おいらせ町は何地域なのかという記事を書いた際に、八戸都市圏の統計情報をみていて気が付いたことがあるので、少し触れておこうかと思う。

 八戸都市圏と言っても「10%雇用圏」を指標にするか、国土交通省の定義を指標にするかで範囲は異なってくるが、まずは地図に落としてみる。
 使用したデータは2015(平成27)年の国勢調査の数値だ。

八戸都市圏 通勤・通学率
【地図はクリックで拡大します】

 全通勤・通学者の10%以上が八戸市に集まってくる市町村が、いわゆる「10%雇用圏」の指標に基づく八戸都市圏ということになる。
 構成市町村は八戸市のほかおいらせ町、五戸町、南部町、階上町、岩手県洋野町の6市町村である。

 国土交通省八戸都市圏の定義では「5%」になるので、10%雇用圏の場合よりも範囲は広くなる。
 上述の10%雇用圏の6市町村に六戸町と三戸町、新郷村、岩手県軽米町も加え10市町村になる。

 この中でも階上町と五戸町、南部町は八戸への通勤・通学率が20%を超えてくるのだが、階上町は突出して高く49%を超えてくる。階上町に住んで通勤・通学する人の半数は、八戸市に通っているということになる。

 続いて、主要な周辺市町村から八戸への通勤・通学者数を実数でも見ておこう。

八戸都市圏 通勤・通学者数
【地図はクリックで拡大します】

 上図では100人以上が八戸市に通勤・通学する市町村を抜粋して表現した。

 八戸へ最も多くの通勤・通学者がいるのが階上町で4,314人。
 1,000人を超えるのは階上を筆頭に、南部町、おいらせ町、五戸町、三沢市、十和田市、洋野町の7市町。100人以上が八戸に通う市町村は八戸都市圏近隣の16市町村に、青森市と盛岡市も入って18市町村となる。


 八戸近隣のベッドタウンでも、八戸への依存度が高い自治体と、他市町村へも通勤・通学者が分散する自治体で特徴の違いが見えてくる。
 概ね、八戸への集中度が強いといえるのは八戸の南側の自治体(階上、南部など)で、北側の自治体(おいらせ、六戸など)は三沢市や十和田市、六ヶ所村などへの通勤通学者も一定数あり、人口減が緩やかなのは後者・北側方面である。
 地形的にも北上高地が太平洋沿岸まで張り出してくる階上・種市・三戸・軽米方面に比べ、平坦がちで三沢空港を擁する北側(上北地方)の方が、住宅にしても商工業の事業所にしても進出しやすいのだろう。

 県境を越えて八戸の影響力が及ぶ岩手県北も、東北新幹線IGR線が通る内陸(二戸)側は盛岡の影響力が卓越するようで、同じ「〇戸」グループでも一戸町は八戸への通勤・通学者数は0.35%に過ぎない。
 二戸市と沿岸の久慈市を比較しても、八戸への通勤通学は率でも実数でも久慈の方が高く、二戸は盛岡指向が強く出てくる。

八戸と、青森と盛岡との関係を見る
 最後に、八戸が非県都ながら20万を超す人口をもつことから、比較されることがある青森市と盛岡市との関係をみると、八戸に通勤・通学する人口は青森が432人で、盛岡の130人を圧倒している。
 一般論として「津軽と南部」の関係から、八戸は盛岡との繋がりが強いのだが、通勤通学による流入は「津軽」の青森市の方が盛んだということになる。
 県庁所在地に本部(本店)が所在し、その県域を単位に展開する事業所――たとえば県庁、地方銀行、新聞社、テレビ局、自動車ディーラーなどの従業員の場合、やはり人の移動が県内になるからだろう。
 青森県庁の職員や銀行の行員など、青森市に住宅を構え、人事異動などで八戸の庁舎や支店に通う人が一定数いるのが、青森が盛岡より多かった要因だろう。

 逆に八戸から通勤・通学で流出する人口を見ても、盛岡の235人に対し青森は445人。
 これもまた、八戸に自宅を構え、青森市の本部(本庁・本店)に通う人も多いからなのだろう。

blog_rankingクリックでブログランキングに投票!