当ブログでは過去に津軽地方の数か所でフジテレビ系の秋田テレビ(AKT)の受信可能点を発見しているが、そのほとんどはワンセグにとどまっており、岩木山を除けばフルセグでの受信は鶴田町野木でのみ成功している。

 これまでの受信実験の結果から、秋田の大森山親局送信所から発射されたAKTの電波は、青森と秋田を隔てる県境地帯の嶺々を介した山岳回折によって、微弱な電波なら津軽にも薄く・広く飛んできていると考えている。
 だが、フルセグ復調可能な強度の電波を得るには山岳回折が1回で鋭く決まる伝搬ライン上でなければ難しいだろうと考えており、私はその筆頭格たる候補は陣場岳烏帽子岳田代岳の3本の伝搬ラインであろうとみている。

img2019092922441795
 具体的には上図の3本のラインだ。
 陣場岳伝搬ラインは大森山から約13.4°烏帽子岳伝搬ラインは大森山から約17.3°田代岳伝搬ラインは大森山から約18.3°のラインだ。

 上図では今までブログで紹介していない受信点も載せたが、いずれもワンセグでの受信を観測している受信点である。

 今回は、田代岳伝搬ラインを主に狙うものとし、田舎館豊蒔、津賀野、常盤中島の各受信点と、比較用に陣場岳伝搬ラインの野木受信点の結果をお送りしようと思う。
DSC_5155
 2019年9月16日、ここは田舎館村豊蒔の浅瀬石川と平川の合流部付近の農地だ。
 秋田市・大森山のAKTの親局から発射された電波は、大館市の田代岳で山岳回折し、一直線にこの付近に到達するはずである。
 AKTにチャンネルを合わせながら、土手に上がったりするもなかなか上手くいかず、リンゴ園の農道を行ったり来たり……
 正面に田代岳が見えるあたりでクルマの位置を微調整すると、ようやくワンセグ復調した。

田舎館豊蒔受信点(2019年9月10日)
AKT Inakadate Toyomaki
AKT秋田テレビ
物理ch=21ch
レベル:17

 豊蒔ではAKTワンセグ復調したが、他の秋田波(NHK総合秋田NHK Eテレ秋田ABS秋田放送AAB秋田朝日放送)はいずれもレベル0で受信不能だった。
 方角的には悪くなさそうなんだがなあ。
DSC_5255
 続いて、次の週末の9月16日には平川対岸の弘前市津賀野の土手へ。
 羽黒神社の裏手の辺りで、正面に田代岳を捉えるとAKTワンセグ復調した。

津賀野受信点(2019年9月16日)
AKT 20190910Inakadatetoyomaki
AKT秋田テレビ
物理ch=21ch
レベル:28
NHKG Akita Hirosaki
NHK総合秋田
物理ch=48ch
レベル:4
AAB Hirosaki
AAB秋田朝日放送
物理ch=29ch
レベル:19

 位置的にはかなり近い場所だが、豊蒔よりも津賀野の方が伝搬状況が良いみたいだ。
 AKTレベル28まで上がったほかAABワンセグ復調し、復調には至らなかったがNHK総合秋田もわずかながら反応した。
 
 あまり田代岳の伝搬ルートはフルセグが期待できるほど上手くいかないのかなあなどと思いながら、時間が押している中で鶴田へ急行し、野木の土手にも行ってみた。

鶴田野木受信点(2019年9月16日)
AKT Tsuruta
AKT秋田テレビ
物理ch=21ch
レベル:38

 ばっちりフルセグ復調した。
 コツをつかんだ、というか陣場岳の目印が頭に入ったこともあり、とうとう位置の微調整だけでアルミ遮熱シートを使わないでもフルセグを受けてしまう。
 
 以前にも書いたが、パナソニックのストラーダの地デジ受信画面で受信レベルを表示させると、フルセグよりワンセグの方がレベル表示バーの表示が横長になる。
 時間がなかったので他の秋田波の確認は省略したが、野木はAKTならいつでもフルセグ受信できそうだ。
 陣場岳伝搬ルートの野木の安定度の高さはともかく、田代岳伝搬ルートでももうちょっとレベルが上がってもおかしくないはずだと考え、9月29日に再度遠征。

 青森市から国道7号を南下すると、旧常盤村(現藤崎町)で瞬間的に受信レベルが30近くまで上がる地点があることに気が付いていたので、常盤でレベルが高そうな場所を探した。
DSC_5376
 ここは住所的には藤崎町大字中島。旧常盤村中島の水田だ。
 国道7号のバイパス榊交差点の弘前方でレベルが跳ね上がるポイントがあるのだが、国道7号常盤バイパスの線形は田代岳を山岳回折した電波到来方向とは角度差があり、これをなんとか田代岳にフロントガラスのフィルムアンテナを向けることが出来ないかと考え、到達したのがこの畦道だった。

 さすがに天下の国道7号常盤バイパスでクルマを斜めに停めて田代岳に向けるなんて暴挙は不可能だが、畦道の線形も田代岳には向いておらず、交通量の極めて少ない畦道の路肩で可能な限り田代岳に向けて停めた結果がコレだ。

常盤中島受信点(2019年9月28日)
AKT TOKIWA
AKT秋田テレビ
物理ch=21ch
レベル:36
NHKAKITA TOKIWA
NHK総合秋田
物理ch=48ch
レベル:16
ETVAKITA TOKIWA
NHK Eテレ秋田
物理ch=50ch
レベル:13
ABS TOKIWA
ABS秋田放送
物理ch=35ch
レベル:24
AABTOKIWA
AAB秋田朝日放送
物理ch=29ch
レベル:15

 AKT、あと一歩でフルセグ復調のレベル36!

 いやあああああ悔しい!
 しかし、田代岳伝搬ラインでもフルセグ復調可能なポイントは絶対存在するだろうという思いも強くなる、安定した受信ポイントだ。ABSに関しては鶴田の野木よりも良いレベルが取れてもいるくらいだ。

 田代岳伝搬ラインの受信調査は、機会を見てライン上で続けて行こうと思う。

 見通しの悪い急カーブなので受信調査ができていないが、五所川原市前田野目の県道35号(旧国道101号)のカーブでもAKTがレベル10〜15程度ながら復調するのは10年以上前から確認済みなのだ。
 常盤中島から前田野目の間のどこかに、フルセグ復調可能点があるはず!

DSC_5389
 で、同じ日のこの後、また鶴田の野木に移動して受信をやった結果がコレ。

鶴田野木受信点(2019年9月28日)
NOGI AKT
AKT秋田テレビ
物理ch=21ch
レベル:38
NHKGNOGI
NHK総合秋田
物理ch=48ch
レベル:18
ETV NOGI
NHK Eテレ秋田
物理ch=50ch
レベル:18
ABS NOGI
ABS秋田放送
物理ch=35ch
レベル:14
AAB NOGI
AAB秋田朝日放送
物理ch=29ch
レベル:23
GYAMAGATA NOGI
NHK総合山形
物理ch=34ch
レベル:15
ETVYAMAGATA NOGI
NHK Eテレ山形
物理ch=32ch
レベル:0
YBC NOGI
YBC山形放送
物理ch=16ch
レベル:0
YTS NOGI
YTS山形テレビ
物理ch=18ch
レベル:17
TUY NOGI
TUYテレビユー山形
物理ch=20ch
レベル:9
SAY NOGI
SAYさくらんぼテレビ
物理ch=27ch
レベル:13

 今日もAKT フルセグ受信成功!
 ていうかさくらんぼテレビ ワンセグ受信!?



 いやいやいや。



 野木、どうなってんのよ。



 たしかに、4kmか5kmほど離れた柏の土手でもさくらんぼテレビ受信したことあるけどさ、これは異常伝搬を疑うでしょ?

eas024
 直ちに、例のWilliam R. Hepburn氏によるラジオダクト予報の図を確認したが、鶴岡中継局のある山形の庄内から津軽へはほぼダクトは発生していないとみて良さそうな感じだった。
 念のため、新潟波の確認も実施したが、6波とも無反応。

 ラジオダクトなら秋田波のレベルがもうちょっと高くても良さそうだし、新潟も来ないということで、これは異常伝搬というより、まさか、ひょっとして山形の鶴岡から青森の鶴田町野木に常時微弱な電波が到来してるのか!?

 山形波(鶴岡中継局)のうち、物理chで16chのYBCNHK総合青森親局と重複、32chのEテレ山形ABA親局と重複となり、これはレベル0
 物理chで20chのTUYRAB大鰐中継局と重複で、若干レベルは上がるがSAYのように復調とはならなかった。

 大鰐局のエリアは平川水系の谷筋に広がり、鶴岡局の到来方向には阿闍羅山があるので異常伝搬でもTUYが受かるとは思えないが、津軽平野だと大規模なラジオダクトとかの異常伝搬時には鶴岡のEテレ山形YBCNHK総合ABAに影響与えたりしないもんだろうか。。。

Tsuruoka-Nogi
 帰宅し、Radio mobileで鶴岡中継局(高館山)から野木をシミュレーションすると、確かに陣場岳付近で1回だけの山岳回折がキマッているではないか!

 おいおいおい、約1kmの鶴寿橋の袂まで行けば、北海道のUHB北海道文化放送函館送信所が受かるんだぞ鶴田の岩木川左岸土手は……!

 もしかして、鶴田町野木・木筒エリアって、北海道(函館)、青森、秋田、山形(鶴岡)の4波受信が可能な東北一の電波銀座なんじゃないの?

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