水田やリンゴ畑が広がる津軽平野某所の一軒家にてフジテレビ系・秋田テレビ(AKT)の受信に成功し、視聴している報告を続けているが、読者の方の興味は「他の場所でも映るのか?」だと思うので、電波伝搬シミュレーションソフト・Radio mobileを用いて陣場岳の山岳回折ルートの推定電界強度図を作成してみた。

─陣場岳を中継局に見立てた─ 

Radio mobileによる秋田テレビ親局受信電界強度MAP
 以前、Radio mobileは山岳回折によるシビアな電界強度の分析は少し苦手かもしれないと書いたことがあった通り、Radio mobileで秋田局のシミュレーションを行うと、津軽平野は一面が6〜12dBμV/mの水色に塗られてしまう。

 それでは参考にならないので、陣場岳に中継局がある設定とし、大森山からの到来角度に合わせ13.4°方向に電波を出す形でシミュレーションすることにした。
 アンテナは半値幅2°という非常に指向性がシャープなアンテナ(SANGAKU.Ant)を自作し、直線状に伸びる山岳回折の伝搬路をおおむね上手く再現することができた。
 出力とアンテナ利得の計算で決まるERP(実効輻射電力)の設定だが、過去の車載テレビでの移動受信の実績と照らし合わせると、ERP=0.3Wくらいのシミュレーション結果が良さそうだった。

 以上より、周波数521MHz(最小周波数518MHz、最大周波数524MHz)、送信高1050m、送信方向13.4°(角度1°ズレで-10dB、2°ズレで-20dB)、実効輻射電力0.3W仮想・陣場岳中継局から津軽平野にAKTの電波を出すシミュレーションを実施した。

陣場岳山岳回折推定電界強度図
【画像はクリックで拡大します】

 自画自賛してしまう出来栄え。

 陣場岳から旧金木町中心部付近までの伝搬状況を上手く表現できたような感じがする。

 ところどころ津軽平野でもフルセグ復調の可能性が高い36〜42dBμV/mの萌黄色となる場所が確認でき、移動受信でフルセグ復調がキマる強巻や野木などは萌黄色が点在する地点になっていた。

 ちなみに、AKTが受信できる我が家は1段階下の30〜36dBμV/mの黄緑色の所であった。
 
 では、もう少し拡大していきたい。
陣場岳山岳回折推定電界強度図(弘前西部)
【画像はクリックで拡大します】

 まずは弘前市西部の状況から。
 旧相馬村役場のあった地区の西側から弘前市の弥生集落の東側にかけて36〜42dBμV/mの萌黄色のラインが伸びているが、人家が多い地区の通過はあまりない。
 強いて言えば、旧岩木町の新法師の集落は36〜42dBμV/mの萌黄色が通過している。
 レクリエーションの森がある高長根山南麓はかなり伝搬状況が良さそうだが、小友や貝沢、大森は黄金山(168m)の山影となってしまい厳しい。
陣場岳山岳回折推定電界強度図(弘前北部)
【画像はクリックで拡大します】

 次は弘前市北部、とりわけ旧新和村三和周辺の状況から。
 三和まで来ると黄金山をかわすことができ、30〜36dBμV/mの黄緑色が復活してくる。
 特に三和中心部の新和郵便局の西側と南側は36〜42dBμV/mの萌黄色であり、AKT受信の可能性が高い地域として非常に興味深い。
 弘前市三和は、移動受信でフルセグ復調可能と確認している鶴田町野木に隣接する集落であり、野木の南外れのお宮と三和集落の最北部は約100mという、目と鼻の先の位置関係である。
 弘前市内でも陣場岳の山岳回折秋田テレビ受信の可能性はあるようだ。
陣場岳山岳回折推定電界強度図(鶴田)
【画像はクリックで拡大します】

 続いて、当ブログが津軽平野でAKTフルセグ復調可能地点を発見した鶴田エリアへ。
 おおむね30〜36dBμV/mの黄緑色が伸びているが、移動受信で紹介した強巻受信点は最大限に拡大して確認すると54〜60dBμV/mの薄赤色になっていて、目を疑った。青森市で函館局を受信できる場所を探すときにも共通するが、こういうホットスポットがあるのが醍醐味でもあり、また不思議な現象である。
 野木、木筒、強巻、大巻と小和巻(つがる市柏)は可能性が高そうである。
 残念なことに鶴田の町役場がある中心部や東側は陣場岳山岳回折の伝搬路外で厳しい。
陣場岳山岳回折推定電界強度図(柏・五所川原)
【画像はクリックで拡大します】

 次は五所川原・柏エリア。
 こちらも線状に30〜36dBμV/mの黄緑色が伸びているが、柏のイオン周辺の水田地帯にも36〜42dBμV/mの萌黄色が点在しており、有望な地域と言えるかもしれない。
 36〜42dBμV/mの萌黄色のラインは柏の上古川と下古川の間付近を通過している。
 岩木川を越えて五所川原市に入ってからは長橋に36〜42dBμV/mの萌黄色の一帯があるが、以前に車載テレビ(Panasonic製ストラーダ)で移動受信をした際にはレベル30に届いておらず、微妙かもしれない。
 五所川原市内で初めてAKTフルセグ復調を確認した桜田の国道339号五所川原北バイパスの受信点は、陣場岳の伝搬路のギリギリの所のようで、旧道側の桜田集落は伝搬路外で厳しい。
 可能性があるとすれば小曲、長橋などか。
陣場岳山岳回折推定電界強度図(金木・嘉瀬)
【画像はクリックで拡大します】

 最後は旧五所川原市北部から旧金木町エリア。
 金木中心部以北は津軽中山山脈の無人地帯に入ってしまうので、シミュレーションはここまで。
 以前に国道339号を龍飛方面から五所川原方面へ南下するときに、金木自動車学校の南側や嘉瀬バイパスでワンセグなら復調することは確認しているが、Panasonic製ストラーダでレベル25前後。
 周りに建物や丘などがなく見通しが良ければ可能性があるかもしれないが、集落でいけるかとなれば微妙と考えている。可能性があるとすれば金木駅の南側や嘉瀬集落などになる。
要注意!! 受信の可否を保証するものではない

 それから、重要なことなので書いておくが、Radio mobileでのシミュレーション結果と実際の伝搬状況が一致しているとは限らない。

 シミュレーション結果からは有望と考えられても、実際には空振りに終わる可能性もじゅうぶん有る。
 
 あまり期待は持たせたくないが、「絶対に無理だと絶望する地理条件でもない」という希望が津軽にもあることはお伝えしたいので、今回のような記事を書いたのである。


 こんな感じであるが、津軽平野にAKTワンセグを山岳回折で伝搬させる山は陣場岳だけではない。
 現に、今回は伝搬路外の扱いになっているが、五所川原市下岩崎と毘沙門の境界付近で尻高森の回折による復調点も見つけている。

 他の山のシミュレーションも実施していく予定だ。
 
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