2018年7月20日に青森県旧67市町村の人口推移をみてみるという記事で、平成の大合併の前の2000年から2015年にかけての旧67市町村の人口推移についてみてみた。

 前回は旧67市町村の過去の推移だったが、今回は現行40市町村の将来の推移予測について。
 本当は旧67市町村で見れたら楽しそうだったが、将来の人口予測値を示す国立社会保障・人口問題研究所の「日本の地域別将来推計人口(平成30年3月推計)」が現行市町村単位での公表なので、これに従う。

 40市町村の2045年の人口はどんな感じなのだろうか?
 2015(平成27)年当時の40市町村の人口を1とした場合の、「日本の地域別将来推計人口(平成30年3月推計)」の予測値である2045(令和27)年の人口がいくつになるのか計算し、まとめてみた。

県人口推移予測
【図はクリックで拡大します】

 青森県全体では827,296人まで減少し、2015年比で0.631という値になる。

 人口が増加し1を超える市町村は一つも存在しない。なんという絶望的な。

 とはいえ、人口減が緩やかな地域というのはあるようで、八戸市を起点に十和田市と六ヶ所村を結ぶ三角地帯(おいらせ町、六戸町、三沢市等)は県内では善戦する見込みになっており、これは旧67市町村の2000年〜2015年の推移でも好成績を収めることが出来た地域でもある。

─市町村の人口の順位変動は?─
 平成の大合併前からある旧8市については、順位が変動無くそのまま1位から8位になる予測だ。
 一方で、平成の大合併で成立した合併新市のつがる市は9位から11位に転落し、順位変動こそないが10位の平川市もまた、2015年時点で11位の上北郡おいらせ町に追い抜かれる。
 2045年の市町村の人口順位は青森、八戸、弘前、十和田、むつ、五所川原、三沢、黒石、おいらせ、平川、つがるの順になる。

 以下、各地域ごとにみてみる。

─東青地区─
市町村名2045年の人口対2015年比
青森市183,5280.638
平内町4,8460.435
今別町7980.290
蓬田村1,4770.510
外ヶ浜町2,0240.327
地域計192,6730.620
 47都道府県をみたわけではないが、県庁所在地として最悪の衰退になりそうな気配があるのがわが青森市で、2015年比で0.638という値は青森県内旧8市の中でも黒石に次ぐ低値予測だ。
 まあ18万あれば、甲府、鳥取、松江、山口などよりは人口が多そうな気もするので、全国最小の県庁所在地に転落することはなさそうだが、出身者としては悔しい思いである。
 青森市は平均寿命最下位の青森県においても寿命最下位にいて県全体の足を引っ張ったり、増田寛也に消滅可能性都市と名指しされたときの市長が「そうならないようにしなさいってことでしょ」としかコメントを返せなかったり、かなり残念な都市なので、東大卒の元キャリア官僚の現市長に期待したいところだが……
 そんなことより人口3桁になってしまう今別。でも最近、サーモン養殖とか肉牛とか色々頑張ってるので人口4桁維持できないかと応援している。

─中弘南黒地区─
市町村名2045年の人口対2015年比
弘前市120,9200.682
黒石市20,3400.593
平川市20,1540.628
西目屋村6110.432
藤崎町9,5220.627
大鰐町3,6490.377
田舎館村6,2590.804
地域計181,4550.653
 南部に比べると落ち込みが目立つのが津軽だが、そんな中でも弘前市は気を吐く感がある。非県庁所在地で人口12万を維持できるなら上出来であり、青森市が不甲斐ない分、元県都の弘前には期待する。
 平成の大合併で合併を選択しなかった田舎館村は面積が狭く平坦で、全域が弘前通勤圏に入る
好条件もあって、津軽地域で最高の0.8超の好成績。
 一方で、黒石市は上北郡おいらせ町と65人差まで詰め寄られる低迷予測。西目屋村も子育て支援や移住支援等がんばってるのだが、人口順位最下位のまま611人まで減る予想。

─西北五地区─
市町村名2045年の人口対2015年比
五所川原市31,8670.577
つがる市14,4910.435
鰺ヶ沢町3,9590.391
深浦町2,9560.351
板柳町6,4280.461
鶴田町7,9400.593
中泊町4,0210.359
地域計71,6620.492
 津軽でも人口減が最も深刻と予想されているのが西北五地区で、青森商圏からも集客する「エルムの街」を擁する商都・五所川原市ですら0.577という低迷予測。
 かつて国勢調査におけるDID(人口集中地区)が形成されるほど濃密な市街地を有していた鰺ヶ沢町が0.391と衰退著しい予測となっていたり、五所川原の後背地の衰退が酷いようだ。
 とはいえ、五所川原と近接する鶴田町は0.593で板柳町を逆転する予想(それも2030年までには逆転の見込み)であり、金木と市浦を除く旧五所川原市と近接区域は頑張れそうな気配がある。
 0.435と大幅に減少するつがる市も、鶴田の予測をみると柏なら善戦できるだろう。つがる市の大幅衰退予測は、鰺ヶ沢の予測から類推すると、人口規模で柏を圧倒する木造の衰退が激しいものと考えられる。

─三八・上十三地区─
市町村名2045年の人口対2015年比
八戸市162,1270.701
十和田市41,9070.661
三沢市28,7570.715
おいらせ町20,2750.837
野辺地町7,8290.579
七戸町8,2270.524
六戸町8,2780.794
横浜町2,5170.555
東北町10,6570.594
六ヶ所村6,9550.660
三戸町4,5630.450
五戸町9,3040.534
田子町2,5290.455
南部町9,6670.528
階上町8,9700.640
新郷村1,1330.452
地域計333,6950.668
 本来は三八地区と上十三地区は別地区なのだが、三八の八戸市が中心となる八戸都市圏に属するおいらせ町が上十三地区に入る関係から、一緒にみていく(八戸都市圏自体は岩手県にも及ぶ)。
 都市圏人口では2015年の国勢調査結果でも八戸都市圏が青森都市圏を凌駕し県内最大の都市圏になっているわけだが、2045年には八戸市単独でも青森市まで約2万の差まで追いつく。名実ともに、県内で一番の都会は青森市ではなく八戸市と断言できる情勢になっていくのは間違いなさそうだ。
 この中でも人口減が緩やかなのは八戸から三沢方面になるようで、おいらせ町や六戸町などはかなり善戦する一方で、階上町や(表に乗せなかったが)岩手県洋野町を含めた方面と、内陸の三戸といった岩手寄りの方面は衰退傾向が強くなる。
 三八と上十三に分けてみても、三八は合計で198,293人の0.663に対し、上十三は135,402人で0.675と上十三の方が衰退度が緩やかになりそうな予測だ。
 八戸市は人口も多いので、この圏域が踏ん張れれば県全体の人口減も緩やかになりそうだ。

─むつ下北地区─
市町村名2045年の人口対2015年比
むつ市37,8510.647
大間町2,5200.482
東通村3,7780.572
風間浦村7740.392
佐井村8430.392
地域計45,7660.615
 最後にむつ下北地区だが、対2015年比で0.615であり、県都青森市を擁する東青地区の0.620と衰退度はあまり変わらない予測だ。
 むつ下北地区の人口の7割から8割を占めるむつ市が結構頑張るようで、全体的に衰退を食い止めるようだ。やはり規模の大きな自治体が頑張れば数字の底上げにつながるのだ。
 下北と言えば原子力産業の立地する地域であり、むつ市のほか東通村と大間町がそれにあたり、東通村もむつ市に次いで衰退度が緩やかな自治体となるが、大間町は0.5を下回る予想となっている。
 原子力が小規模自治体の経済を強力にけん引するのは間違いないのだが、他の産業同様にAIや機械技術の発達で無人化が促進すれば、原子力施設とて作業員の数の減少は避けられない。原子力があるから人口増とか人口維持というのはもう過去の話なのだろう。
 いうほど、東京都も暮らしやすい所ではないので、青森県に限らず地方民がイメージだけで首都圏に流出するのもどうなのかとは思うが、かくいう私も大学で東京に出て行ったたちなので若者の東京志向を否定も出来ない。
 もし青森県の18歳以下の若者をすべて県内に留まらせることができても、亡くなっていく高齢者の数がそれより多いので、現在の出生率で人口維持もできない。
 1995年時点では若年人口率が全国でも上位だった青森県だけに、第三次ベビーブームを起こせる可能性があった世代の就職氷河期直撃を支援できず、「仕事が無いから」とただただ県外に出してしまったのは痛い。

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