形
21.0倍
YTS山形
21.0倍
TUY山形
21.0倍
TX笠岡
17.3倍
SAY山形
21.0倍
TVS熊谷
13.0倍
9
10CG深川
22.0倍
AB大田原
21.0倍
KTK珠洲
20.3倍
HTB深川
21.0倍
MRO珠洲
20.3倍
TX高萩
17.0倍
UHB深川
21.0倍
tvk横浜
12.5倍
10
(総務省 電波利用ホームページ | 無線局等情報検索を基に作成)

なんとなんと、利得部門ではわが故郷青森県の上北中継局(NHKは上北烏帽子中継局)の値が54.0倍と首位にきたのである。
そして八戸中継局も35.0倍と、かなり上位に食い込んできた。

たしかに、東日本編で書いた石川県の舳倉中継局のように220倍という大きな利得を記録する所もあるが、青森県の上北と八戸の利得は全国的にかなり大きな部類だ。

他の上位局を見ると、鹿児島県の枕崎局とか、関東広域圏の新島局とか、離れた島しょ部へと放送波をリレーする重要な中継局もランクインしている。
青森県の場合も県の中央部に八甲田山が聳え、津軽と南部の間を結ぶためには上北のような大きな利得が必要とされるのかもしれない。

この利得(倍数)の考え方では福岡県のRKB毎日放送福岡(福岡タワー)送信所はわずか2倍しかないことになる。
福岡と同じ送信出力3kWである福島県のKFB福島放送福島(笹森山)送信所なら13.7倍である。

受信アンテナに利得の性能差があるように、送信アンテナにも利得による性能差はあるのだろう。
そんなところで、今回の締め。

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