本日12月20日付の北海道新聞に宮蘭フェリー、宮古航路休止を検討 来春にも八戸航路だけにと題する記事が出た。

 シルバーフェリーの宮古(岩手県)−室蘭(北海道)航路については、就航のニュースが出た頃から利用はあまり見込めないと思うと評してきたので、いずれ休止(→廃止)になることは予想していたが、さすがに就航からたった1年半で休止報道が出てくるとは予想できなかった。
 以下に道新の記事を引用する。

■宮蘭フェリー、宮古航路休止を検討 来春にも八戸航路だけに

 室蘭市と青森県八戸市、岩手県宮古市を結ぶ定期フェリー(宮蘭航路)について、運航する川崎近海汽船(東京)が来春にも宮古の発着を当面休止し、室蘭―八戸間の往復便に変更する方向で検討に入ったことが、19日分かった。主力の貨物の低迷が要因とみられ、同社は近く発表する予定。

 宮蘭航路は室蘭市では10年ぶり、岩手県にとっては初の定期フェリー便で、就航から1年半が経過。複数の関係者によると、収益の柱の貨物トラックが高速道路とのアクセスがよい八戸港で下船するため、宮古港の利用は低迷していた。宮古発着が休止になれば、室蘭市と宮古市の草の根交流や防災面での協力にも影響を及ぼしそうだ。

 宮蘭フェリーは2018年6月に室蘭―宮古間で就航。同10月に、貨物のてこ入れのため、南下便を八戸に寄港させるとともに、週7往復から6往復に減便するなどの対策を行い航路を維持してきた。川崎近海汽船は運輸実績を公表していない。 (2019/12/20付 北海道新聞)

 当ブログは過去の記事でも書いているとおり、混雑する苫小牧港の負担軽減に寄与するので室蘭港のフェリー航路復活には肯定する立場である。
 2018年11月から、宮古行が途中寄港する形で室蘭→八戸の片方向のみ復活した航路が、報道通り来春以降は八戸⇔室蘭で往復運航になるのであれば、八戸室蘭航路完全復活として喜ばしいことである。

 道新の記事で「川崎近海汽船は運輸実績を公表していない」と書いてあるように宮古−室蘭航路の詳細な運輸実績がわかっていないわけだが、道新は2018年7月30日付の貨物低調 厳しい船出と題した記事で『旅客は好スタート』と書いていて、僕は予想を「外した」と表現したわけだが、旅客が好調だとする報道についても疑念を深める動きが実はあった。

 シルバーフェリーの公式サイトに【宮古/室蘭航路】年末年始の運航スケジュールのご案内というページがあるのだが、なんと10月時点で2019-2020年の年末年始の宮古−室蘭航路は12月29日の室蘭発便から1月6日の宮古発便まで運休が決まっているのだ。
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 帰省とか旅行とか、正月休みで人の移動が盛んな年末年始のド繁忙期に「運休」って、普段から旅客も相当な不振だったんじゃないかと。
 トラックの輸送量が年末年始は少なくなるにしても、乗用車での帰省・旅行客も見込めないと。

─暫定2車線高速も嫌われたのか?─ 

 あともう少しで三陸道
が開通すれば好転する可能性があったにも関わらずやめるとなると、開通まで待てないレベルの不振だったのかもしれない。
 以前に指摘した通り、三陸道全線開通の暁には、通行料金は八戸−苫小牧航路に接続する八戸道より安くなり、所要時間は仙台−苫小牧航路より短縮できる見込みがあった。

 三陸道開通を待っても焼け石に水のレベルの不振だったのか、あるいは暫定2車線が嫌われたのか。
 三陸道 桃生豊里−宮古中央は約175kmが暫定2車線になるが、その速達性の不安定さも嫌われたのかもしれないと思っている。
 2007年に釜石から青森に帰る際に山田道路を走行した経験があるのだが、地元のドライバーによる全線時速50キロの低速走行というのに見舞われたことがあり、下の国道45号よりはマシにしても、追越ができないことによる定時性の低下は嫌われているかもしれない。
 完成2車線部はともかく、暫定2車線で交通事故が発生してポールとか簡易フェンスを破壊すると両方向通行止で国道45号へ強制退去というのも痛い。


─影響はそんなにあるのか?─ 
 
道新は宮古発着が休止になれば、室蘭市と宮古市の草の根交流や防災面での協力にも影響を及ぼしそうなんて書いてるけど、記者は本気で言ってるのだろうか?
 
 本当に草の根交流が盛んなら、就航からたった1年半で運休報道が出るとか、年末年始運休に追い込まれるとは考えにくい。
 (そもそも函館と青森や大間のような草の根交流が、室蘭と宮古の間に根付いているのかすら疑問だが)

 防災協力に影響ってのも、以前に美談か宣伝か見極めたい岩手県知事のTwitter発信という記事で書いた通り、岩手県の防災指揮のトップがいる盛岡は宮古より八戸港の方が便利なわけだし、青森県や八戸市が岩手には八戸港を使わせないなんて妨害もあり得ない。

 そんなわけで、道新が書くような「影響」はほとんど限定的なものでないかと思うのである。

 ともあれ、青森県から室蘭に直通できる交通機関が期せずして復活とはありがたい話。
 また八戸−室蘭航路が廃止されないように、乗りにいかないといけませんなあ。

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