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 下北半島の中心地・むつ市田名部。田名部の市街地を東西に流れる田名部川沿いに国道338号が伸びており、今回訪れたマエダ本店もこの通りにある。川の水面の向こう正面に見えるのが下北半島最高峰の釜臥山だ。
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 ニトリ
の大きな看板が目立つこの建物、ニトリむつ店のビルのように見えるかもしれないが、これがマエダ本店の建物だ。ニトリはあくまでも入居テナントの一つだ。
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 国道338号から見たマエダ本店の建物。今でこそ株式会社マエダが正式社名で、本社所在地でもあるこの店舗の名称はマエダ本店ではあるが、1999年までの社名は株式会社マエダ百貨店であり、ここはマエダ百貨店を名乗っていた店舗だ。
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 私はマエダ本店に名称変更する直前の1998年と1999年夏にもここを訪れた経験がある。
 青森県内のデパートとして知られるさくら野や中三、三春屋などのようにマエダ百貨店が日本百貨店協会に加盟したことはないものの、造りそのものはデパートといってよい状態だった。
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 約20年ぶりに店内に入ると、売り場の位置が変わったが1階に化粧品売り場があり、むつ下北地区唯一のサーティワンアイスクリームもテナントとして入っていた。
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 入店時点で夕方7時前だったので営業終了となっていたが、贈答品・銘店コーナーもある。やはり普通のスーパーマーケットではない。マエダ本店は、形態的には今もデパートのそれに近いのだ。
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 むつ市には、旧田名部駅前通りに「むつ松木屋」も存在するが、既に1階は食品スーパーの「さとちょう」になっており、服飾・雑貨等のテナントは入っていない。そもそも2階以上では通常の営業はしておらず、「むつ松木屋」の名前だけが残っているような状況になっている。
 松木屋は青森県内の百貨店の一つとして、店舗が青森市の新町商店街と十和田市中心部の国道4号沿いにも存在したが、どちらも既になく、唯一残るむつ松木屋も百貨店・デパートとしては終了したのだ。

 日本百貨店協会に加盟しているかどうかを判断基準にすればマエダ本店は百貨店・デパートの類ではないことになるが、形態的に見ればむつ下北地区では現存する唯一のデパートだと言っても良いかもしれない。
 店舗案内をみると、1階が「食品・服飾・化粧品フロア」で、2階には「衣料品」とともに「レストランフロア」とある。デパートのレストランフロアと聞けば、一定の年齢より上の層なら子供の頃を思い出してワクワクしてくるではないか。
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 エスカレーターで2階の「衣料品・レストランフロア」に向かう。なにせ普通に客の入りも悪くなく、営業中の店舗なので棒二森屋の時のように写真撮りまくる(そして怒られた)ということができないが、いつか貴重な写真になるかもしれないと自分を正当化してみる。
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 衣料品コーナーはおいといて、レストランフロアに行ってみると、すばらしい食品サンプルの喫茶店が!コーラフロートとかソーダフロートのサンプルは、大人になって酒の味を覚えてもそそられる魔力を放ってくる。こういう喫茶店でゆっくりしたいものだ……
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 そしてファミリーレストランも健在!和洋中を問わないメニュー構成に、お子様セット類、パフェやフロートなどのデザートにアルコールもある、昔ながらのデパートのレストランだ。私なんかは五所川原の中三を思い出すようだ。最高だね!
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 3階はニトリニトリは北海道発祥で現在も札幌本社がある企業だが、北海道内でも稚内市や網走市、根室市、留萌市などの振興局所在地には出店していない。むつより小さい都市(名寄や滝川など)にも無いこともないが、ニトリも全国に出店する企業になった現在、出店の有無は地方中小都市の実力を図るバロメータの一つになるかもしれない。
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 4階はダイソーと書籍・趣味のフロアということだが、本屋がちゃんとあるというのが良い。文房具コーナーの色ペンも充実しており、中高生も楽しめるフロアだろう。
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 ゲームセンターと、幼児の遊び場もあった。屋上遊園地こそないが、最上階フロアに子供の遊び場があるのもデパートらしさの一つだ。思えば、青森の松木屋が潰れる直前といえば、最上階にはプリクラの機械が1台か2台という寂しい状態だった。むつのマエダ本店は大丈夫だ。
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 ひと通りマエダ本店を見て回って、外へ出る。こちらは国道338号を渡った側だが、マエダ本店の建物の反対側―田名部川を渡った先にも広大な平面駐車場があり、まるで郊外のショッピングモールのような機能を持って車社会に対応できているのもマエダ本店の強さかもしれない。
 ともかく、平成の大合併前で人口5万程度のむつ市中心部で、"ほぼデパート"の形態で営業を維持できている凄さは車社会に対応できたのもあるのだろう。
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 上の駐車場の写真でも左隅に映っている眼鏡店の弐萬圓堂だが、昨年末にマエダ本店内に移転したという。普通なら中心市街地を出て郊外のショッピングモールに移転とか、最悪の場合は「都市そのものから撤退」なんて事がありがちな中で、同じ中心市街地の向かいに位置するマエダ本店に移転というのは、それだけマエダの集客力がテナント側にも認知されているということだろう。
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 もともとの市内の人口が5万、平成の大合併で組み込んだ地域と周辺町村を合わせても人口10万ない下北地区で、中心部でほぼデパートの形態を残し集客しているという点で、むつマエダ本店はすごい存在だろう。
 同社サイトの沿革で1999年のマエダ百貨店からマエダへの社名変更を「スーパーマーケットとしてチェーンストアを志向する意志を明確」にしたとあるくらいなので、今後再び百貨店を名乗ることもないのだろうが、もし名ばかりでも百貨店を名乗り続けていたら「むつ市はデパートが普通に賑わっている」と言えたので、デパート好きとしてはちょっと惜しい気はする。

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