前回、陣場岳伝搬ライン上の某所でマスプロ電工製の八木宇田アンテナLS146TMHに20dBブースターUB18Lを噛ませ20mケーブルS5CFB20Mを用いて秋田テレビ(AKT)宅内引き込みに成功した。

 次の「混合」は難易度が高いわけだが、受信できているAKTの電波の強さも品質もおそらく問題は無さそうであり(レベルチェッカーを使用していないので数値的な根拠はないが)、アンテナやブースターもより高性能(高利得かつ低雑音)なものに変える手段も残っている。
 それこそ「混合」に失敗しても最終手段として「同軸切替器」で受信する方法も残っていて、これならABSAABも受信可能となる。
notitle
 いちいちリモコンをアンテナに向けて同軸切替操作をしなければ青森と秋田の放送の切替が出来ないのが面倒なことと、どちらかに切替中は他方の放送は他のテレビで見られなくなる(RABを見ながらAKTを録画とか、リビングでAKTを見ながら寝室でATVを見る、ということができない。同じ県内同士の組み合わせで、ABAを見ながらRABを録画とかなら出来る)ので避けたいが、工事の難易度は低いし部材の費用も安く済む。


 なぜいきなり「同軸切替器」の話をしたかというと、混合はやはり一般的には4dB程度の損失になるわけだが、切替器なら損失量は小さい。混合のレベル差の調整の作業も必要ないという利点がある。
 ケーブルの長さによる損失は仕方がないにしても、30素子高利得アンテナに40dBブースターを噛ませるという手段でギリギリでも狙いたいアレの可能性はあるのかどうか、調べておく。

7ch1seg
 テレビ北海道(TVh)ワンセグ止まりかぁ。
 「主治医が見つかる診療所」の再放送をAndroidスマホで録画。

 旧祖父母宅はアナログ放送時代はアンテナの向きを渡島福島に変えると49ch51chにノイズ多めながらもカラーで絵が出て、函館に向けると21ch27chにも一応はカラーの砂嵐くらいの反応はあった。
 当地からは離れるが、同じ陣場岳伝搬ルート上にある鶴田町木筒の土手(岩木川の鶴寿橋西詰)なら函館局の受信も可能である。

 そんな訳で渡島福島と函館を狙って北海道向きの受信実験もやったわけだが、ブースター無しではワンセグ復調すらできなかった
 ブースターを入れても渡島福島はまったく反応なく、辛うじて函館局はTVhUHBほか全局がワンセグで受かったが、これは宅内での実用に耐えられない。

 本命はやっぱりテレ東系もある北海道なんだが、狙うべきは秋田局で確定と。
◆ Radio mobileで伝搬経路を見てみる
JZU
 角度と距離を書くと特定されてしまうので消したが、函館送信所からの距離は110km台の所。これは後述する秋田送信所よりも距離的には近い。
 こちらの標高は10mもないので完全に見通し距離の外(リンク先参照)にあり、津軽海峡と陸奥湾を超えてくる海上伝搬波直接受信の青森市の場合だと受信不可能な条件である。

 それでもアナログ時代にカラー砂嵐で受かったり、今回ワンセグ復調できたのは、やはり山岳回折利得によるものだ。
 函館山から津軽海峡を越え、約82km地点に当たる蟹田(外ヶ浜町)と中里(中泊町)の境にある玉清水山付近の無名の尾根で回折した微弱波が津軽平野まで飛んできているのだ。ただ、繰り返すがワンセグ止まり
 函館送信所の送信指向性と合っていないので(角度差にして70度くらい)、無名の尾根の時点で既に電波はあまり強くないようだ。

JZA
 一方でフルセグ宅内引き込みに成功している秋田送信所の方は函館より遠く、距離は120kmをゆうに超えてくる。
 秋田送信所のある大森山は函館山より200mくらい低いので、こちらの受信高10mでは見通し距離は68kmくらいしかなく、見通しの倍近い伝搬距離120km超でのフルセグ受信成功陣場岳の山岳回折利得に拠るというほかない。
 陣場岳は大森山から93kmくらいの位置にあるようだが、秋田送信所の送信指向性は能代方面に向いているらしいので角度差もあまり気にしなくて良いレベルで、陣場岳まで電波は相当良いのが飛んできていると推測できる。

 山岳回折もナイフエッジ効果とか地形の作用もあるのだが、そんな素晴らしい地形の回折点もなかなかあるものではないので、やはり山岳回折点の時点で良い電波が来ているかどうかが大きい──まあ「送信指向性」がやはり成否の鍵か。
◆ 余談 渡島福島局の受信はなぜ難しくなったのか

hrsktvh
TVh渡島福島局(49ch)
hrskuhb
UHB渡島福島局(51ch)

 これはアナログ放送時代に弘前市座頭石で受信した渡島福島局の映像だが、東京から帰ってきて大鰐弘前ICで降りて座頭石まで来る際に通過したアップルロードでは、小栗山と狼森の境目の辺りの見通しの悪い急カーブで相当きれいに受かっていて、クルマを停めるのが許される場所なら停めて記録しておきたいくらい受信状況が良い場所が弘前市内でもあった。
 しかし地デジ化した今は三厩・今別と小泊、鰺ヶ沢や岩木山北麓の一部くらいしか受信できる場所がないようだ。

 送信出力はアナログ時代の10Wからデジタルでは1Wと1/10になったが、これはエリアの目安として必要な電界強度がアナログ時代の70dBμV/mからデジタルでは60dBμV/mと1/10になったのが理由で、出力が弱くなったのは受信困難化の理由ではないだろう。
 渡島福島局はアナログ時代、出力10WにしてERP(実効輻射電力)は170Wで17倍もの値があったが、地デジでは出力1WでERP(実効輻射電力)は7.8〜10.5Wと8倍前後しかない。
 必要以上に青森県側に強い電波が飛んで行ってしまっていたので、地デジ化を機にアンテナの性能(利得値)を見直してERP(実効輻射電力)を是正したのだろう。

 渡島福島局の受信困難化の理由はERP(実効輻射電力)の減力ということだろう。
 
blog_rankingクリックでブログランキングに投票!