1992(平成4)年9月に青森ケーブルテレビが北海道文化放送(UHB)の区域外再送信(現在は区域外再放送)を開始して、今年の9月で30周年である。
 青森県はそれに先立つ1991(平成3)年10月にABAが開局しており、曲がりなりにも青森市も民放4局化を果たしたのである。
 青森ケーブルテレビが北海道文化放送(UHB)テレビ北海道(TVh)の区域外再放送を実施するため、かつて開設していた雲谷の受信点を見てきた。

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【旧受信点は青森市雲谷にある】

 五所川原都市圏でAKTの受信を確立した遠距離受信愛好家として、同じ青森県内のプロの技をみておきたい。
 区域外再放送を実施するケーブルテレビ事業者は、遠距離受信のプロである。
 AKTの区域外再放送を実施するケーブルテレビはまだ津軽にないが、北海道波(北海道文化放送(UHB)テレビ北海道(TVh))の区域外再放送を30年続ける青森ケーブルテレビのプロの技をみたい。

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【25素子リングアンテナの2列2段スタック】

 といっても青森ケーブルテレビも一時期、札幌市内で受信して青森市まで伝送していたというし、現在は大間で受信したものを伝送回線で青森市まで持ってきているという。
 ここ雲谷の旧受信点は現在の大間から数えて2代前のものになる(初代は青森市堤町のホテル青森屋上)。現在も往時のままの姿を留めており、25素子リングアンテナの2列2段スタックが目を引く。

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【アンテナの下の方には電力メーターの収容箱などがあった】

 25素子リングアンテナの2列2段スタックは理論上、アンテナ1本の場合に比べて利得が+6dBになるはず。
 五所川原都市圏の当地でAKT秋田局を受信するために使っているマスプロ電工の20素子モデル・LS206TMHの利得は、秋田局の21chで約13dBである。
 LS206TMH2列2段スタックにすれば利得19dBLS306TMHでやれば利得21dB
 アンテナだけで利得20dB前後もあれば、当地の場合はAKTは映像断どころかブロックノイズの発生もなくなるだろう。どんなにダウンフェージングが強い時でも通常時から−20dBに達することは無いのである。

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【雲谷から本社にはUHBTVhをマイクロ波で伝送していたらしい】

 ただ現実問題、2列2段スタックでも時々映像に乱れが生じる問題もあって、青森ケーブルテレビは受信点を札幌に移したわけだが。
 やはり海上伝搬は、潮の干満や風浪、行き交う船舶の影響で常に動いている海面反射点由来のフェージングで映像が乱れやすいのだろう。
 函館から30kmの大間周辺や60km圏の今別周辺ならそれほど影響はないのだろうが、100kmを超える青森市での海上伝搬遠距離受信はプロの技でも難しかったのだろう。

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【収容箱は腐食。電力メーターも回っていない】

 青森市中心部の青森ケーブルテレビ本社に伝送していたアンテナなどもそのまま残っているようだが、電力メーターも回っていないし、そもそも収容箱は腐食が進んで穴が開いている。
 万が一、大間の受信点で問題が発生してもすぐに雲谷でリカバリーという態勢には移れないだろう。
 遠距離受信愛好家としては、青森ケーブルテレビには雲谷で受信の場合の地デジの映り方も見せてほしかったように思うが、普通にフジ系テレ東系を見たい人には、大間で受信した超安定した放送を流す方が良いのは言うまでもない。

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【受信点から見下ろす青森平野と陸奥湾】

 ちなみに、小山内豊彦(1997)「眠れるメディア"テレビ"―青森から考える地域密着チャンネル」(北の街社)の169〜170pには、雲谷で受信しているのはTVhであり、UHBは引き続きホテル青森を受信点としていたように読み取れる記載もある。
 ここで受信していたのはTVhだけかもしれないが、いずれにせよプロの技を間近に見れたのはよかった。

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