前回の秋田県側でのATV山岳回折をシミュレーションした(大館・鷹巣編)が好評なようなので、深く掘り下げなかった能代の方もRadio mobileでシミュレーションしてみる。

 前回と同じく馬ノ神山のATV青森親局(30ch)が対象だ。
 ERP=7.1kWで送信高は600m(推測)として無指向性で送信する条件で、受信電界強度60dBμV/m以上のみ赤く塗りつぶしたシミュレーションマップを流用した。

ATV受信電界強度白神能代方面
【白神山地の青森県境付近の60dBμV/m以上電界強度図】

 上の図で受信電界強度60dBμV/m以上の赤い色が付いたのは4カ所。
 二ッ森南方の1039m高地、次郎左衛門岳北西の920m高地、次郎左衛門岳、藤里駒ケ岳まではATV青森親局の電波が非常に良好に届いているのは間違いないので、これらを山岳回折点の候補とする。

 能代で可能性があるなら藤里駒ケ岳だろうと考えており、実際、2020年夏に大潟村や旧八竜町Eテレ青森親局ならカーナビのテレビでもワンセグ復調するのを確認済みである。

 ともあれ、回折点候補の諸元は下表のとおり。

ATV青森親局 山岳回折候補の山
山名標高(m)馬ノ神山からの方位角(°)
藤里駒ケ岳1158210.92
次郎左衛門岳946215.46
次郎左衛門北西920高地920217.46
二ッ森南方1039高地1039221.05

 これらの4地点から、馬ノ神山の青森親局からの方位角度に合わせて秋田県側に回折するシミュレーションをしてみる。

 例によって、津軽平野でAKTのシミュレーションを実施したら何となく上手くいったような感じがするERP=0.3Wとする。

ATV受信電界強度白神能代方面(能代山本)
【白神山地(能代山本方面)のシミュレーション図】

 藤里駒ケ岳以外は惨憺たる結果だわ。

 秋田県側の山が険しすぎるのが理由である。
 ひょっとしたら八森、峰浜、向能代方面にも希望があるかと思ったが、いずれも厳しい結果のようだ。
 このエリアは、南から攻め込んでくる強力なTUY鶴岡局でさえも見通し距離限界のはるか先で届かず、北に位置するATV岩崎局も届かない。
 希望があるとすれば白神の回折でATV親局くらいだと思っているので、残念である。

ATV受信電界強度白神能代方面(東能代)
【能代市街 藤里駒ケ岳の回折による推定受信電界強度】

 とりあえず形になった能代市街を見ていこう。

 能代市街とはいうものの、望みがありそうなのは東能代駅のある鰄渕方面くらいで、能代市役所や能代駅などある市街地方面は可能性が無いだろう。
 米代川の土手のような見通しの良い場所なら、うまく藤里駒ケ岳山岳回折波を受けることはできるかもしれないが、受信電界強度40dBμV/m以上を示す黄色のエリアが広がっていた大館と比べると、能代は見るからに難しそうな感じだ。
 鰄渕以外に、人が住んでいそうな集落を通過していなそうなのも辛いところ。

ATV受信電界強度白神能代方面(八竜)
【八竜・大潟北部 藤里駒ケ岳の回折による推定受信電界強度】

 能代から南下して旧八竜町(現三種町)をみてみると、八竜には確かに藤里駒ケ岳山岳回折波が通過しているのが見て取れる。

 Eテレ青森親局ワンセグが確認できた秋田県道42号男鹿八竜線の五明光橋周辺や、西部承水路と東部承水路を隔てる築堤上、八竜中学校周辺なども回折波の伝搬路にあたるのは間違いない。

 ただ、ここでATVの受信はワンセグすら出来なかったんだよな。

 車載のテレビだったので、今のようにマスプロ電工・LS56サイトウコムウェア・AMP-UKを組み合わせるやり方なら上手く行ったかもしれないが……

 これより南に行くとABS寒風山中継局30chで同chとなるので、ATV青森親局の受信は困難を極めることになるだろう。
 寒風山局Eテレ秋田14chでEテレ青森と同chで、それで払戸や八竜でEテレ青森が受かるのだからあまり同chは気にしなくても良いのかもしれないが、もしもATV青森親局に反応がありそうならLS306TMHの出番だろうなという気がする。

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