当ブログでは、鶴田町野木の岩木川左岸土手で秋田テレビ(AKT)の親局をフルセグ受信可能であることと、山形県のさくらんぼテレビ(SAY)鶴岡中継局もワンセグ復調するかしないかギリギリの微弱波ながら常時到達しているらしいことを確認した。

 Radio mobileを用いて伝搬路を調べてみると、白神山地の東側にある標高1050mの陣馬岳付近(このあたりの峰々を東白神と呼ぶ人もいるようだ)で山岳回折し、見事に1回のみの回折で届く地理条件になっていることがわかっている。

 AKT親局SAY鶴岡中継局それぞれの、鶴田町野木までの伝搬路の断面図が下の図となる。

鶴田町野木 岩木川土手への伝搬路断面図
AKT山岳回折 秋田大森山-陣場岳-鶴田野木
AKT 秋田テレビ
秋田(大森山)親局送信所

送信出力=1kW ERP=11.5kW
物理ch=21ch 距離≒124km
Tsuruoka-Nogi
SAY さくらんぼテレビ
鶴岡(高館山)中継局

送信出力=500W ERP=6.1kW
物理ch=27ch 距離≒228km

 それぞれの地形断面図の右側の方で、ギザギザが盛り上がっている辺りが青森・秋田県境の東白神の峰々で、電波が接触する頂点部分が陣場岳付近の稜線である。
 陣場岳付近の稜線に接触し回折した電波が、鶴田の野木に飛んでくるのだ。
  
 さて、一般的な電波の飛び方のイメージでは、途中に電波を遮る山など障害物がない方が受信するのには有利そうなもの。
 障害物がないほうが電波の送受信に有利だろうという考え方自体は間違っていないが、長距離の伝搬の場合は途中に高い山があってくれた方が受信できる可能性はあがるのだ。

 秋田の米代川水系と青森の岩木川水系を隔てる山がなく、大館や鷹巣、能代あたりから津軽までだだっ広い平野だったら、おそらく鶴田でAKT親局フルセグ受信はもっと難しいものとなり、山形鶴岡のSAYは受信できないだろう。

 というのも、地球は丸いので、あまり長距離となると地平線の彼方に行ってしまい、電波が届かなくなるからだ。
 もっとも、電波は大気中で弧を描くように飛ぶため、直線的な肉眼での見通し範囲よりいくらか遠くまで飛んでいくこともできるのだが、それも限界がある。

 SAY鶴岡局は陣場岳がなければ、地平線の陰になる鶴田までは届かない。

 鶴岡中継局の送信アンテナの指向性の問題もあるので一概には言えないが、鶴田までの直線距離とほぼ同じ半径230kmの円を描き、途中に山などの障害物が無い任意の日本海上(深浦沖とか)の地点にいる漁船などで受信をこころみても、水平線の陰に入ってしまいSAY鶴岡局はおそらく受信できないだろう。
 
 電波の伝搬が可能な見通し距離は下記の公式で算出可能だ。
電波の見通し距離


 もっとも、各放送局の鉄塔の高さがわからないのでザックリと設定して行こうと思うが、青森県で遠距離受信の対象になる県外の放送局の見通し距離は、公式にのっとって計算すればざっと下表のようになるのではないだろうか。
 AKT秋田局180mSAY鶴岡局330mUHB函館局380mUHB渡島福島局400mMIT二戸局900mと仮に設定し計算した。


青森周辺 主要県外局見通し(伝搬)距離 推定値()
受信高
(m)
送信所・中継局
秋田鶴岡函館渡島
福島
二戸
055.374.880.382.4123.6
159.479.084.486.5127.7
564.584.189.591.6132.8
1068.387.993.395.4136.6
1571.290.896.398.4139.6
2073.793.398.7100.8142.0
10096.5116.0121.5123.6164.8
300126.6146.2151.7153.8195.0
1250200.9220.5226.0228.0269.3

 こんな感じである。

 野木の岩木川土手での受信は、現地の標高とクルマのフロントガラスのフィルムアンテナの位置から15mとして想定すれば、鶴岡局の見通し距離は本来なら約90.8しかなく、それを大きく上回る228卉賄世納信可能とする陣場岳の山岳回折はまさに障害ではなく「利得」であるとわかりやすいだろう。

 函館山から青森港の岸壁(標高ほぼ0m)までは障害物もないのにUHBがクルマのフィルムアンテナではさっぱり受信できないのも、函館送信所の見通し距離が約80劼靴なく、100劼發△訐朕更舛録緤神の陰になってしまうからなのだろう。

 実際に受信できるかどうかは送信指向性やERPなどの要素次第でもあるが、見通し距離にあるか、ない場合は山岳回折が決まりそうかどうかは、国土地理院の地理院地図でだいたい調査可能だ。

 まったく、山岳回折とは面白いものである。

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