津軽海峡を挟んで青森と渡島に「上磯」が存在する。
 青森で上磯と言えば青森市から竜飛にいたる東津軽郡の領域であり、渡島で上磯といえば平成の大合併で2006年に北斗市が誕生するまで上磯郡上磯町が存在したし、今も知内町と木古内町は上磯郡である。
 紛らわしいので、タイトルは上磯(東津軽郡)ということで、まずは東津軽郡蓬田村の瀬辺地漁港からみていく。
 (なお、同じ青森側の上磯で飛鳥(屋内)、後潟はこちらの記事を参照のこと)

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【瀬辺地漁港から函館方面を望む】

 高潮や冬季風浪による海岸浸食が激しいため場所によって年に5mも陸地が浸食されていたことから、かつて建設省直轄事業で海岸保全事業が行われた「青森海岸」の時代が嘘のように穏やかな草原になった瀬辺地地区の浜辺である。
 2003年に県事業に移管される前の1990年代、国道280号沿いには「青森海岸(後潟工区)」とか「青森海岸(郷沢工区)」などの標識が建っていたものである。同じように各家庭で函館向きに設置された大型のアンテナもこの地域の景観だった印象があるが、そちらも終わってしまった感がある。

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LS56を函館山方面へ向けて実験】

 ここ蓬田村瀬辺地は函館山からの直線距離が約83km。地球の丸みの影響で、肉眼では標高334mの函館山を目視することが出来ないが、地デジのUHFの電波なら水平線をかわして到達可能な見通し距離内にある。
 南に約8kmの青森市後潟での実験では芳しくない結果だったが、ここ瀬辺地はどうだろうか。

蓬田瀬辺地
【画像はクリック/タップで拡大します】

 UHBTVhの受信データが惨憺たる結果。
 電波の見通し内にあるのに民放全5波ともに受信に失敗である(STVのみワンセグ復調した。)。

 鉄塔を同じくするTVhHBCはやはり電界強度が低い結果に。これに対しUHBHTBは電界強度が10デシ以上は強そうだが、野辺地から飛んでくる上北局のATVNHK総合青森の混信分だろう。

 函館局に関してはNHK総合(VK)Eテレ(VB)だけしか映らないという結果であった。

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【漁港から眺めた瀬辺地集落の景観】

 NHKEテレしか映らないのであれば、わざわざ函館局の遠距離受信に励む必要性は薄い。
 集落を見ると、かつて函館局の遠距離受信に使われていたコンクリート柱には不釣り合いな、かわいらしい14素子の八木宇田アンテナや平面アンテナ(マスプロ電工・スカイウォーリーシリーズ)が青森向きにちょこんと取り付けられている家が何軒も観察される。

 国道280号沿いで過去のGoogleストリートビューで、最も古い2013年頃に遡ると、函館向きのLSL30がコンクリート柱上で朽ち果てていく最中の姿が見て取れる。
 かつて海岸浸食をもたらした冬季風浪は、強烈な潮風としてLSL30など高性能アンテナを侵食して行ったのである。函館に高性能アンテナを向けてもUHBTVhも映らないのであれば、人々はアンテナの維持・更新をあきらめてしまう。

 青森市内を出て蓬田まで来ても、函館局の遠距離受信は厳しい。

蟹田編に続く

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