DSC_3631
ここは青森市筒井と幸畑を南北に結ぶ青森市道3・4・24号筒井大矢沢線、最近では筒井幸畑線とか筒井幸畑団地線の方が通りは良いかもしれない。一般には「わくわく広場の通り」と言った方が通じやすいだろうか。
DSC_3632
青森市道3・4・24号筒井大矢沢線が2013年に幸畑団地と接続され、同時に信号システムが変更された国道7号青森環状道路の[スポーツ公園入口]交差点は渋滞ポイントに変貌してしまった。
DSC_3633
筒井・幸畑地区に用がない人にとっては渋滞の諸悪の根源として評判がよろしくないこの道路も、沿線に前述のわくわく広場やスポーツ公園といったレクリエーション施設が立地し、青森市桜川の青森高校の隣にあった県の教育センターも移転するなど、外部から利用する車輌も随分と増えた。
DSC_3635
そんな青森市道3・4・24号筒井大矢沢線の一角に、ガードレールで塞がれたアスファルト路面が突き刺さる。上の写真3枚はその奥──西の方を向いて撮影したものだが、この写真のように反対のみ東側を望むと水田の向こうに青森山田学園の青大スチューデントプラザや山田高の自動車専攻科の建物が見えるのみで、東に道路が伸びる様子はない。
DSC_3636
青森市を東西に貫く国道7号青森環状道路は浜田〜筒井付近で特に流れが悪く、一部では平均旅行速度(平成27年の道路交通センサス)が一桁台に落ち込む。
同じ国道7号沿線にある政令指定都市・新潟や北東北最大都市・秋田を差し置いて、国道7号の渋滞ワースト区間は青森が占拠するというほど酷い道路である。
DSC_3637
信号の連携の悪さや、短区間で多くの放射状道路と平面交差する道路事情などが渋滞の要因として考えられるが、周辺の荒川水系河川(荒川・横内川・合子沢川など)を自動車で渡河できる橋梁の少なさも指摘したい。
この写真はその荒川水系横内川の遊水池上に建設された県の教育センターである。
DSC_3638
青森環状道路は青森市妙見で荒川と横内川の合流点を跨いでいるが、他にこの周辺で荒川や横内川を渡河できるのは、下流側だと約2km離れた県道40号筒井橋、上流側だと約2.5km離れた県道44号上四ツ石橋になる。
DSC_3639
一応、上流側の上四ツ石橋の至近にも横内川を渡る青森市道の四ツ石橋野尻橋はあるが、いずれも四ツ石・横内地区の古い住宅地にある狭い橋であり、大量の広域通過車輌を捌くような機能はない。土地勘のある地元民の普通自動車や軽自動車等が使う程度だろう。
DSC_3640
県道44号上四ツ石橋が所在する青森市大字四ツ石字里見は平成27年の国土交通省の道路交通センサスの交通量観測点となっていて、昼間12時間交通量が13,072台にものぼる。
DSCPDC_0001_BURST20190610165304824_COVER
上四ツ石橋混雑度は1.40と「ピーク時間帯はもとより、ピーク時間を中心として混雑する時間帯が加速度的に増加する可能性が高い状態とされている。
つまり、上流側も供給力不足の状態なのだ。
DSC_3641
一方、下流側の筒井橋もまた、青森市道の3・4・3号蜆貝八重田線が開通して勝田・青柳方面⇔筒井・八重田方面の流れは良くなったが、イオン青森店やイトーヨーカドー青森店など大規模商業施設が集積する浜田・大野方面との行き来には県道27号経由で狭い市道を抜けないとならない。
DSC_3642
浜田方面と繋がる狭い市道と県道27号の交点である[浦町東]交差点は、国土交通省の「平成30年度 第1回青森県渋滞対策推進協議会」の資料にも出てくる主要渋滞箇所である。浦町東交差点から筒井橋左岸袂の浦町奥野交差点をふくめた一帯もまた、渋滞頻発地帯である。
DSC_3643
狭い市道にかわって浜田地区の国道103号(観光通り)サンワドー青森店カドと県道27号の見性寺付近を結ぶ青森市道の3・2・2号内環状線浜田工区が目下建設中だが、これもまた荒川の架橋計画(筒井工区)は進んでおらず、開通しても結局のところ筒井橋国道7号青森環状道路・妙見橋に迂回するしかない。
DSC_3645
ということで、なかなか国道7号青森環状道路の妙見橋や横内川橋にかわる橋梁が近隣に出来なさそうな状況ではあるが、なんと実は上流側に完成後も放置状態のもったいない未成道橋梁があるのだ。
DSC_3646
この未成道橋梁が建設されていた当時、まさに筒井・大矢沢・横内地区にまたがる水田や原野では横内川遊水池の建設が佳境を迎えており、私自身も中学・高校時代に工事の様子を目撃しているのであるが、ついぞその遊水池内を横切る新しい道路の橋がどこかに繋がったという話は聞かなかった。
DSC_3647
その未成道の名前は青森市都市計画道路3・4・25号。先ほどからひたすら歩いてきた、横内川遊水池を東西に一直線に横切っているアスファルトがこれだ。路線名も青森市役所に行けば調べられるかもしれない。
DSC_3648
ご丁寧にも未成橋梁の袂にもガードレールのバリケードがあり、何らかの方法でここまで車輌で進入できても通行は叶わない。
では、せっかくなので未成橋梁をじっくり見ていく。
DSC_3649
まず橋梁南東側の標柱を探そうと思うが、雑草どころかニセアカシアの林が繁茂していて閉口。一度は歩道の一部として整備された場所のはずだが、やせ細った土地でも容易に繁殖していくことが可能なマメ科のニセアカシアならではの芸当だろう。
DSC_3651
ニセアカシアの枝の下からなんとかのぞき込んでみると、おや。銘板が埋め込まれていない。本来なら橋の名前であるとか、跨ぐ対象物(川であったり線路だったり)の名前であるとか、竣工年月日が記されているはずの銘板がないのだ。
DSC_3654
翻って、未成道を横断して北東側の標柱を探しにいくが、こちらもまたニセアカシアと雑草のせめぎあいがすさまじい。北国青森の6月上旬でこれだが、夏になればガの幼虫などの害虫のほか、ネバネバの糸を張るクモにそれらを狩りに来るアシナガバチやスズメバチも湧いて酷いことになろう。
DSC_3653
こちらも藪に体をねじ込んでみると、標柱には「平成15年3月竣工」の銘板がきちんとはめ込まれている。平成15年といえば2003年だからサッカー日韓W杯の翌年であり、竣工から既に16年も放置されていることになる。
DSC_3655
本来ならそろそろ多くの車輌を捌いていてもおかしくはなかった未成橋梁の中央に立ってみる。特別豪雪地帯の青森で3月竣工ということは、雪の中で工事の最後の仕上げをしていたのかもしれない。すべては年度末までに事業を間に合わせるためか。
DSC_3656
南側の歩道に移動してみると、かなりの幅広ぶりである。3ナンバー車でも両側をドアを開放できるくらいの余裕があるのではなかろうか。遊水池の利用者を想定して、広い歩道を整備したのだろう。
DSC_3657
南側をのぞき込むと意外にも結構な高さで、橋の下には川も道路もなく、独特のコンクリートブロック敷とそれを飲み込まんとする勢いで迫りくる植物の群落があった。
DSC_3658
視線を右に向け、南西側の袂をみると立派なコンクリート擁壁があって、いかにも人工河川を流しそうな雰囲気を醸し出しているが、水は流れていない。清流・横内川もまだ先のはずだ。
DSC_3659
北側に転じると、野球場の手前にわずかに水たまりがあって人工河川用地なのだろうとは想像できるが、その先には野球場も広がっており、河川を引くにもどこを通すつもりなのかわからない。
DSC_3660
北東側の袂にも立派なコンクリート擁壁があるのがわかる。ここから野球場を避けて人工河川を通すとなればかなりの急曲線となり、外側に当たる野球場側はかなり補強しないと水流にえぐられることになる。
DSC_3661
北側歩道を通って北西側の袂に来る。南東側の標柱と対角に位置する北西の標柱もまた銘板がはめ込まれていない。本来なら南東と北西の銘板は十中八九、橋梁の名称がはめ込まれていたはずだ。いずれかが漢字表記で、もう片方はひらがな表記だったろう。この橋梁は未だ名前を付けてもらえていないのだ。
DSC_3662
「平成15年3月竣工」の銘板がはめ込まれた北東側標柱と対角にあたる南西側の標柱は、「横内川」と記載されていて驚いた。
まさかとは思ったが、この人工河川然とした空間、遊水池の工事進捗次第では横内川だったかもしれないのか。
DSC_3663
横内川は現在も遊水池の西側を北流しており、無名の未成橋梁をくぐってはいない。工事中の頃、しっかり横内川を跨ぐものと思っていた未成道は、横内川を越えられなかったのだ。
DSC_3664
橋梁終端部から先はアスファルト舗装すらなく草生していた。通ることは叶わないが、横内川対岸の妙見の水田の先に大星保育園などの建物が良く見えた。
DSC_3665
終端部から北西を眺めると、AMラジオのNHK第一の青森送信所鉄塔や、ホテルルートイン青森中央インターが良く見える。あの一帯は国道7号青森環状道路国道103号県道27号の交通が輻輳する地点で、例の渋滞ワーストポイントもここにある。
この無名未成橋梁が生きていれば、輻輳交通の一部を迂回可能なものを……
DSC_3667
草生す道路敷を進むもいよいよ横内川本流にぶつかり行き止まり。目前の大星保育園までは直線で約250mまで来ており、大声で叫べば会話もなんとかできるほどの近さだ。大星保育園から国道103号は目と鼻の先である。
DSC_3668
横内川の右岸の土手は辛うじて一車線分の幅はあるが、遊水池になった今では耕作に行く農家も使わないし、通行する車はほとんどいないようにも思える。このまま北上すればやがて荒川の右岸となる。
DSC_3669
右岸を南に転じると水門が見えるので行ってみる。右前方に見えているのは青森中央学院大学、国道103号横内バイパスも目と鼻の先である。
DSC_3671
イタドリ類の繁茂で横内川の土手から水面は見えにくかったが、水門まで来るとコンクリートの階段が整備されていて水面の輝きがまぶしい。
DSC_3673
清流横内川である。このあたりではきれいな水も、もう数百m下っただけで毒川荒川と合流し、満潮時に下流の堤川方面から逆流する水の影響もあってあっという間に汚くなってしまう。

横内川の流れを動画でも撮影する。かつて日本一美味しい水道水に選定されたことのある横内浄水場の水は横内川からの取水だ。釣りと言えば隣の合子沢川の方が有名だが、横内川にも渓流魚はいるという。
DSC_3674
こうしてみると、水辺の親水空間でも作ろうとしていたのだろうかとも思えるような立派なコンクリート階段だが、横内川の川岸は草だらけでとても素人が遊べるような場所ではない。戻ろう。
DSC_3676
反対側の水門からも遊水地側に降りる階段があり、その向こうには無名の未成橋梁がよく見える。こちらもイタドリが元気いっぱいで降りて行く気が失せる。
DSC_3678
もう一度、終端部に戻って大星保育園方面を望む。1984(昭和59)年から始まり2001(平成13)年までに掘削工事を終了した横内川遊水池の整備計画の中で、横内川の流路の東側への付け替えが計画され、その新流路を跨ぐはずだったのが青森市道3・4・25号の無名の橋梁だったらしい。
DSC_3680
ところが工事も佳境に差し掛かる頃、最も古いもので23,000年前の埋没林や縄文時代の谷筋跡など大規模な遺跡が見つかってしまう。これを保存する方針としてしまったため、横内川の流路を変更する工事計画が破綻。既に着工済みの無名橋梁と新流路の一部はそのまま完成するも、本来の機能を果たすことないまま取り残されてしまったのだろう。
青森市南部道路妄想図
これは青森市の都市計画図などは見ず、当ブログが勝手に妄想した青森市南部の道路網だが、3・4・25号を介して第二問屋町の青森中央IC
⇔横内遊水地⇔松元台⇔戸山団地⇔自由ヶ丘⇔小柳⇔青森県立中央病院と繋がる環状道路があれば使える道路なのに、と思うのである。

問屋町通り。青森中央ICから国道103号(観光通り)までは4車線供用済み。

今回偵察した3・4・25号の未成道部分を挟んで東側、松元台の市道。この先で県道40号に接続する。

駒込川を渡って戸山団地。こちらも不自然にハイスペックな4車線道路が一部開通済。

ご覧のように突如終了する戸山団地の4車線道路だが、北北西へとカーブして自由ヶ丘方面へ。

自由ヶ丘地区で、件の3・2・2号内環状線と交差するが、この先は既に将来の高規格な幹線道路になると思われるグリーンベルト付きの幅広の道路が用意されていたりする。

小柳駅南口側。4車線で広い歩道を設置できそうな幅はあるが、完全に土地を持て余している……

小柳駅北口側。以前はここにも南口同様に広いスペースがあって、厳冬期には雪捨て場の巨大な雪山があったものだが、県営住宅や公園が建てられてしまったところをみると、やはり道路計画は消滅したのか……

以上、勝手に妄想したが。
せっかく作った無名の未成横内川橋梁をなんとか活用できないものか、青森市。

blog_rankingクリックでブログランキングに投票!