
2020年7月18日に「尻高森の山岳回折でAKTワンセグ受信@五所川原市」という記事を紹介した際、私は多重回折だと書いた。
確かに、AKT秋田親局を尻高森の山頂を介して受信する場合は多重回折になる。
【Googleストリートビューでみるとだいたいこの位置】
2020年11月7日の記事「尻高森山岳回折で津軽で秋田テレビが映るかもしれない地域」ではシミュレーションも実施したが、多重回折ゆえにあまり芳しくない結果が出た。
でも、ここって本当に多重回折なんだべか?と。
多重回折にしてはAKTのアンテナレベルがずいぶん高いのである。
ワンセグ止まりだが、フロントガラスのフィルムアンテナでストラーダでレベル30を超えていれば、経験的に、LS TMH206などの超高性能アンテナにブースターを咬ませればフルセグ復調に至るレベルである。
それどころか、陣場岳回折ルートの当地ではあまり芳しくないABSやNHK総合秋田、Eテレ秋田もまずますの値が出ていて、多重回折にしては各局良すぎると思うのである。
てなわけで、精度を上げてシミュレーション。
まずは地理院地図の断面図描画機能で、回折点を精密に割り出す作業から。

これやっぱり精密にみると多重回折じゃないね。
尻高森から100mくらいずれるが、最も標高が高い965m地点を回折点として、シミュレーションをしてみよう!
角度的には、大森山のAKTの親局から14.63°方向。
尻高森は14.59°方向だったので、わずか0.04°の方角差になる。

決まった!!
ゆずの「栄光の架橋」が脳内再生待ったなしの断面図だ。
当地の陣場岳の伝搬路断面図にも負けず劣らず芸術的な回折が五所川原・下岩崎にも届いているのだ。

というわけでさっそくGoogle earthに落とし込んでみる。
市街地なのでノイズなどネガティブ要素も多いが20dBμV/m以上、ところによって30dBμV/mを上回る電界強度のラインが貫いている。
しっかりと、下岩崎の実測ポイントもエリアになるであろうことが読み取れた。
この線で黄緑色のエリアなら、試してみる価値はあるだろう。
AKTが映るという保証はできないが、アンテナの方向を変えてみて反応があれば次に進んでも良いだろう。
▲ 尻高森との断面図比較をしてみる
尻高森も尻高森南東高地も回折点が100mくらいしかずれていないため、大森山から回折点までの断面図は両者とも酷似している。

こちらは大森山からAKTの親局から尻高森のもの。
Clearance、つまり見通し有りの判定。

そして大森山からAKTの親局から尻高森南東高地のもの。
尻高森南東高地もClearance、つまり見通し有りの判定。
秋田県側はどちらも問題なしである。

ところが尻高森からそのまま14.59°方向、だいたい五所川原市のつがる克雪ドーム付近のものをみてみると、見るからに引っかかっている。
尻高森から約2km先でObstruction、つまり地面に接触の判定。
やはり尻高森は青森側で多重回折になるのだ。

一方で尻高森南東高地からそのまま14.63°方向ならClearance、つまり見通し有りの判定。
尻高森ならは青森側も問題なく、回折1回のみで山岳回折が成立するという。
ほんの僅かな方角差であるのだが、奇跡的に通る場所は通るのであろう。
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