DSC_4155
【旧西津軽郡稲垣村】

 旧稲垣村を東西に貫く県道161号は沿線に稲垣温泉や稲垣郵便局、JAなどの村内主要施設が建ち並び、車力方面へ向かう県道184号と木造方面へ向かう広域農道と交差する十字路は、コメリとファミリーマート、みちのくクボタ、薬王堂が集結する、村内でも賑わいのあるエリアである。

 ここ稲垣もまた元は古十三湖の範囲であって、標高は非常に低く約2m
 ということは例によってアンテナマストで2m稼いでも受信高は約4mにしかならない


 北緯40度52分31.82秒付近ということで、陸奥湾側のほぼ同緯度の地点は青森市飛鳥になる。
 青森市飛鳥は標高1m程度しかなく、函館山からの距離は約98kmとなり、一般家庭で屋根の上やコンクリート柱を用いて受信高10mを稼いでも、見通し外になってしまう。

 漠然としたイメージでは、函館山までの間に海しかない青森市飛鳥と、途中に海も山もある稲垣では前者の方が受信しやすそうなものだが、結論を先に言うと山岳回折がズバッと決まる稲垣の勝ちである。

DSC_4150
【コメリハード&グリーン稲垣店を背景に】

 ファミリーマートで買い物をして駐車場の端っこをお借りして(ありがとうございます)、LS56とラインブースター・AMP-UKの組み合わせで勝負。
 地形データから適地と踏んでRadio mobileでシミュレーションもしているので、理論上は受かるという思いで始めるが、実際に受けてみるまで非常に緊張する。
 なにせ、クルマのテレビではTVhワンセグの反応も無いのだ。本当にうかるんだべか……
 高まる不安感。

函館7波受信データ@稲垣(2021/3/26)
FEM表示画面表示値
HBC稲垣北海道放送(HBC)
AntLV=49
POWER=-60dBm
C/N=18dB
BER 1.40E-3
STV稲垣札幌テレビ放送(STV)
AntLV=32
POWER=-64dBm
C/N=12dB
BER 2.20E-2
HTB稲垣北海道テレビ放送(HTB)
AntLV=13
POWER=-67dBm
C/N=5dB
BER 2.20E-2
UHB稲垣北海道文化放送(UHB)
AntLV=47
POWER=-61dBm
C/N=18dB
BER 5.45E-3
TVh稲垣テレビ北海道(TVh)
AntLV=53
POWER=-61dBm
C/N=20dB
BER 2.34E-4
NHK函館稲垣NHK総合・函館(JOVK)
AntLV=25
POWER=-53dBm
C/N=11dB
BER 2.20E-2
Eテレ函館稲垣NHK Eテレ函館(JOVB)
AntLV=48
POWER=-58dBm
C/N=18dB
BER 4.52E-3

 HBCUHBTVhEテレ函館フルセグ復調し、STVNHK函館ワンセグ復調だった。

 UHBTVhキタ────(゚∀゚)──── !!

 今回はTVhUHBを絶対に2局確保することを命題に調整したため、STVHTBが奮わなかったが、場所を少し変えて方向調整をしたら民放5局とも問題なかった。

 津軽平野の旧稲垣村(現つがる市)でもフジテレビ系テレビ東京系の地上波の受信は可能なのである。
 一般家庭の屋根の上やコンクリート柱で、上位モデルのアンテナとブースターを用いれば、さらに安定して受信することも可能だろう。

DSC_4148
【車力方面へ向かう県道184号LS56

 ちなみに稲垣に山岳回折の恵みをもたらしたのは、東津軽郡今別町にある名前の無い標高447mの無名峰である。
 函館山から津軽海峡を越えて悠々と無名峰にたどり着いた函館局の電波は、回折して、他の嶺に触れることなく津軽平野まで降りてくるのである。

品岳・447
無名峰周辺の函館局推定受信電界強度】

 この無名峰、先日受信実験を行った中里ピュアにBERエラーフリーという高品質のUHB受信成功をもたらした品岳に近接する山であり、受信電界強度60dBμV/m以上のエリアが稜線に沿って分布している。
 この受信電界強度60dBμV/m以上の赤い稜線、おおむね良好に津軽平野に向けて山岳回折をもたらすとみている。

品岳連峰
【中里ピュア付近で撮影した品岳と無名峰

 幅としては当地にAKTをもたらす陣場岳のものより広いと考えている。
 というのはご覧の通り、品岳は山頂から東西方向に同じくらいの標高の稜線を持っており、隣接する無名峰と一体的に、函館局の電波を回折可能と考えているからである。

稲垣周辺推定電界強度
品岳周辺稜線と無名峰の山岳回折による稲垣の函館局推定受信電界強度】

 県道161号沿線はじめ稲垣中心部で、このライン内にある家屋なら函館局の受信可能性がある(保証はできないが)。
 この図で一番東側(右側)を走るラインは、中里ピュアのすぐそばのこめ米ロードでUHBの受信に成功したラインの延長になる。

 稲垣でテレビ東京系地上波受信が可能という事実を山岳回折の面白さと言わずして何と言おうか。
 北海道という、全国で6地区しかないテレビ東京系列局を有するエリアに隣接している以上、TVhの受信ができれば遠距離受信愛好家としては理想形でないだろうか。

 異常伝搬の際に2県隣の山形の地デジが受かってフジ系2局受信が叶う当地も面白いとは思うが、やはりテレ東が有るか無いかで、全然違う。
 
 いいなあ、稲垣。西津軽郡最高級の電波銀座である。
 念のため、異常伝搬ではないことを示すため例の図も貼っておこう。

duct3
William R. Hepburn氏のラジオダクト予報のページの予報図】


blog_rankingクリックでブログランキングに投票!