DSC_0990
【夜の青森市・飛鳥漁港(奥内漁港飛鳥地区)】

 夜の遠距離受信実験なので、背景色を普段の白地から反転させて黒にしてみたら、四半世紀前に一世を風靡したテキストサイトみたいである。
 「侍魂」のヒットマン事件簿とか先行者とか面白かったよね。

 さて、当ブログでは何度か登場している青森市の飛鳥漁港(奥内漁港飛鳥地区)。
 電波の見通し距離の限界を超えているため函館局の受信が不可能な地区である。

 なぜ今さら飛鳥漁港に来たかというと、山岳回折によって室蘭局受信の可能性がある地点と読んだからである。
 函館市の三森山(みつもりやま)は測量山の室蘭局から見て188.17°方向にあり、標高は842m。
 三森山から飛鳥漁港(受信高=2.0m)の実距離は113.3kmとなるが、842mの三森山頂が回折点として機能できれば電波の見通し距離が約125.4kmに達し、実距離より12kmもの余裕がある。
 下北半島のまさかりの刃の部分を華麗にかわし陸奥湾奥の飛鳥まで回折波が到達可能な位置関係にあり、受信可能性が無いか実験したのである。

青森市飛鳥漁港 測量山8波受信データ(2023/9/27)
FEM表示画面表示値
HBC室蘭飛鳥北海道放送(HBC)
AntLV=13
POWER=-75dBm
C/N=5dB
BER 3.93E-2
STV室蘭飛鳥札幌テレビ放送(STV)
AntLV=25
POWER=-71dBm
C/N=9dB
BER 3.94E-2
HTB室蘭飛鳥北海道テレビ放送(HTB)
AntLV=20
POWER=-67dBm
C/N=6dB
BER 3.94E-2
UHB室蘭飛鳥北海道文化放送(UHB)
AntLV=18
POWER=-73dBm
C/N=6dB
BER 3.94E-2
TVh室蘭飛鳥テレビ北海道(TVh)
AntLV=14
POWER=-71dBm
C/N=5dB
BER 3.94E-2
IQ室蘭飛鳥NHK総合・室蘭(JOIQ)
AntLV=0
POWER=-78dBm
C/N=0dB
BER 1.00E-0
16ch(491.142857MHz)
NHK・総合青森(JOTG)青森親局と重複
測定省略
NHK Eテレ室蘭(JOIZ)
AntLV=--
POWER=--dBm
C/N=--dB
BER -.--E--
VK渡島局飛鳥NHK総合・函館(JOVK)渡島局
AntLV=12
POWER=-74dBm
C/N=4dB
BER 3.94E-2

 室蘭局、民放5局(HBCSTVHTBUHBTVh)がワンセグ止まり

 16chEテレ室蘭(IZ)NHK・総合青森(JOTG)青森親局と周波数重複になるので測定対象から外したが、NHK・総合函館(JOVK)渡島中継局の結果も奮わず、亀田半島方面に送信指向性のない総合室蘭(IQ)は全くかすりもせず。

DSC_0991
LS56を手で防波堤の上に】

 もうちょっと民放の結果が良く出てくれないかとアンテナを手に色々粘ったが、到底、12セグ復調には届きそうも無かった。
 26chRAB上北局を寄り切ってTVh室蘭局ワンセグ復調できたのは評価するが、TVerでキー局のゴールデンタイムが見られる時代にワンセグ止まりでは遠距離受信する意味がない。

室蘭−青森飛鳥断面図
TVh室蘭局−青森市飛鳥漁港 伝搬路断面図】

 いくら山岳回折といえど、回折点から110kmだとキツイのか。
 1回山にぶつかって強さも品質も劣化した電波が、函館市新湊町付近から飛鳥漁港まで99kmの海上伝搬でやってくるのを考えれば、条件として良いものではない。
 三森山山岳回折は難しいのだろう。






 さて、次の受信点に行こうかと帰り支度をしていた時のこと。

 アンテナとアクオスをトランクに積み込んでいると、視線の先に動く気配が。

 なんと「リング」の貞子のように、顔が見えない白髪の老婆がこちらに歩いてくるではないか。

 飛鳥漁港が心霊スポットだという都市伝説は聞いたことが無い。

 まだ日没からそれほど時間も経っていない。

 丑三つ時にはまだ早いではないか。

 慌てて運転席に乗り込みエンジンをプッシュスタートするが「キーが見つかりません」。
 
 まさか!

 スマートキーをアクオスのリモコンと一緒に車外に出したことを思い出す。

 意を決して車外に出てスマートキーとリモコンを回収。

 一歩、一歩、先ほどより大きくなってくる白髪の貞子然とした老婆。

 心臓の鼓動が速くなる。エンジン始動。

 力強く加速する愛車の窓に、すれ違いざまに老婆の姿が飛び込んでくる。

 ・・・・・・

 それは、何故か後ろ向きで歩いているだけの白髪の高齢女性だった。




 
 
DSC_0992
【青森市後潟 国道280号バイパス

 次は私が勝手に新松前街道と呼ぼうと提唱している国道280号バイパスの側道の農道で受信実験。
 住所的には後潟大原と後潟平野の境界線の平野側だが、近傍に後潟大原共同墓地があり、墓地も住所は後潟平野にありながら大原を名乗っているので、受信点名も後潟大原としたい。
 そうそう、三脚の上にアンテナを乗せスマホで写真を撮っていると、移動オービスだと勘違いしたのか慌ててブレーキランプを光らせる車がおり申し訳ない。

後潟大原・飛鳥
【青森市飛鳥漁港、後潟大原受信実験地詳細地図】

 こちらを訪れたのも、測量山の室蘭局から見て189.42°方向にある旧南茅部町(函館市)の泣面山(なきつらやま)による山岳回折で室蘭局受信の可能性がある地点と読んだからである。
 測量山の室蘭局から見て泣面山三森山から僅か+1.25°しか角度差がない山であるが、さすがに150km以上離れた青森市まで来ると、飛鳥と後潟ほどの離れた位置関係になる。

 泣面山の標高は835mで、受信高=2.0mだとして電波の見通し距離が約124.9kmある。泣面山から後潟の実距離は114kmだから、電波の見通し距離に10kmの余裕がある。
 条件的には三森山に似ているが、実際に実験してどんな結果になるか。

 なお、本当は海岸沿いで実験したかったが、土地事情で適地での受信が困難なため大原の水田地帯で実施したのである。

青森市後潟大原 測量山8波受信データ(2023/9/27)
FEM表示画面表示値
HBC室蘭後潟北海道放送(HBC)
AntLV=12
POWER=-70dBm
C/N=4dB
BER 3.94E-2
STV室蘭後潟札幌テレビ放送(STV)
AntLV=42
POWER=-64dBm
C/N=16dB
BER 2.29E-3
HTB室蘭後潟北海道テレビ放送(HTB)
AntLV=21
POWER=-70dBm
C/N=8dB
BER 3.94E-2
UHB室蘭後潟北海道文化放送(UHB)
AntLV=24
POWER=-69dBm
C/N=8dB
BER 3.94E-2
TVh室蘭後潟テレビ北海道(TVh)
AntLV=0
POWER=-67dBm
C/N=0dB
BER 3.94E-2
IQ室蘭後潟NHK総合・室蘭(JOIQ)
AntLV=0
POWER=-77dBm
C/N=0dB
BER 1.00E-0
16ch(491.142857MHz)
NHK・総合青森(JOTG)青森親局と重複
測定省略
NHK Eテレ室蘭(JOIZ)
AntLV=--
POWER=--dBm
C/N=--dB
BER -.--E--
VK渡島局後潟NHK総合・函館(JOVK)渡島局
AntLV=7
POWER=-75dBm
C/N=2dB
BER 3.94E-2

 STV室蘭局復調成功

 一方で他局は明暗が分かれ、HBCHTB総合函館(VK)渡島局ワンセグ復調したが、UHBはレベルが上がるもののなぜか復調失敗。
 26chTVh室蘭局RAB上北局に力負けした。

ATV上北25ch 上磯方面
【ERP=80Wとして仮算出したATV上北局受信電界強度シミュレーション図】

 かつて、25chで重複するUHB函館局へのATV上北局の影響力を推定するため、NHK上北外ヶ浜局のERPを参考に作成したATV上北局の推定電界強度図を再掲する。

 ATV上北局の飛び方を参考にすると、RAB上北局も宮田以北で電界強度が上がってきて後潟では推定で50dBμV/m以上となる。
 宮田以南なら東岳の陰になるので上北局の影響力が弱く、飛鳥漁港ではTVh室蘭局が辛勝できたが、後潟ではRAB上北局に完敗である。

室蘭−青森後潟断面図
TVh室蘭局−青森市後潟大原 伝搬路断面図】

 泣面山山岳回折の伝搬路をみてみると、三森山と似ていて正直違いがよくわからないが、泣面山の方がナイフエッジ効果は効きそうな急峻な地形になっている(特に室蘭側で)。
 それから、受信点も海岸ではなく内陸寄りに取ったのもSTV室蘭局の受信成功に寄与したかもしれない。
 この伝搬路の場合、本州側の上陸地点は東津軽郡蓬田村の浪返や浦田の周辺となり、1.8kmほど内陸を飛来することで、いくらか海上伝搬の悪影響を抑えることに繋がったのではないか。

DSC_1001
【後潟大原の国道280号バイパスから測量山方向にアンテナを仮設した】

 正直に言うと、函館局の代わりに室蘭局のUHBTVh山岳回折で何とかならないかというのが最大の狙いだったので、残念な結果ではある。

 しかし、STV室蘭局復調したのは驚愕であった。
 これまで、山岳回折AKTを金木や中里で受信して、回折点から距離が離れても意外といけるものだと驚いていたのだが、泣面山から後潟大原の距離は114kmである。

 回折点から114kmという超長距離でも、山岳回折で1波だけながら復調したのは新たな発見であった。

DSC_1005
【青森港フェリーふ頭】

 帰路、15年ぶりに青蘭航路が復活する青森港フェリーふ頭のファミリーマートで休憩した。
 青蘭航路復活の祝いに、飛鳥か後潟でUHBTVhの室蘭局の受信を成功させたかったが、残念である。

 津軽海峡フェリーの青蘭航路は、10月2日20時に室蘭港を出港し翌3日3時に青森港に到着する便が第1便となる。
 かつての宮古のような結果になるとは思えないが、八戸でも維持できなかった室蘭航路であるので、青森での復活も正直いささか心配である。

 青森市から札幌市や道東、道北方面まで行くのを考えると、夜八戸発で翌朝苫小牧着の八苫航路のダイヤが非常に魅力的であり、八戸・青森間もE4Aがほぼ繋がってアクセスが良くなっている。
 正直なところ青森9時発・室蘭15時45分着では、北海道に上陸してもその日の旅程は立てにくい(道央圏で1泊になるだろう)ので、せめてもう1本、室蘭に午前中に着く便が設定されればなとは思う。

 運転しやすいのは、八戸北⇔青森中央E4A 八戸道・百石道路・第二みちのく有料道・上北道・みちのく有料道・青森道(約77km)より、登別室蘭⇔苫小牧東E5 道央道(約64km)であるから、青森市民としては青森夜発・室蘭朝着の設定も欲しい。
   
blog_rankingクリックでブログランキングに投票!