異常伝搬気味の日は続いているが、陣場岳と陣岳の山岳回折によるAKTの受信実験を実施することにした。
 陣場岳ならある程度、傾向はつかめているので異常伝搬だからと言って突飛な結論にたどり着くことも無かろう。

20220729
William R. Hepburn氏の予報サイトから引用】

 ちなみにラジオダクト予報ではこんな感じ。当地での実測では、異常伝搬時の方がAKTの受信は不利に働く。
 きわめて遠方の、普段は絶対に到達しない波を受けるには異常伝搬の方が良いのだろうけれど、普段から到達している微弱波の場合は遠方の未知の到来波の影響を受けるのだと思っている。

 とりあえず、岩木の新法師から順に北上してみる。
DSC_5497
旧岩木町新法師の集落隣接の水田地帯で実測】

 以前にカーナビでは電波到来方向に直角の向きでも容易にAKTワンセグが受信可能であることを確認済みの弘前市(旧岩木町)新法師。
 ここでいつものアンテナLS56にブースターAPM-UKの組み合わせで設営してみる。

新法師受信データ(2022/7/30)
FEM表示画面表示値
AKT arbus秋田テレビ(AKT)
AntLV=52
POWER=-65dBm
C/N=20dB
BER 0.00E-0
TUY arbus
テレビユー山形(TUY)
AntLV=62
POWER=-59dBm
C/N=23dB
BER 0.00E-0
SAY arbus
さくらんぼテレビ(SAY)
AntLV=47
POWER=-68dBm
C/N=17dB
BER 6.60E-5
NHK YAMAGATA arbus
NHK総合・山形
AntLV=56
POWER=-65dBm
C/N=21dB
BER 3.00E-6

 簡単にAKTが復調し、C/Nは20dBながらBERはE-0エラーフリー。秋田波はABSAABも復調した。

 陣場岳を目印にLS56を建ててケーブルを繋いでいるそばからあっけなくAKTが復調するので、山形(鶴岡)はどうだろうかと試してみたら、TUYSAYNHK山形も簡単に復調した。
 NHK総合・函館(18ch)が消えるのが嫌だったので実験しなかったが、18chYTSもおそらく受信可能だったろう。

matsushimamemory
【まつしまメモリーランドのCM】

 SAYを見ていたら、まつしまメモリーランドのCMが流れていた。
 このCM、青森県ではATVでよく見かけるやまと石材と全く同じメロディのCMソングを使っているのだが、実は秋田県でもAKTで全く同じメロディで秋田石材のCMをやっており、「〽墓石はやまと石材」「〽墓石の秋田石材」「〽まつしまメモリーラーンド」で共通である。
 おそらくランドワークグループ蠅侶藁鶻銅劼廼δ未覆里世蹐Α

 話はそれたがTUYのロゴも取得できたし、次へ進もう。
DSC_5502
【岩木山を望む津軽富士見湖こと廻堰大溜池】

 陣岳(じんだけ)山岳回折で津軽で秋田テレビが映るかもしれない地域の記事で紹介していた北津軽郡鶴田町廻堰に移動した。
 津軽富士見湖こと廻堰大溜池の堤防の上にあがると、溜池北側の廻堰集落の家々の屋根の上のアンテナとほぼ同じ目線の高さにあり、堤防上で実験することにした。

AKTmwrzk
【廻堰でのAKT受信データ】

 C/N=18dB、BERはE-5とまずまずの成績でAKT受信成功。ABSAABも復調した。


 やはり地形データ通りだ。陣岳山岳回折が成立して廻堰もAKTが受かるのだろう。
 なお、山形軍団は全局復調できず。

DSC_5503
【堤防北側の廻堰集落とLS56

 これまで廻堰地内でカーナビでの復調実績はワンセグ含めてなかったが、溜池の堤防の高さに遮られていたからなのだろう。
 廻堰は受信高さえしっかり確保できれば、AKTが映る可能性が高いように思う。次は五所川原市へ移動だ。
DSC_5506
【花火大会の観客席の設営がたけなわの五所川原の岩木川河川敷】

 五所川原市幾島町。
 陣場岳山岳回折で津軽で秋田テレビが映るかもしれない地域で、陣場岳の山岳回折伝搬路が五所川原都心部を掠めるように通過しているシミュレーション図を掲載したが、五所川原の人口集中地区(DID)で伝搬路が通過する数少ない地点が幾島町である。
 コロナ禍で中止が続いていた五所川原花火大会も3年ぶりに開催されるということで、観客席の設置が進む幾島町の岩木川土手で実験した。

AKTgoshogawara
【五所川原市幾島町でのAKT受信データ】

 C/N=19dB、BERも1.10E-5と好成績!!
 五所川原の人口集中地区内でAKT受信成功だ。
 ABSAABも復調した。



 ついに五所川原中心部でも条件次第でフジ系・秋田テレビ(AKT)が受信可能であろうことを確認できた。
 残念ながら五所川原駅まで東にずれると、陣場岳の山岳回折伝搬路から外れるので可能性は低くなるが、岩木川土手寄りの幾島町なら可能だろう。

 確かに異常伝搬気味という追い風条件下ではあったが、この伝搬路の延長線上にあるのは金木駅であって、金木では異常伝搬がなくともAKTが受信可能であることは確認済み。
 伝搬路上なら、五所川原でもAKTは受信可能だろう。
 では、陣岳の山岳回折による廻堰陣場岳の山岳回折による幾島町と見て来たので、両伝搬路線の推定北限地を見に行こう。
DSC_5508
【弘前大学金木農場南方の袖柳橋】

 以前に津鉄の金木駅前でAKTの復調は確認しているが、人目に付きすぎて恥ずかしいので、すこし東にずれて金木川に架かる袖柳橋で受信実験。
 青森も梅雨が明けて猛暑なのである。人通りの激しい踏切横で汗だくになって受信実験をするのも気が引けるものである。

AKTkanagi
【旧金木町・袖柳橋でのAKT受信データ】

 C/N=18dB、BERはE-4でAKT受信成功だ。AABも復調した。
 やはり金木中心部は広い範囲でAKT受信可能性があるのだろう。


 残念なことに陣場岳の山岳回折伝搬路は金木中心部を通過した後、津軽中山山脈にぶつかって途絶える運命にある。
 とはいえ秋田市・大森山送信所から直線で140kmもの距離にありながら安定受信ができ、有望な地域である。

 金木は中心部から西方なら陣岳の山岳回折が成立するので、藤枝集落などで過去にAKTの受信成功を複数回確認済み
 藤枝よりも北で可能かどうか、陣岳の山岳回折伝搬路を追ってみる。
DSC_5512
国道339号大沢内跨線橋から望む旧中里町大沢内】

 藤枝からさらに北上した陣岳の山岳回折伝搬路は、地形データをみる限りにおいては北津軽郡中泊町(旧中里町)大沢内が最北の受信可能集落になりそうだとみている。
 大沢内の北の深郷田になると、集落の東を掠めるように津軽中山山脈に向かって消えていくのである。

AKTosawanai
【旧中里町大沢内でのAKT受信データ】

 C/N=15dB、BERはE-3で厳しい数値だがAKT受信成功だ。AABも復調した。

 大沢内陸橋から集落に降りる坂自体が伝搬路の西端に近い微妙な位置ではあるが、LS206TMHなどの超高性能モデルのアンテナを用いて高利得のブースターを噛ませれば大沢内でもAKTは受信可能であろう。


 というわけで岩木から中里まで、陣岳の山岳回折陣場岳の山岳回折AKTが受信可能かどうかの実験はすべて成功をおさめた。

 これで、青森県でAKTフルセグで受信可能な地域が存在することを確認できたのは、旧西津軽郡岩崎村(岩崎・沢辺・板貝)、旧中津軽郡岩木町(新法師・岩木山)、北津軽郡鶴田町(野木・木筒・強巻・廻堰)、旧西津軽郡柏村(小和巻・桑野木田)、旧五所川原市(持子沢・前田野目・幾島町)、旧北津軽郡金木町(金木・藤枝)、旧西津軽郡木造町(川除)、北津軽郡板柳町(常海橋)、旧南津軽郡常盤村(福舘)、旧南津軽郡藤崎町(矢沢)、弘前市(大久保・岩賀)、南津軽郡田舎館村(豊蒔)、旧南津軽郡浪岡町(吉野田・郷山前)、旧北津軽郡中里町(大沢内)と旧67市町村のうち14市町村に上っている。

 地形データの分析結果と実測の結果も伴っている。
 津軽でもフジ系の受信可能性が高い集落や住宅地は、北は中里から南は弘前、西は岩崎、東は浪岡と、広い範囲に散らばっているのである。

blog_rankingクリックでブログランキングに投票!