青森県道259号久栗坂造道線は読んで字のごとく、青森市久栗坂と青森市造道を結ぶ一般県道である。
 1978(昭和53)年に青森東バイパスが開通したことで国道4号から一般県道に移管された道路であり、旧国道4号である。


【青森市久栗坂の県道259号起点。左が青森東バイパス、右が旧道

 東京日本橋を起点とする国道4号に倣うように、青森県道259号の起点は東京側の久栗坂にあり、起点は明確で疑いようがない。

 問題は東京とは反対の青森側、造道の終点はどこなのかと。

 普通に考えれば、終点は青森東バイパスの終点と同じく合浦公園にほど近いローソンや青森トヨタの本社がある交差点だと思うのだが、地図によって表記が違うのである。

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【MapFanによる県道259号終点付近のルートは県病前経由で青森東バイパスへ】

 例えば上の地図はMapFanのものだが、八重田で南に折れて県立中央病院の前を経由して、造道交差点で国道4号青森東バイパスに接続するのが終点となっている。
 八重田から海沿いに、合浦公園前のローソンや青森トヨタがある方への路線は、青森市道と同じ色の路線という表示になっている。
 カーナビにもMapFanと同じく造道交差点を終点とするものがあり、これが謎だった。


【地理院地図では県道259号終点付近のルートは旧4号ルートと同じく合浦公園付近まで】

 一方で、国土地理院の地理院地図では八重田で南に折れず、海沿いに旧国道4号と同じルートを辿って合浦公園前のローソンや青森トヨタがある方で国道4号青森東バイパスに接続するのが終点という表記になっている。

 2000(ゼロゼロ)年代のhtmlテキストサイトの時代からMapFanの地図に世話になったものだが(最近はすっかりGoogleMapユーザーになっている)、地理院地図が正しいのだろうと思っていた。


【青森市合浦の国道4号の案内標識。直進(右)が青森東バイパス、左が259号

 青森市合浦の国道4号(上り線)には、旧道との分岐に〔259〕表記の青看もあるので、国土交通省もお墨付きを与えているのだから地理院地図で間違いないのだろうという補強材料になっていた。
 そんなわけで、何か引っかかった感じはあったのだけれど、終点は青森東バイパスの終点と同じく合浦公園にほど近いローソンや青森トヨタの本社がある交差点であろうと思っていたのである。

 ところが。
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【八重田から造道交差点に向かう通り 県病付近】

 この写真でお分かりいただけただろうか?
 平日朝に発生している県病(青森県立中央病院)の駐車場順番待ち渋滞緩和のため、拡幅・車線増が終わって舗装も白線も新しくなった県病通りを久々に通行してみて自分の認識の甘さに気が付く。

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【「青森県」表記のデリニエータ―】

 青森県管理の証がありおりはべりいまそかり。
 ありゃりゃりゃりゃ。ここは青森市道だと思っていた俺の心得違いだ。
 青森県とクレジットされた真新しいデリニエーター(視線誘導標)が設置されているのだから、ここは青森県管理の道。県管理の道路なら国道とか主要地方道にも存在するものだが、周辺の路線網の状況を鑑みれば一般県道で間違いないだろう。
 
 てことはMapFanが正しくて、終点は県病の前を通って造道交差点なのか?
 合浦公園の方に繋がる旧4号ルートは県道ではないのか?


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【昭文社 ツーリングマップル2021東北 94ページ】

 ということで、青森県庁の県土整備部道路課に問い合わせをしてみたので、正解を(ご担当者様ありがとうございました)。

 旧4号ルートが県道259号のルートで、合浦のローソンや青森トヨタなどがある国道4号との接続部が県道259号の終点で間違いない。
 県病の前を通るルートは「枝線」。


 県病通りは県道259号枝線だったのかあ。
 枝線は青森市内で普通の道路地図にも派手に載っているものだと(主要地方道)青森県道40号青森田代十和田線にもあって、銅像茶屋と萱野高原方面を結ぶ旧火箱沢林道にあたる区間が県道40号の枝線である。
 もう一つ思い浮かぶのは、(主要地方道)青森県道27号青森浪岡線で、青森空港有料道路から分岐して青森空港の駐車場やターミナルビルを通過する循環道路

 枝線のうんちくは置いといて、県道のルートとして本線と枝線の両方をきちんと記載していた昭文社は素晴らしい

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【昭文社 ツーリングマップルR 2007東北 94ページ】

 蛇足ではあるが、過去のツーリングマップルを遡ってみると、枝線県道の黄号が着色されるのは2008年からであり、ツーリングマップルR 2007では青森市道などとおなじ白色の線である。

 県議会の過去の議事録を読むと、県病の駐車場渋滞が問題として議論されてきた歴史があって、平成21年環境厚生委員会(2009年1月21日)においての三橋一三県議(自民)の発言によれば「タクシーの中で渋滞に巻き込まれてそのまま息を引き取った方がいるというような悲しい事例もあった」という。
 そうした背景から道路事業として、立体駐車場の整備やアクセス道路(すなわち枝線)の右折車線付加などを行うこととなり、「久栗坂造道線交通安全施設整備工事」として事業推進することになったらしい。
 つまり、道路事業として県病の渋滞対策を実施するため(おそらく以前は青森市道を)、2007年度に県道259号の枝線に編入したのだろう。
 先ほど話が脱線した県道27号の青森空港の枝線も「道路事業」として立体駐車場整備を実施した際におそらく県道27号の枝線に編入となったのだろう。

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【直進が合浦方面の県道259号本線で、左折が県病を経由する県道259号枝線

 県議会の平成19年第251回定例会(2007年9月26日)において、伊吹信一県議(公明・健政会)から「久栗坂造道線交通安全施設整備工事」についての質疑があり、塩路勝久県土整備部長が「県立中央病院周辺道路の慢性的な交通渋滞を解消するため、今年度から国の補助を受け、立体駐車場の整備を行うものでございます。」と答弁しており、事業自体は2007(平成19)年度からスタートしたとすると、ツーリングマップル2008以降で枝線県道の色に塗られたというのは理に適っている。

 謎は解けた。昭文社が地理院地図に勝ってしまった。もう移転した青森商業高校を未だに「商高」と掲載してしまっているお茶目なところはあるが。
 餅は餅屋と言うべきか、道路地図出版社としての昭文社の信頼度は自分の中でまた一つ高くなった気がする。


【主要地方道も一般県道も市道その他も白色で一緒くたのGoogleMap】

 デジタル分野への進出が遅れてカーナビとか地図アプリの世界では昭文社は今一つなのは否めないが、国道を赤主要地方道を緑一般都道府県道を黄有料道を青(または紫)、とズバリ塗り分ける昭文社の地図が、道路地図として一番見やすいと思うのである。

 これからも昭文社の紙の地図を買い続けるという思いを強くした、青森県道259号久栗坂造道線終点の謎を調べる作業、おしまい。
●余談
 地理院地図を管理する国土地理院を所管する国土交通省が発表している道路交通センサスでは、久栗坂造道線の最後の行が「市道(旧久栗坂造道線)」から「一般国道4号」になっていて、県病通りが県道で本線は青森市道だという誤った情報を掲載する"ねじれ"を起こしている。

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