ここのところ北海道波の受信が続いていたが、久しぶりに津軽での秋田テレビ(AKT)の遠距離受信を取り上げたい。
 旧浪岡町の郷山前や吉野田、それに隣接する板柳町常海橋や藤崎町福舘ではAKT秋田局が良好に遠距離受信できることが当ブログでの調査で確認済み。

 旧浪岡町郷山前地区から板柳町常海橋地区にかけては広大な水田地帯が広がっており、受信実験の適地である。
 この地の利を生かし、弘前市街地でのAKT秋田局受信可能地域の予測精度を上げたいというのが今回の記事のテーマである。

郷山前
【郷山前・常海橋地区の受信実験地図】

 上図の通り、板柳町常海橋から旧浪岡町郷山前にかけて25か所の受信点でAKT秋田局の受信実験を実施した。
 AKT秋田局の周波数は521MHzで、マスプロ電工・LS56の利得が8dB、サイトウコムウェア・AMP-UKのブースター利得が21dB、ケーブルその他の損失が0.6dBとして、AQUOSのFEM画面の受信電力(7dB下振れ)から推定受信電界強度を算出した。
 さらに各地点別に伝搬路地形断面図を作成し、弘前市での受信可能性があるかどうかを分析していくものとする。


受信点1(板柳東小学校・常海橋受信点)
FEM表示画面受信風景
郷山前025DSC_1184

 常海橋の板柳東小学校前は本当にいつ来てもAKT秋田局の成績が良い。
 稲刈りが終わり、水田が乾燥した平面状態になっていることで反射波も良好なのか、今までに見たことが無いC/N=32dBが出た。

AKT-常海橋1
【大森山−受信点1 伝搬路断面図】

 回折点は烏帽子岳西南西の標高1105m地点である。
 青森県側の地形も比較的素直であり、最大の障害点は久渡寺山北東の稜線である。
 常海橋の受信点1へのライン上で、弘前市樹木2丁目10番地付近から青森方であれば烏帽子岳西南西の回折点が見通せるのでAKT秋田局が受信できる可能性があるのだろう。
 受信点1への伝搬路は、弘前市内でもAKT秋田局受信の可能性がある伝搬路ということだ。


受信点2
FEM表示画面受信風景
郷山前024DSC_1181

 続いては県道196号五林平藤崎線県道203号常海橋銀線の交点から浪岡方の県道203号沿いの受信点2。住所でいえば板柳町常海橋俵元である。ここもC/N=31dBと非常に成績が良い。
 受信点2から受信点10まで県道203号沿いでの受信実験となる。

AKT-2
【大森山−受信点2 伝搬路断面図】

 回折点は烏帽子岳北東の標高1051m地点である。田代岳登山道で、烏帽子岳と雷岳を結ぶ区間の尾根筋にある。
 青森県側で最大の障害点は弘前市一ノ渡の741m高地北西の地点である。
 受信点2へのライン上で、弘前市西城北2丁目4番地付近から青森方であれば烏帽子岳北東の回折点が見通せるのでAKT秋田局が受信できる可能性があるだろう。
 受信点2への伝搬路も、弘前市内でAKT秋田局受信の可能性がある伝搬路ということだ。


受信点3
FEM表示画面受信風景
郷山前023DSC_1180

 県道203号を浪岡方に東進し受信点3
 ここは秋田方の土地利用がりんご果樹園となっており、りんごの木で県境の峰々が見通せず、残念ながらAKT秋田局ワンセグ止まり

AKT-3
【大森山−受信点3 伝搬路断面図】

 回折点は雷岳西の標高1020m地点であり、こちらも田代岳登山道で、烏帽子岳と雷岳を結ぶ区間の尾根筋。
 青森県側で最大の障害点は弘前市一ノ渡の741m高地南南西の地点である。
 受信点3へのライン上では、藤崎町中野目早稲田167番地付近から青森方でなければ雷岳西の回折点が見通ない。
 受信点3への伝搬路は、弘前市内でAKT秋田局受信の可能性が低い伝搬路ということだ。
 地形自体は悪くないので、受信点3でも秋田方がりんご果樹園でなく水田で見通しが良ければAKT秋田局は受信できたかもしれない。藤崎町中野目以北で屋根の上から県境の峰が見通せれば可能性はあるだろう。


受信点4
FEM表示画面受信風景
郷山前022DSC_1178

 受信点4も秋田方の土地利用がりんご果樹園となっており、受信条件は良くない。
 だがAKT秋田局復調まで持ち込むことが出来た。C/N=18dBという割にはBERはE-5でそれほど悪くない。

AKT-4
【大森山−受信点4 伝搬路断面図】

 回折点は雷岳西の標高1031m地点であり、まだまだ田代岳登山道で、烏帽子岳と雷岳を結ぶ区間の尾根筋。
 青森県側で最大の障害点は弘前市湯口の長慶峠北東の地点である。
 受信点4へのライン上では、藤崎町中野目早稲田27番地付近から青森方でなければ雷岳西の回折点が見通ない。
 受信点4への伝搬路も、弘前市内でAKT秋田局受信の可能性が低い伝搬路ということになる。
 ただ、常海橋でりんご果樹園に阻まれても復調できるのだから、藤崎町中野目以北で屋根の上から県境の峰が見通せれば可能性はあるだろう。


受信点5
FEM表示画面受信風景
郷山前021DSC_1176

 受信点5は秋田方の土地利用が水田に戻って再び見通しが良くなるのだが、思ったほど成績が伸びない。
 それでも適当にアンテナを構えてもAKT秋田局復調するので、津軽では恵まれた地理条件にあるのは間違いない。

AKT-5
【大森山−受信点5 伝搬路断面図】

 回折点は雷岳西の標高1074m地点で、だいぶ雷岳の山頂に近づいてきたがまだまだ田代岳登山道の尾根筋。
 青森県側で最大の障害点は弘前市湯口の長慶峠北東の県境に近い尾根である。
 受信点5へのライン上も、藤崎町中野目前田西付近(水田地帯)から青森方でなければ雷岳西の回折点が見通ない。
 受信点5への伝搬路も、弘前市内でAKT秋田局受信の可能性が低い伝搬路ということになる。
 ただ、藤崎町中野目以北の柏木堰、滝井などの各集落で屋根の上から県境の峰が見通せれば可能性はあるだろう。


受信点6
FEM表示画面受信風景
郷山前020DSC_1174

 受信点6は、板柳町と藤崎町を隔てる十川の左岸土手である。
 アンテナを構えると簡単にAKT秋田局復調し、成績もよい。

AKT-6
【大森山−受信点6 伝搬路断面図】

 回折点は雷岳山頂西側の標高1118m地点で、ほぼ雷岳山頂といっても良いような位置である。
 青森県側で最大の障害点は受信点5のそれと極めて近く、弘前市湯口の長慶峠北東の県境に近い尾根である。
 受信点6へのライン上も受信点5と同じく、藤崎町中野目前田西付近(水田地帯)から青森方でなければ雷岳西の回折点が見通ない。
 受信点6への伝搬路も、弘前市内でAKT秋田局受信の可能性が低い伝搬路ということだ。
 しかし回折点の標高が高いこともあって、受信点5への伝搬路よりも成績が良く出やすいようだ。

 実際に過去に弘前市内で何か所かAKT秋田局受信可能地点を確認済みだが、雷岳の伝搬路で上手くいかない結果が出ていて、やはり青森県側の長慶峠周辺の地形が弘前にとってはアゲインストになるのだろう。
 弘前にとっては良くないが、雷岳は藤崎の柏木堰集落以北では望みの有る山である。


受信点7
FEM表示画面受信風景
郷山前019DSC_1172

 受信点7は、県道203号新常福橋を渡って十川の右岸土手。
 ここもアンテナを構えると簡単にAKT秋田局復調するのだが、思ったよりも成績が伸びない。

AKT-7
【大森山−受信点7 伝搬路断面図】

 回折点は雷岳山頂の1128m地点すぐ近傍の標高1127m地点で、まあ雷岳山頂である。
 青森県側で最大の障害点は、県境の884m峰である。
 884m峰が障害となる為、藤崎町中野目前田東付近(水田地帯)から青森方でなければ雷岳の回折点が見通ない。
 受信点7への伝搬路も、弘前市内でAKT秋田局受信の可能性が低い伝搬路ということだ。


受信点8
FEM表示画面受信風景
郷山前018DSC_1170

 受信点8は藤崎町福舘地区北部の水田地帯で見通しが良い。
 AKT秋田局がC/N=26dBに達しており、昭和の時代に消滅した旧富木舘村エリアはやはり良い数字が出る。

AKT-8
【大森山−受信点8 伝搬路断面図】

 回折点は雷岳山頂南南東の標高1126m地点。
 青森県側で最大の障害点は、県境の884m峰東方である。
 884m峰が障害となる為、藤崎町藤崎下川原64付近から青森方でなければ雷岳の回折点が見通ない。
 受信点8への伝搬路も、弘前市内でAKT秋田局受信の可能性が低い伝搬路ということだ。
 ただ、旧藤崎町の中心部がAKT秋田局受信エリアになる可能性があるということである。


受信点9
FEM表示画面受信風景
郷山前017DSC_1168

 受信点9受信点8に続いて好成績。先に測定した常海橋もそうだが、AKT秋田局のC/N=30dBという数値は貴重である。

AKT-9
【大森山−受信点9 伝搬路断面図】

 回折点は雷岳南東の標高1085m地点。
 青森県側で最大の障害点は、県境の884m峰東方である。
 884m峰が障害となる為、藤崎町藤崎葛野前田66付近(DCM藤崎店)から青森方でなければ雷岳の回折点が見通ない。
 受信点8への伝搬路も、弘前市内でAKT秋田局受信の可能性が低い伝搬路ということだ。
 藤崎にAKT秋田局遠距離受信成功者の先輩がいると聞いているが、雷岳周辺山岳回折受信点9受信点8への伝搬路コース近傍にいるのだろうなという気がする。


受信点10
FEM表示画面受信風景
郷山前016DSC_1166

 受信点10県道203号沿いでは最後の受信点となる。ここもAKT秋田局がC/N=22dBでBERエラーフリーという好値で復調した。

AKT-10
【大森山−受信点10 伝搬路断面図】

 回折点は雷岳東の標高1064m地点。
 青森県側で最大の障害点は、県境の884m峰東方である。
 884m峰が障害となる為、藤崎町矢沢福富付近(水田地帯)から青森方でなければ雷岳東の回折点が見通ない。
 受信点10への伝搬路も、弘前市内でAKT秋田局受信の可能性が低い伝搬路ということだ。


受信点11
FEM表示画面受信風景
郷山前015DSC_1164

 受信点11は、吉野田と福舘を結ぶ農道沿いで実施予定だったが、秋田方に津軽横断道路の盛土が造成されているため、北西に伸びる農道へ折れ、距離を取って見通しを稼いでみたが、受信状況があまり良くない。

AKT-11
【大森山−受信点11 伝搬路断面図】

 回折点は雷岳東の標高1058m地点。
 青森県側で最大の障害点は、県境の884m峰東方である。
 藤崎町柏木堰南亀田付近(水田地帯)から青森方でなければ雷岳東の回折点が見通ない。
 受信点11への伝搬路も、弘前市内でAKT秋田局受信の可能性が低い伝搬路ということだ。
 福舘まで来れば見通しはある計算になるが、どうも良くない。


受信点12
FEM表示画面受信風景
郷山前014DSC_1160

 福舘と吉野田を結ぶ農道に戻って受信点12。ここも粘ったがワンセグ止まり。良くないのか……

AKT-12
【大森山−受信点12 伝搬路断面図】

 回折点は田代岳西の標高1069m地点。
 青森県側で最大の障害点は、884m峰の南東の尾根である。
 藤崎町西豊田2丁目付近(藤崎踏切近傍)から青森方でなければ田代岳西の回折点が見通ない。
 受信点12への伝搬路も、弘前市内でAKT秋田局受信の可能性が低い伝搬路ということだ。


受信点13
FEM表示画面受信風景
郷山前013DSC_1158

 郷山前の広大な水田地帯を東西に貫く農道に移って受信点13。久しぶりにC/N=25dBという高数値で復調

AKT-13
【大森山−受信点13 伝搬路断面図】

 回折点は田代岳西の標高1096m地点。
 青森県側で最大の障害点は、県境の884m峰東方である。
 弘前市東和徳町8付近から青森方でなら田代岳西の回折点が見通せる。
 無論、弘前都心部なのでビルも多く、東和徳町8の地上から田代岳西を望むのは困難だろうが、逆説的に言えば高ささえ稼げれば東和徳町より若干秋田方でも可能性があるということになる。
 受信点13への伝搬路は、弘前市内でAKT秋田局受信の可能性がある伝搬路ということだ。
 
 個人情報もあるので詳しくは書けないが、この伝搬路のすぐそばに実際にLS306TMHを秋田局に向けて設置している家があることも確認している。


受信点14
FEM表示画面受信風景
郷山前012DSC_1156

 郷山前の農道に移って勢いに乗れるかと思いきや、C/N=19dBと落ち込んだ。復調してるから良いのだけれど。

AKT-14
【大森山−受信点14 伝搬路断面図】

 回折点は田代岳西の標高1122m地点。
 青森県側で最大の障害点は、県境の884m峰東方である。
 弘前市東和徳町19付近から青森方でなら田代岳西の回折点が見通せる。
 受信点14への伝搬路も、弘前市内でAKT秋田局受信の可能性がある伝搬路ということだ。


受信点15
FEM表示画面受信風景
郷山前011DSC_1154

 受信点15受信点14より受信電力が3dB上がって、C/Nが25dBへと6dBも改善。これは良い。

AKT-15
【大森山−受信点15 伝搬路断面図】

 回折点は田代岳西の標高1149m地点。
 青森県側で最大の障害点は、県境の841m高地北西である。
 弘前市俵元2丁目3付近から青森方でなら田代岳西の回折点が見通せる。
 受信点15への伝搬路も、弘前市内でAKT秋田局受信の可能性がある伝搬路ということだ。


受信点16
FEM表示画面受信風景
郷山前010DSC_1151

 受信点16受信点15よりC/Nが下がったが、まあ復調はキープ中。

AKT-16
【大森山−受信点16 伝搬路断面図】

 回折点は田代岳山頂西の標高1168m地点。
 青森県側で最大の障害点は、県境の841m高地北西である。
 弘前市駅前町7-5付近から青森方でなら田代岳西の回折点が見通せる。
 イトーヨーカドー弘前店隣のビルまたはイトーヨーカドー弘前店の屋上なら、AKT秋田局が受信できる可能性がある。
 受信点16への伝搬路も、弘前市内でAKT秋田局受信の可能性がある伝搬路ということだ。


受信点17
FEM表示画面受信風景
郷山前009DSC_1145

 受信点17はC/Nが27dBまで伸びて復調キープ。とても安定している。

AKT-17
【大森山−受信点17 伝搬路断面図】

 というのは回折点はなんと田代岳山頂の標高1175m地点で、田代山神社のお宮である。
 青森県側で最大の障害点は、県境の841m峰からわずかに北西である。
 JR弘前駅から青森方でなら田代岳の回折点が見通せる。
 受信点17への伝搬路も、弘前市内でAKT秋田局受信の可能性がある伝搬路ということだ。

 田代岳、標高が高い分もあって、良い伝搬路を津軽側に切り拓いてくれるのだ。

烏帽子岳と田代岳の山岳回折伝搬シミュレーション
烏帽子岳田代岳
烏帽子岳 山岳回折推定電界強度 弘前中央田代岳 山岳回折推定電界強度(弘前城東)

 2020年12月から2021年1月にかけて制作した烏帽子岳田代岳の山岳回折伝搬路シミュレーション図。
 かなり大雑把な図ではあるが、烏帽子岳であれば樹木付近、田代岳なら弘前駅付近からという地形断面図の分析とも整合性はある。
 今見ると、半値幅の設定が緩かったのと、方位角度を小数点第一位までとしていたりと精度は落ちるが、ある程度の目安としては正しかったのかと思う。


受信点18
FEM表示画面受信風景
郷山前008DSC_1143

 田代岳は良いと思いきや、受信点18はC/Nが17dBと伸び悩む。復調キープは出来ているが、角度差0.04°でこんなに変わるか。

AKT-18
【大森山−受信点18 伝搬路断面図】

 回折点は田代岳山頂からわずかに東側の標高1171m地点。
 青森県側で最大の障害点は、県境の841m峰からわずかに東である。
 弘前市富田町78付近から青森方でなら田代岳の回折点が見通せるが、郷山前の成績を見ていると厳しいのかもしれない。


受信点19
FEM表示画面受信風景
郷山前007DSC_1141

 受信点19はまたC/Nが26dBまで伸びて復調。回折点の位置、ほとんど変わらないのに。

AKT-19
【大森山−受信点19 伝搬路断面図】

 回折点は田代岳山頂から東南東の標高1158m地点。
 青森県側で最大の障害点は、県境の841m峰からわずかに東である。
 弘前市表町、城東口駐車場付近から青森方で田代岳山頂が見通せるなら可能性はあるということになる。


受信点20
FEM表示画面受信風景
郷山前006DSC_1139

 受信点20もC/Nが26dBまで伸びて復調

AKT-20
【大森山−受信点20 伝搬路断面図】

 回折点は田代岳山頂から東南東の標高1129m地点。
 青森県側で最大の障害点は秋田県内に所在し、三ツ森の南西の890m高地である。これまで青森側で通せんぼをしてきた長慶峠の東西に広がる県境の峰から南方に下がって秋田県側に移った。
 弘前市北城東1丁目10付近から青森方で田代岳山頂が見通せるなら可能性はあるということになる。


受信点21
FEM表示画面受信風景
郷山前005DSC_1137

 受信点21は久しぶりにC/Nが29dBと大きく伸びて復調

AKT-21
【大森山−受信点21 伝搬路断面図】

 回折点は田代岳山頂から東南東の標高1129m地点で、池塘の広がる一帯の西部である。
 青森県側で最大の障害点は三ツ森の南西の893m高地である。
 田舎館村豊蒔南前田3の豊蒔農村公園付近から青森方で田代岳山頂が見通せるなら可能性はあるということになる。


受信点22
FEM表示画面受信風景
郷山前004DSC_1134

 受信点22はこんなに急激にC/Nが悪くなるかというくらい落ち込んで16dB。かろうじて復調キープである。

AKT-22
【大森山−受信点22 伝搬路断面図】

 回折点は田代岳山頂東の池塘地帯の西部の1117m地点。
 青森県側で最大の障害点は県境の841高地東南東である。
 住所的には藤崎町水木──久井名舘の南方の水田地帯付近から青森方で田代岳山頂が見通せるなら可能性はあるということになる。


受信点23
FEM表示画面受信風景
郷山前003DSC_1132

 受信点23はC/Nが10dBしかないワンセグ止まりの受信失敗。連勝ストップである。

AKT-23
【大森山−受信点23 伝搬路断面図】

 回折点は田代岳山頂東の池塘地帯の中央部の1117m地点。
 青森県側で最大の障害点は三ツ森北方の900m高地近傍である。
 「グイナのオヤグマギの家でやったばてマイネがった」という報告をしてくれた知人の久井名舘の親戚宅もこのルートになる。
 郷山前の水田地帯でも三ツ森北方900m高地が支障して田代岳山頂が見通せないため、山岳回折が2回以上の多重回折となり受信不可なのだ。
 さらに距離を取って吉野田の中岱まで逃げてもギリギリかわせるかどうか、微妙な山である。


受信点24
FEM表示画面受信風景
郷山前002DSC_1131

 受信点24三ツ森の餌食になってしまうのかと思いきや、C/Nが回復して17dB。何とか復調に持ち込んできた。

AKT-24
【大森山−受信点24 伝搬路断面図】

 回折点は田代岳山頂東の池塘地帯の中南部の1133m地点。
 青森県側で最大の障害点は県境の三ツ森山頂近傍である。
 藤崎町藤越東一本木付近から青森方で田代岳山頂が見通せるなら可能性はあるということになる。
 受信点22、23と回折点が平坦な池塘地帯で苦戦してきたが、受信点24は回折点の標高が少しだけ高く、何とか三ツ森を華麗にかわせる角度なのが受信点23との結果を分けた感じだろう。


受信点25
FEM表示画面受信風景
郷山前001DSC_1125

 いよいよラストの受信点25は、C/N=16dBでギリギリ復調に持ち込んで有終の美。

AKT-25
【大森山−受信点25 伝搬路断面図】

 回折点は田代岳山頂東の池塘地帯の東部の1138m地点。
 青森県側で最大の障害点は県境の三ツ森山頂である。
 藤崎町中島種元24付近から青森方で田代岳山頂が見通せるなら可能性はあるということになる。

SANGAKUKAISETSU FOR HIROSAKI
【Radio mobileで角度差0.01°レベルで山岳回折シミュレーションした図】

 そんなわけで、烏帽子岳茶臼岳といった受信成功ポイントが見つかる山から田代岳池塘地帯にかけての各山々を送信点とし、Radio mobileで角度差0.01°レベルで山岳回折のシミュレーションを実施してみたのである。
 黄色の線上で電界強度40dBμV/m以上黄緑色の線上で電界強度30dBμV/m以上ということで、黄色黄緑色の部分はAKT秋田局の受信に望みがある地域と言えるのではないかと思う。

AKT弘前市内1
AKT秋田局の弘前市内の推定受信電界強度図】

 実際にGoogle earthで弘前市の地図に重ねると上図のような感じ。
 繰り返しになるが黄色の線上で電界強度40dBμV/m以上黄緑色の線上で電界強度30dBμV/m以上である。

 樹木から藤田記念公園付近、弘前城天守、ニッカウヰスキー弘前工場などを経由して北東方向に伸びる黄色の線烏帽子岳による山岳回折波のラインである。
 そのラインの西側に、当ブログでAKT秋田局受信可能地点として確認されている藤野1丁目のやちなか橋があり、Radio mobileでのシミュレーションでは電界強度30dBμV/m以上の黄緑色である。2022年10月の実測値では38.0dBμV/mだから、色の判定は合っている。

 東にずれて雷岳周辺の峰になると、青森方に聳える長慶峠周辺の県境の尾根が支障するため、ほとんど望めない。

 市街地中心の不感地帯を東進し、JR弘前駅付近の駅前町や東和徳などからも北東に伸びる黄色の線黄緑色の線がまた出てくる。言うまでもなく田代岳の山岳回折のラインである。
 堅田4丁目付近、撫牛子2丁目付近、撫牛子4丁目付近などにも電界強度40dBμV/m以上の黄色の地点があるようだ。
 当ブログでAKT秋田局受信可能地点として確認されている大久保の受信点も黄色で、2022年5月の実測値では43.0dBμV/mだから、色の判定は合っている。

 ただ、さらに東にずれて城東方面にいくと、回折点がなだらかな田代岳池塘地帯であり、支障点として三ツ森の存在感も出てくるため、望みが薄くなるようだ。
 
郷山前・常海橋 AKT秋田局受信データ(2023/10/12)
受信点秋田局から回折点電界強度
(dBμV/m)
C/N
(dB)
地名受信高
(m)
方角
(°)
距離
(km)
山名
(link)
標高
(m)
115.117.39123.32烏帽子岳西南西110548.032
216.417.55122.72烏帽子岳北東105147.031
316.717.69122.69雷岳西102034.014
416.417.76122.66雷岳西103139.018
516.117.85122.70雷岳西107438.017
616.617.90122.71雷岳山頂西111842.022
716.217.95122.72雷岳山頂112741.017
816.218.02122.77雷岳山頂南南東112646.026
916.318.08122.78雷岳南東108547.030
1016.318.13122.78雷岳東106441.022
1117.018.17123.07雷岳東105928.09
1217.018.22123.11田代岳西106937.014
1317.318.28123.24田代岳西109646.025
1417.918.33123.23田代岳西112241.019
1517.918.37123.26田代岳西114944.025
1618.118.43123.27田代岳山頂西116841.019
1718.118.49123.28田代岳山頂117846.027
1818.418.53123.30田代岳山頂南東117140.017
1918.218.57123.30田代岳山頂東南東115846.026
2018.718.62123.31田代岳東南東112946.026
2118.818.67123.32田代岳池塘西部111647.029
2219.018.72123.33田代岳池塘西部111740.016
2319.418.76123.34田代岳池塘中央部112534.010
2419.818.81123.32田代岳池塘中央部113337.017
2519.518.85123.28田代岳池塘東部113838.016

 各受信点での実測結果は上表の通りとなる。
 弘前市街地でのAKT秋田局の遠距離受信の参考になれば幸いである。
 無論、郷山前で上手くいっても、都市ノイズも多い弘前市街地でも成功するとは限らない。
 秋田方に高いビルなどがあって山が見えなければ可能性が低いのは言うまでもない。

 弘前市街地でのAKT秋田局受信を保証は出来ないが、弘前市街地でAKT秋田局受信が絶対に無理だと諦めるような条件ではないということはお伝えしたい。
 
 浪岡の郷山前や板柳の常海橋に到達しているAKT秋田局の電波は、間違いなく弘前市街地上空を通ってきているのである。 

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