地デジの山岳回折による遠距離受信に励む当ブログであるので、たまには山の話も書いておこうかと思う。

 津軽平野には山岳回折で秋田県や北海道から地デジの電波が到来する地域が線状に複数存在しているが、北海道・函館山の函館送信所からの地デジを回折させ遠距離受信者にUHBTVhといった恵みをもたらしてくれるのが津軽半島の山たちである。

 津軽半島では日本海沿岸の通称・屏風山も存在するが、本記事で扱うのは通称・津軽中山山脈とする。なぜ通称・津軽中山山脈かというと、学術的にはどうやら「津軽山地」というのが正しいらしいからである。
 ただ、林野庁の東北森林管理局でも中山山脈という言葉を用いていて、事実として広く使われている言葉であるので中山山脈という言葉が間違いだとも言えない。

津軽山地 主部
【津軽山地の地図(地理院地図を編集)】

 地理院地図の自分で作る色別標高図機能を使って、津軽半島の山たちを表現したのが上の地図。
 津軽山地は、北西部の中山山地、北東部の平舘山地、南部の梵珠山地3つに分けられるという。

 3つに分けられるとはいうものの、色別標高図にすると一目瞭然で、梵珠山地喜良市−内真部を結ぶ線を挟んで南北に分かれているように見える。
 事実、高橋純一・入木次男(1936)「東部津軽油田の構造」などによれば、構造地質学的には構造ドームで4つの山塊に分かれるとされていて、それぞれ四ツ岳ドームが中山山地、平舘ドームが平舘山地、袴腰ドームが梵珠山地北部、馬ノ神山ドームが梵珠山地南部に該当する。

 難しい話はこの辺にして、名前のある山をまとめると下表のようになる。

津軽山地(通称 津軽中山山脈)の主な山
所属山名標高(m)緯度経度備考
中山山地矢形石山587.041.174140.371
増川岳713.841.142140.402中山山地最高峰
四ツ滝山669.741.122140.400
浜名岳603.341.145140.439
木無岳587.441.103140.414市浦
品岳445.741.106140.477
平舘山地坊主岳494.741.189140.552
烏岳561.041.186140.587
尖岳529.141.176140.550
袴腰岳708.041.168140.579平舘・今別
木無岳686.041.152140.573今別
丸屋形岳718.041.153140.587津軽山地最高峰
鳴川岳658.041.146140.594
鮊岳599.041.139140.590
横岳573.741.138140.565今別
清水股岳566.241.122140.581
梵珠山地
(北部)
玉清水山478.941.032140.512
袴腰岳627.840.996140.522蓬田・中里
横岳422.740.973140.513中里・金木
赤倉岳563.040.980140.556
大倉岳677.040.970140.548梵珠山地最高峰
十二岳602.040.961140.553
梵珠山地
(南部)
源八森352.640.870140.590
魔ノ岳466.040.843140.584
馬ノ神山549.140.829140.577梵珠南部最高峰
梵珠山468.340.800140.575
鐘撞堂山313.040.783140.574

 最高峰は平舘山地の丸屋形岳(718m)
 だいたいの標高が500〜700mくらいというところで、各山塊とも標高は似たり寄ったりである。

 同名の山がいくつかあり、木無岳が市浦と今別に、袴腰岳が平舘・今別の境と蓬田・中里の境に、横岳が金木・中里の境と今別にある。
 地名の由来までは調べていないが、同じ山塊の中で同名になっている例はないので、それぞれの生活圏で生まれた山名がたまたま同じだったのだろう。

 これら名前のある山の他にも無名の山もいくつもあり、その中で函館局の地デジの山岳回折が成立する山もあれば、成立しない山もある。
 中里福浦や、車力下牛潟UHBTVhの電波をもたらす恵みの山には名前が無い。
 
 有名無名を問わず、大釈迦丘陵にほど近い鐘撞堂山から竜飛崎までの津軽山地の山々の中から、函館局の地デジをもたらす恵みの山と、恵みを受けられる地域を見つけ出すのが当ブログの取り組みの一つである。

 さて、弘前との位置関係はどうだろうか。

DSC_6103
【弘前で秋田テレビ(AKT)の受信が可能な地域の存在は確認した】

 フジテレビ系地上波の無い弘前で、秋田テレビ(AKT)が受信できれば非常にありがたいことである。
 しかし、叶うものなら同じフジ系・北海道文化放送(UHB)のみならずテレビ東京系・テレビ北海道(TVh)もある北海道の電波が受信したいのが人情だろう。

 津軽山地山岳回折は、弘前にUHBTVhの函館局という恵みをもたらすことはできるのだろうか。

津軽山地 伝搬線
【函館山−弘前市街地間の色別標高図】

 カーリングに例えるならば、函館山からハウスの中心たる弘前市街地への直線上に、平舘山地梵珠山地という相手のストーンが少なくとも2個もあるような地形か。
 回折回数が2回以上になると、地デジの山岳回折遠距離受信の可能性はほぼ破綻してしまう。

 先ほど各山塊とも標高は似たり寄ったりと書いたが、平舘山地梵珠山地も標高差が小さいことが、弘前にとっては条件として厳しい。
 せめてどちらかの山塊が1000m級の高山であれば、片方の山塊を飛び越えて山岳回折の成立も望めていただろうが、色々と角度を変えて当ブログがシミュレーションしても、回折1回で函館の電波という恵みを弘前にもたらしそうな山は見つけられなかった。

 弘前でもアナログ放送時代に27chUHB函館局をノイズまみれながら受信していた例もあったようだが、21chTVh函館局は困難だったと聞くのでアナログでも山岳回折遠距離受信は難しかったのだろう。

 もちろん、渡島福島局に望みを繋ぐ戦い方も無いわけではないが、難易度は非常に高い。
 なかなか、山の神様も容易には恵んでくれないなと思うが、津軽山地も西北五の津軽平野には恵みをもたらすことを確かめているわけで、ありがたがるほかない。

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