「新潟県は何地方なのか」という話題をインターネット上で見かけることがある。
 八地方区分では中部地方に含まれる新潟県だが、電力会社が東北電力だったり、NHK新潟放送局は東京渋谷の放送センター管轄だったりと、中部地方以外に所在する広域組織に管轄されがちなのが「新潟県は何地方なのか」と話題になる要因だろう。

 日本という国における一つの県である新潟の話題と比較するとスケールは小さいが、青森県でも細かく見ていくと「何地域なのか」と思える場所はある。

 タイトルの通りなのだが、今回取り上げる上北郡おいらせ町は何地域なのか。
青森県地域県民局分類地図
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 青森県が設置する地域県民局の管轄地域を基準に6つに分類すると、おいらせ町は「上北地域県民局」の管轄地域ということになる。
 おいらせ町が2006年に合併で成立する前の旧百石町も旧下田町も上北郡である。

 おいらせ町も基本的な考え方では「上北地域」ということであろう。
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 おいらせ町は北から反時計回りに三沢市、六戸町、五戸町、八戸市と隣接し、このうち三沢と六戸は上北、五戸と八戸は三八の地域に属することになる。
 
 しかしだ、例えば八戸市北部の新興住宅街である多賀台団地入口交差点(ローソン多賀台1丁目店のある交差点)から国道45号で旧百石町中心部の百石交差点(青森銀行百石支店のある交差点)までは1.5kmしか離れておらず、間に奥入瀬川を挟むものの八戸市とおいらせ町はほぼ住宅地が連続しているような感じだ。
 旧百石町と旧下田町の境界付近もイオン下田を中心に多くの商業施設が立ち並び、多賀台から百石、下田と八戸市の郊外がずっと続いているような景観である。

 実際、平成27年の国勢調査によると、人口24,222人のおいらせ町から八戸市に通勤・通学する人口は2,882人に上り、おいらせ町の通勤・通学先としては八戸市が最大である(2位が北隣の三沢市で2,631人、3位が十和田市で657人)。

 上北地域にありながら、三八地域の八戸市と非常に密接なのがおいらせ町の特徴である。
 前述の通り、町の全通勤通学者の10%を超える2,882人以上が八戸へ通勤・通学ということでおいらせ町は八戸都市圏(10%雇用圏)に属することにもなり、5%以上を基準とする国土交通省の定義する「都市圏」の条件も満たす(総務省定義の都市圏は1.5%からだが、八戸市は人口50万に満たないので成立しない)。
 国の広域連携制度に基づく八戸圏域連携中枢都市圏にもおいらせ町が入っており、八戸市に次ぐ人口を持つ自治体ということにもなっている。

 おいらせ町が上北地域にあるのは間違いないが、八戸市との密接な関係性ゆえに属する地域が分かれるものと思われ、とりあえず、ざっと思い浮かぶものを挙げてみると下表のとおり結構分かれた。

おいらせ町 上北・三八分類一覧
 上北地域に分類三八地域に分類
警察三沢警察署 
信用金庫旧十和田信用金庫 
消防 八戸地域広域市町村圏事務組合
水道 八戸圏域水道企業団
電話単位料金 八戸MA(市外局番0178)
法務局十和田支局 
税務署十和田税務署 
旧高校学区上十三学区 
保健所 三戸地方保健所
農業関係上北地域農林水産部 
水産関係 八戸水産事務所
県土整備関係上北地域整備部 
東北電力NW三沢電力センター 
気象予報区 三八地方
東奥日報社三沢支局おいらせ通信部 

 まず、警察と消防で上北の三沢三八の八戸に分かれたのが興味深い。警察署が県を統括する青森県警察本部の管轄下で設置される一方、消防は県ではなく市町村単位での設置によるのが分かれ目か。消防組織法で“十分に果たすべき責任を有する”とされる自治体は県ではなく市町村である。

 民間の組織でみていくと、営業地域が設定されている信用金庫の営業区域をみると、元々の区域は百石も下田も八戸信金ではなく十和田信金の区域だった。
 県紙・東奥日報社の取材網では三沢支局おいらせ通信部が置かれ、デーリー東北の取材網の管轄区域は不明ながら販売店網としては三沢・おいらせ・六戸・六ケ所としてHPでまとめられている

 公的機関も民間組織も基本は上北に分類する例が優勢なようだが、旧電電公社→NTTでは八戸MAとして市外局番は0178にしていたり(ただし三沢市に近接する一部地域等では0176となっている)、気象予報区は「三八上北」をさらに細分化した場合、三沢や六戸と共に「三八」の方においらせ町は分類される。
 
 こんな感じで、おいらせ町は組織によって上北だったり三八だったり分類先が違ってくるのである。

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