青森と秋田の県境地帯の山々によって津軽にもたらされる、山岳回折による電界強度推定図シリーズの第4回(第1回は陣場岳第2回は小岳第3回は岩木山)。
 
 今回は兄弟か双子のように仲良く連なり、標高も一緒という愛らしい峰と登山愛好家から評される、陣場岳から西に約1.5kmの所にほぼ同じ標高の1049mで聳える陣岳による山岳回折を取り上げる。
 わたしは陣場岳の記事にて「鶴田の町役場がある中心部や東側は陣場岳山岳回折の伝搬路外で厳しい」と評したが、逆に西側は陣岳の山岳回折の恩恵を受けられる可能性があると考えている。
 
 陣岳は、秋田市の大森山にある秋田テレビ(AKT)の秋田局(親局)からの方向は約12.5°方向。13.4°方向にある陣馬岳とは0.9度の角度差がある。

 陣岳を仮想・陣岳中継局と見立て、周波数521MHz(最小周波数518MHz、最大周波数524MHz)、送信高1049m、送信方向12.5°(角度1°ズレで-10dB、2°ズレで-20dB)、実効輻射電力0.3Wにて津軽方面へAKTの電波を出すシミュレーションを実施した。

陣岳山岳回折推定電界強度
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 これを上手く陣場岳の図と合成させたいのだが。

 とりあえず陣岳から12.5°方向に半値幅2°で発射してみると、陣場岳の伝搬路の西側に並行するように相馬から岩木山東麓を北上し、金木方面へ抜けて行く。

 ところどころ人家が建ち並ぶ集落地帯を貫きそうな場所もあり、拡大してみていこう。
陣岳電界強度推定図(弘前西部)
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 まずは弘前市西部の状況から。
 かつての弘前市飛地・東目屋の国吉郵便局周辺、それから百沢の百沢郵便局周辺36〜42dBμV/mの萌黄色のラインが伸びていて有望かもしれない。国吉は岩木川の南側だと山の陰になって厳しそうだが、岩木川の北側で陣岳の見通しが良ければ可能性はある。
 一方で、弥生集落はというと伝搬路は集落の西を抜けて行く。弥生は陣場岳伝搬路は東側を抜けてしまっており、陣場岳と陣岳の伝搬路の間になってしまうようだ。
 追の沢マス釣場の周辺は42〜48dBμV/mの黄色となっておりシミュレーション上は相当に良い。一度、移動受信で確かめに行かなければ……
陣岳電界強度推定図(弘前北・鶴田西)
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 続いては弘前北部・鶴田西部方面。
 裾野の大森を伝搬路が通過するが、良いところでも30〜36dBμV/mの黄緑色くらいでちょっと足りない感じ。岩木山の東側斜面があまりにも近くて見通しが良くないのだろう。
 それでも笹館まで北上すると30〜36dBμV/mの黄緑色の所が広がり、実は一度、笹館ではPanasonicストラーダでの移動受信でレベル32のワンセグ受信を確認している。場所と条件次第だが、笹館は可能性があるかもしれない。
 鶴田の廻堰も伝搬路が通過しているが、私が軽く走り回ってみた結果ではあまり芳しくない。廻堰大溜池(津軽富士見湖)の土手が高くそびえ、陣岳からの伝搬を阻害しているようだ。
陣岳電界強度推定図(柏・木造)
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 次は柏と木造周辺を。
 わたしは広須とか桑野木田とかは有望とみている。木造方向から弘前方向へと県道37号弘前柏線を南下すると、かなり安定してAKTワンセグ受信が可能で、広須から野木(陣場岳伝搬路)の辺りまで、途中で途切れる所もあるが、ほぼ復調し続ける。
 それから、人は住んでいない場所になるが、柏の稲盛(イセ)から稲垣に北上する農道と新津軽大橋の農道が交差する十文字は移動受信でレベル40超えを確認した場所である。住所的には川除と玉水の境目のような所なのだが、道路の隣を流れる川にちなんで出精川受信点と名付けている。
 出精川受信点(木造川除)は交通量の多い信号交差点のど真ん中のため移動受信実験が出来ていないが、鶴田野木鶴田強巻五所川原桜田に次ぐ第四の移動受信AKTフルセグ受信確認地点になるとみている。
 出精側受信点のみならず川除の集落も有望で、岩木川対岸の三好とともに、可能性のある地域とみている。
陣岳電界強度推定図(稲垣・金木)
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 最後は金木方面。
 蒔田は伝搬路の中心線が貫いており、金毘羅宮南側は30〜36dBμV/mの黄緑色になっている。ただ、移動受信ではレベル20台のワンセグとかなので、実際にいけるかは微妙。
 金木の北、国道339号沿いの川倉にも30〜36dBμV/mの黄緑色があるが、こちらはワンセグ含め受信経験なし。
 陣場岳も陣岳も、移動受信でフルセグ相当のレベルを確認している北限は旧五所川原市北部や木造東部までとなっており、蒔田や嘉瀬、金木駅周辺で受信出来れば北限更新になるか。
要注意!! 受信の可否を保証するものではない

 今回も重要なことなので書いておくが、Radio mobileでのシミュレーション結果と実際の伝搬状況が一致しているとは限らない。

 シミュレーション結果からは有望と考えられても、実際には空振りに終わる可能性もじゅうぶん有る。
 
 今回はいかにもイケそうなノリで書いてしまったので、過剰に期待を持たせてしまってはいけないと思うのだが、それでも陣岳も山岳回折をもたらす有力な山ではあるのだ。
 保証は全くできないが、「絶対に無理だと絶望する地理条件でもない」ことはお伝えできれば幸いだ。 
 
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