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 青森市内各地の函館局の受信C/Nをみていく(1)青森市内各地の函館局の受信C/Nをみていく(2)の記事で、青森市内13地点における函館局7波の受信実験結果を公表した。

 13地点とは、幸畑、田茂木野、雲谷(モヤヒルズ)、合子沢(八甲田憩いの牧場)、入内北、青森空港、新城平岡、後潟、飛鳥、青森港(堤埠頭)、八重田(オカムラ食品裏)、戸山(桜並木)、月見野(霊園)である。

 函館局7波ごとの傾向を掴むため、13地点平均受信データを下図にまとめた。

函館7波13地点平均相関図
【函館局7波の青森市内13地点平均受信データ】

●電波の強さは、VK(NHK総合)VB(Eテレ)STVの順と推定される。
UHBHTBについては、それぞれATV上北局NHK青森の上北局との混信があるため、実際より強めの受信電力値になっていると思われる。
●函館山で局舎と鉄塔が共通となっているTVhHBCは共に近似した値を示し、電波は弱い。

●電波の品質の高さも、VK(NHK総合)VB(Eテレ)STVの順。
●電波の品質(C/N)の高さはおおむね電波の強さ(受信電力)に相関する傾向があったが、ATV上北局NHK青森の上北局との混信があるUHBHTBは電波の強さの割に品質が不安定な傾向がみられた。
UHBHTBは、C/N値の高さの割にBER値が低い傾向があった。

全7波フルセグ受信可能地点は、函館局の電波の見通し距離に余裕がある田茂木野、雲谷、合子沢、入内、新城平岡の5地点と、脇野沢111m高地の山岳回折が成立する戸山の計6地点。
●受信実験地の近隣の住宅地でも全7波フルセグ受信の可能性があるのは、田茂木野、雲谷、新城平岡、戸山の4地区。

●受信難易度が低いのはVK(NHK総合)VB(Eテレ)STVの順で、この3局なら青森平野でも受信可能性がある。
●青森県の欠落系列を補完するUHBの受信難易度は7波中2番目か3番目に高く、TVhは7波中で最も受信難易度が高い。
●青森市内で函館局遠距離受信に挑戦するならUHBTVhのいずれかを最優先に調整すべきであり、他の波は諦めることも肝要となる。

 7波の13地点平均の傾向をまとめるとこんなところだろうか。
 UHBTVhを見たいなら基本的には青森ケーブルテレビに加入することをお勧めするが、「1×8いこうよ!」などSTVの番組が見たいならケーブルテレビに加入しながら遠距離受信というのも手法としては良いだろう。ただ「水曜どうでしょう」HTBは難易度がUHB並に高め。

 続いて各局ごとの13地点の傾向を見ていく。
◆UHB(北海道文化放送、フジテレビジョン系列)
UHB相関図
UHBの青森市内13地点平均受信データ】

 7波毎に同じ相関図を作成したので、まずはUHBの点の散布された状況を目に焼き付けておいてほしい。
 相関図の右上にあるほど電波状況が良いことになるわけだが、UHBの受信データは低調である。
 フルセグ受信できたのは13地点中、田茂木野、雲谷、合子沢、入内、青森空港、新城平岡、戸山の7地点。
 飛鳥も判定は「OK」だったが、BERがE-2でブロックノイズだらけで視聴不適であった。

 南北方向に発達した谷間に位置し、東側から到来する重複波・ATV上北局を地形的に遮断できる入内北受信点のC/N値が最高であったので、やはり指向性の鋭さに優れるマスプロ電工・LS306TMHなどの超高性能アンテナを投入して函館局の25chのみを上手く捉えるのが鍵になるだろう。
◆TVh(テレビ北海道、テレビ東京系列)
TVh相関図
TVhの青森市内13地点平均受信データ】

 低調だと表現したUHBの点の散布された状況より、さらに左寄りの相関図となった。
 フルセグ受信できたのは13地点中、幸畑、田茂木野、雲谷、合子沢、入内、青森空港、新城平岡、戸山の8地点で、UHBより1か所多い結果であるが、受信データ自体は良くない。
 まあ地デジの場合「受かれば良い」なので、自宅で安定受信に成功してしまえばデータは気にしなくても良いのだが、データを見ると全体的にUHBより電波状況は良くない─つまりTVhの受信難易度は最高なのだろうと考えている。

 それでも、市内にテレ東系の受信可能地点があるだけ青森市は恵まれているとも思うのである。
 秋田や盛岡、仙台、山形あたりの市民だとTVhテレ東が受信できる青森県か福島県まで数時間かけて遠征する必要があるわけで大変である。
◆HBC(北海道放送、TBSテレビ系列)
HBC相関図
HBCの青森市内13地点平均受信データ】

 HBCの点の散布傾向はTVhに似ているが、田茂木野や入内など受信状況が良い場所は良いというのが特徴で、UHBよりも上に点が伸びた。
 フルセグ受信できたのは13地点中、田茂木野、雲谷、合子沢、入内、新城平岡、戸山の6地点だった。
 UHBより2か所、TVhより1か所少ない結果であるが、全体的な受信データ自体は両社と大差ないか少し良い。
 HBCの電波が青森市内で弱いのは間違いないが、17chには混信が無いのである。これが、受信状況が良い場所は良い、という結果に繋がっただろうか。

 いずれにせよHBCも受信難易度は高めの局だと言えるだろう。
 ATVがあるからあまり必要ないが、北海道日本ハムファイターズや北海道コンサドーレ札幌など北海道のプロスポーツチームを応援する人は欲しい局だろう。
◆STV(札幌テレビ放送、日本テレビ放送網系列)
STV相関図
STVの青森市内13地点平均受信データ】

 STVの点の散布傾向は右上にいっぱいという感じで好成績を収めた。
 フルセグ受信できたのは13地点中、田茂木野、雲谷、合子沢、入内、青森空港、新城平岡、後潟、飛鳥、八重田、戸山と10地点にも上った。
 C/Nが30台をたたき出す地点もあるというのは、さすが見通し内受信という印象だ。
 山岳回折も飛び道具的で面白いが、山で回折する際に減衰するので、津軽平野でAKTを2年近く観察し続けていても30台というC/Nはみたことがない。

 北海道の民放5局の中では青森市で受信難易度が最も低く、お手頃でお求めやすい遠距離受信ターゲットといえよう。
 RABと同じ日テレ系だが、割とローカル番組も面白いので、あれば嬉しいSTVである。
◆HTB(北海道テレビ放送、テレビ朝日系列)
HTB相関図
HTBの青森市内13地点平均受信データ】

 HTBの点の散布状況はUHBより少しだけ右上という感じだが、傾向としては似ていると思っている。
 フルセグ受信できたのは13地点中、幸畑、田茂木野、雲谷、合子沢、入内、青森空港、新城平岡、飛鳥、戸山の9地点で、民放ではSTVに次ぐ成績。
 しかしHTBUHBと同じく重複波の混信(NHK総合青森の上北局)を受けており、受信電力の割にC/Nが伸びないし、C/Nの割にBERが悪かったりと、品質的にはイマイチ。

 「水曜どうでしょう」「ハナタレナックス」などTEAM NACSのキラーコンテンツを持っているのでEPGにHTBがあれば非常に嬉しいが、STVに比べると受信難易度は一段高い。
◆VK(JOVK-DTV 日本放送協会函館放送局、NHK総合テレビ)
VK相関図
NHK総合函館の青森市内13地点平均受信データ】

 青森市内で最も容易に遠距離受信が可能な函館局はNHK総合函館である。分布図の傾向はまさに右上そのもの
 フルセグ受信できたのは13地点中、青森港堤埠頭と月見野霊園を除く11地点で7波中最多を記録した。
 電波の強さも品質も申し分なく、これがUHBTVhだったらと思うが、おそらくNHKならではの事情もあるのだろう。

 NHKは放送法第3章第15条において「あまねく日本全国において受信できるように」と定められているので、民放より青森県側に電波が飛びやすく設定しているのではないかと推測している(あくまで私の憶測に過ぎないが)。
 というのは、2021年8月の風間浦の土砂災害ではNHK函館が風間浦村民向けにデータ放送を実施したとも聞いており、万が一の災害時に青森側でも受信しやすい措置を執っているのではと思うからである。
◆VB(JOVB-DTV 日本放送協会函館放送局、Eテレ)
VB相関図
Eテレ函館の青森市内13地点平均受信データ】

 Eテレ函館の相関図の分布傾向も右上そのもの
 フルセグ受信できたのは13地点中、田茂木野、雲谷、合子沢、入内、青森空港、新城平岡、後潟、飛鳥、八重田、戸山と10地点でSTVと同じ。
 クルマで移動受信している感覚では、チャンネルが一番若いのでEテレ函館が一番受かりやすい気もするのだが、実際のデータでみると総合函館の方が若干だけ良いようで。
◆各局の相関図をGIFアニメにしてみた
相関図GIFアニメ
【函館局7波の青森市内13地点平均受信データGIFアニメ】

 アニメにすると局ごとの傾向が少し見やすくなったような気がする。

 最後に受信データを記録した日時と機材を記載しておく。

 幸畑、田茂木野、雲谷(モヤヒルズ)、合子沢(八甲田憩いの牧場)、入内北、青森空港、新城平岡の7地点は2022年4月16日。
 後潟、飛鳥、青森港(堤埠頭)、八重田(オカムラ食品裏)、戸山(桜並木)、月見野(霊園)は2022年5月6日。
 両日とも、大規模な異常伝搬など函館局が青森市まで飛びやすい状況の日ではなかった。

 受信機材はアンテナがマスプロ電工・LS56でブースターはサイトウコムウェア・AMP-UK、ケーブルはマスプロ電工・S5CFB20Mを3m。
 UHB函館局の25chならアンテナで8dB、ブースターで20dBほど利得を稼げる見込みである(AMP-UKは最大利得23dBのようだが、ケーブル他の損失もあるので20dBとする)。

 青森市の住宅地で函館局の遠距離受信を目指す場合、田茂木野雲谷新城平岡(緑ヶ丘団地)戸山団地のそれぞれ一部地域なら可能性があるというのが結論。

 当ブログに以前コメントを寄せていただいた幸畑住民さんのように幸畑での成功事例もあるので、それ以外の地域でも完全に不可能とは言い切れないが、全7波フルセグ受信かなり困難だろう。
 市街地のマンションなどなら可能性はあるのだろうが、市街地は素直に青森ケーブルテレビに加入すべきである。

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