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 (2)での福舘の結果をみてどうしても確認したくなり、後日改めて実験した模様を。

 青森市内(といっても旧浪岡町)でAKTが受信可能な集落はあるのか?

akt@nishigunbousho0524
【同日の当地(旧西津軽郡某所)のAKT受信データ】

 実験日は2022年5月24日。まずは当地(旧西津軽郡地域某所)のFEM画面を掲載しておくが、C/N=20dBでBERは4.10E-5だから平均的な感じである。異常伝搬日ではないとは言えよう。
 当地のAQUOSで受信電力が-49dBmだから、電界強度を計算するときは5デシ下げて-54dBmで算出しておこう。

DSC_4962
【青森市浪岡吉野田 コスモ石油吉野田SS付近】

 当地から岩木川と十川を渡って津軽平野を横断して到着したのが青森市浪岡吉野田地区──旧浪岡町の吉野田である。
 田代岳の山岳回折伝搬路が福舘を通過した後、水田地帯の先に広がるのがここ浪岡吉野田である。
 こちらは県道34号沿いのコスモ石油吉野田SSから脇道に少々それた、吉野田の中でも下村と呼ばれる集落地。
 福舘での受信実験からは4日後だが、当地での数値を見てくるとラジオダクトの発生はなさそうだし伝搬状況には大きな違いは無いだろう。

akt@yoshinoda
【青森市浪岡吉野田のAKT受信データ】

 AKTがC/N=22dBでBERは1.20E-5となかなか悪くない数値でフルセグ達成!
 とうとう旧浪岡町内でもAKT受信可能集落発見だ!!


DSC_4967
【この日はガスっていて田代岳は見えず】

 路肩でAKTを見ていると、隣接する農地の女性から「何やってらの?鳥(見でらの)が?」と声掛けがあったので、「青森で映らない秋田のフジテレビの電波を調べています」と回答したが、いまいちピンときていない感じであった。
 ちょうど夕飯前の時間帯だったので犬の散歩をする女性や、帰宅する途中の男性ものぞき込んできたが、「??」という反応だった。


 今別や大間、八戸や十和田など、海峡側や南部の人は当たり前のように行う「県外のフジ系を受信する」という行為だが、ここは浪岡。意味不明なのだろう。
 津軽平野は遠距離受信不毛の地・津軽はフジテレビが見れないという意識からはまだ脱することが出来ないのか。
 いくらテレビ離れが進んでいるとはいえ、今40歳くらいから上の世代の津軽地方民は1991(平成3)年にABAが開局して民放が3局に増えた画期的な出来事を鮮明に覚えているはずである。
 今日もTVerでフジテレビのゴールデンタイムが見られることを喜ぶ弘前市民の声は聞く。
 AKTを受信すれば、また民放が1つ増えたときのような感動が得ることが出来、TVerで見られない番組もその多くは解消されることになる。

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【青森市浪岡吉野田の受信実験地詳細】

 実験を実施した位置は上記の位置で、県道34号のコスモ石油吉野田SSから下村の集落に折れてすぐである。
 吉野田の集落も、多くの家でAKTの受信可能性が高いとみている。
 興奮冷めやらぬまま、原田種苗の本店がある郷山前にも移動。
 郷山前は吉野田の南東に隣接する集落になる。
 山岳回折をもたらす田代岳連峰(烏帽子岳、茶臼岳、雷岳など)の中で田代岳が最も東に山頂を持つ山であり、これより東で回折すると三ツ森や西股山、尾開山など大鰐の山にひっかかり多重回折となるため、田代岳の伝搬路がAKT受信可能地域の最東線になるとみている。

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【青森市浪岡郷山前、原田種苗本店南側で実施】

 どの辺り東方まで田代岳AKTを回折させてくれるのか。
 吉野田から郷山前までの移動の間、途中途切れることは有ったが集落内でもAKTワンセグは映っていたがいかに。

akt@gosanmae
【青森市浪岡郷山前のAKT受信データ】

 AKTがC/N=21dBでBERは7.50E-5と、吉野田より僅かに下がるが郷山前でもフルセグ達成!
 旧西津軽郡地域の当地に恵みをもたらす陣場岳と同じように田代岳も山頂とその周辺の尾根によって、ある程度の幅をもって山岳回折をしてくれるのだ。
 吉野田、郷山前ともにABSAABNHK総合秋田Eテレ秋田も揃ってフルセグを達成した。


 これほど好条件ならAKTの遠距離受信を実施する家が何軒もあってもおかしくないが、吉野田も郷山前もアンテナを秋田方面へ向ける家は発見できなかった。
 やはりアナログ放送時代、37chと38chで隣接していたAKTATVの関係があるのだろう。
 もう少しアナログ時代のchが離れていたら、UHFのダイヤルを回したり、チャンネル設定の際にビリビリの絵でもボンヤリとAKTの映像と音声が浮かび上がって「何だこれは?」とAKTの存在に気が付いて遠距離受信に移行する人もいたのだろうと思うが、アナログで出来なかった遠距離受信を地デジで行動に移す人は少ないのだろう。

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【青森市浪岡郷山前の受信実験地詳細】

 実験を実施した位置は上記の位置で、原田種苗の本店とは目と鼻の先になる。
 この道路をこのまま南下し始めた際はまだAKTワンセグで映っていたが、ほどなく受信不能となってしまい、郷山前の隣の樽沢は受信不能地帯になることが判明した。
 樽沢の五差路から大森山まで地形断面図を取ると、田代岳東方尾根の他に、大鰐の三ツ森と西股山の間の尾根に思いっきり阻まれており、樽沢以東はどうあがいても希望が無い感じであった。

 最後に調査実施日(5月24日)のデータをまとめると下表のようになる。

AKT秋田局受信データ(2022/5/24)
受信地点山岳回折点受信電力
(dBm)
C/N比
(dB)
BER電界強度
(dBμV/m)
当地
(西津軽)
陣場岳-54204.10E-529.4
吉野田
(浪岡)
田代岳-55221.20E-546.0
郷山前
(浪岡)
田代岳-54217.50E-547.0

 電界強度の計算は、当地は利得合計63dBに損失12dB、その他は利得合計29dBに損失0.6dBで算出した(当地の本来の利得は58dBだが、固定受信のAQUOSと移動受信実験のAQUOSで5dBの差があるため)。

 受信電界強度を計算すると吉野田が46.0dBμV/m、郷山前が47.0dBμV/mで電波は相当強い。
 広大な水田地帯を経て南に位置する福舘(旧常盤村)で45dBμV/mなので、田代岳や田代岳東方尾根による山岳回折波は常盤から浪岡西部にかけてかなり良いのだろう。

 浪岡吉野田と浪岡郷山前はAKT受信可能性がある地域である。
 旧浪岡町ではあるが、青森市内でもAKT受信可能なのであった。

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