■キー局をフジテレビからTBSに変えた「重大な決意」の謎
青森テレビ(ATV)は1969(昭和44)年に開局した青森県のTBS系列局である。青森県にはフジテレビ系列局がないこともあり、現在でも平日の昼間や土日となればATVが数日から数か月遅れのフジテレビの番組を放送することも少なくない。
このATV、開局準備段階ではフジテレビ系加盟方針だったことは知る人ぞ知る事実であろうか。
同社が1978(昭和53)年に発行した社史・「青森テレビ十年の歩み」や、当ブログで時々紹介する小山内豊彦著「眠れるメディア“テレビ”─青森から考える地域密着チャンネル」(1997年、北の街社)でも触れられていることであり、開局直前の1969(昭和44)年10月1日に当時の中村菊三専務が全社員に「重大な決意」を表明し、NET(日本教育テレビ、今のテレビ朝日)を一部加えた「TBS系主体」のネットをすると決定したとされる。
| ATVの開局前後のできごと | |
| 時期 | できごと |
| 1968(昭和43)年 11月1日 | 郵政省がATVに予備免許交付。この時点の方針は東京放送(TBS)中心。 |
| 11月3日 | 北海道で全国初のUHF局として北海道テレビ放送(HTB)開局。 |
| 直後(詳細時期不明) | 「フジテレビからの働きかけがあってフジテレビネットの線が濃厚に」なる。 |
| 1969(昭和44)年 1月 | フジテレビ系の方針で開局の年を迎える。 |
| 4月28日 | 馬ノ神山送信所着工。 |
| 9月1日 | 事務部門社員の先行局研修開始。 中心社員3名は札幌の北海道放送(HBC)、札幌テレビ放送(STV)、HTBで研修。 技術社員10名は東京のフジテレビで研修。 |
| 9月7日 | アナウンサー、編成・業務系社員が研修でフジテレビへ。 |
| 詳細時期不明 | 東京支社員が研修で関西テレビ(KTV)東京支社へ。 |
| 9月中旬 (詳細時期不明) | フジテレビで研修中の社員が静岡のテレビ静岡(SUT)を見学。 |
| 9月12日 | 馬ノ神山で工事作業車が50mの谷底に転落。 |
| 9月18日 | フジテレビで研修中の社員が帰青。 |
| 9月20日 | 「親局問題が再燃」。取締役会開催の通知。 |
| 9月22日 | 定例取締役会。フジテレビとの協定は白紙に戻す。 |
| 9月23日 | TBS副部長が来社。 |
| 9月24日 | TBS新井技術局次長が来社。 |
| 10月1日 | 中村菊三専務が全社員に「重大な決意」を発表。 TBS：NETの比率を7:3とする「TBS主体の番組編成」のネット方針を決定。 |
| 10月1日(上同日) | 秋田県で秋田テレビ(AKT)が開局し、宮城以外の東北5県で最初の民放2局化。 |
| 12月1日 | 青森県でATV開局。 |
| (上同日) | 岩手県でテレビ岩手(TVI)が開局。 |
| 1970(昭和45)年 4月1日 | 福島県で福島中央テレビ(FCT)が開局。 山形県で山形テレビ(YTS)が開局。 |
| 10月1日 | 宮城県で宮城テレビ放送(MTB、現MMT)が開局。 |
| 1972(昭和47)年 1月14日 | 北海道で北海道文化放送(UHB)が開局(サービス放送)。北日本最速の民放4局化。 |
ATV(1978)「青森テレビ十年の歩み」によれば一本化前の1967(昭和42)年時点で7社が免許競願状態にあり、その中には毎日新聞系の青森毎日テレビと朝日新聞系の青森朝日テレビ、産経新聞系の青森産経テレビもあったという。
青森産経テレビの詳しい情報はないが、発起人の白鳥大八は全国稲門会青森県支部の代表を務めたことがあり、この時のフジテレビ社長・鹿内信隆とは早稲田大卒業生同士という関係性は少なくともある。それ以上はわからないが、境政郎が2020(令和2)年に発行した「そして、フジネットワークは生まれた」(扶桑社)によれば、鹿内信隆にとって「UHFを親局電波として開放させ、全国に新局を作り、ネットを拡充したいとする」ことは悲願だったという。
青森県にATVが誕生したように、1968(昭和43)〜1970(昭和45)にかけては秋田、岩手、山形、福島でも民放2局目が誕生している。現在では他系列になってしまった局もあるし、当初はクロスネットで複数のキー局を持っていた事情もあるものの、開局した時点ではAKT、YTS、FCTの3社がフジテレビ系に加盟となることを選んでおり(福島中央テレビが1980(昭和55)年に発行した「燃えろFCT PART�供�によればNETとフジテレビのネット比率は6:4だったということで、どちらかといえばFCTはNET系寄りで開局したと言える)、全国にUHF新局をつくってフジテレビ系列ネットワークを拡大したかった鹿内信隆の野望はある程度、実現したことになる。
もしATVもフジテレビ系に加盟していれば、北海道出身の鹿内信隆にとっては父祖の地・青森県にもフジテレビ系列局を持ったかもしれなかった訳だが、ATVがTBS系に方針転換した理由は「重大な決意」以外に説明がなく不明である。
■「田澤吉郎がフジの右寄りな報道姿勢を嫌った」説は根拠不明
インターネットで検索をかけると時折見かけるのが、田澤吉郎原因説である。
現在でも見かけることができるものをざっと引用すると「当時のATV青森テレビ社長だった故・田澤吉郎氏がフジの右寄りな報道姿勢を毛嫌い」とか、「当時ATV会長として迎えられた自民党議員の田沢吉郎という人が、フジ系列の保守的な報道姿勢を嫌った」とか「田沢はフジテレビとその実質子会社産業経済新聞社(産経新聞社)の「正論路線」と呼ばれる極めて右寄りの報道姿勢を嫌って」というものがある。いちいちリンクを貼ろうとも思わないが、「田澤吉郎 ATV」でGoogle検索すれば色々出てくる。くれぐれもコピペして検索しないように。
また、2025年3月1日時点では現在は消えているが、一時はWikipediaにも田澤吉郎がフジテレビの極めて右寄りの報道姿勢を嫌っていたという趣旨のことが書かれていたほどである。
しかし田澤吉郎がフジテレビの右寄りを嫌っていたという文献が見つからない。
田澤吉郎が鹿内信隆を嫌っていたかもしれないとも考えたが、そうした内容を示唆する文献も見つからない。むしろ、鈴田敦之が1985(昭和60)年に発行した「経済界人脈交流図 人脈・金脈はこうしてつかめ! 改訂版」(ロングセラーズ)の51頁のイラストなど、西武グループの堤義明を通じて鹿内と田澤には人脈があったらしいことを示唆する資料は出てくる。堤が鹿内や田澤と交友関係があったからといって、鹿内と田澤も友好的だったとは言い切れないが、鹿内と田澤も早稲田大学政治経済学部の先輩後輩の関係である。
田澤吉郎は自由民主党所属で、中選挙区制時代の1960(昭和35)年に旧青森県第2区で衆議院議員選挙に初当選。1996(平成8)年に落選するまで国会議員を36年務めた。自民党では宏池会に所属し、いわゆる“保守本流”の人である。宏池会にハト派の印象はあり、強硬な右寄りのタカ派とは一線を画す感は否めない。
しかし、田澤吉郎にはATV会長時代の1974(昭和49)年に右派のタカ派のような一面を見せた出来事がある。左右二元論的な話になってしまうのも嫌だが、左派の総評や日教組などによって構成された国民文化会議が発行していた雑誌「国民文化170号」に掲載された「はねかえされた自衛隊宣伝番組─ミミの体当たりレポート─」を紹介したい。
ミミとは、東京オリンピック1964に水泳で出場した木原美知子のことである。木原美知子はアイドル的な人気があり、藤子・F・不二雄監修で1980(昭和55)年に発行された「新ドラえもんオール全百科」(小学館コロタン文庫)にも「水泳選手の毛原ミチ子さん！」とパロディキャラが出てくるほど人気があった。
「ミミの体当たりレポート」は、木原美知子が自衛隊に体験入隊するという防衛庁の広報番組であり、広告代理店の大広が受注・制作したという。
同記事は左派の国民文化会議の書いた文章であるから、「これ以上はっきりしようのないほど露骨な自衛隊宣伝番組である」というこれまた露骨な文章で始まるわけだが、「ミミの体当たりレポート」はある理由で放送局側から放送を断られてしまう。
ある理由とは、前年1973(昭和48)年にフジテレビで放送した自衛隊PR番組「祭りをつくる人びと」にあり、国民文化会議によれば「口をかけられたテレビ局はつぎつぎに断わってきた。まず東京のキイ局が全部ダメ。いちばんアテにしていたフジテレビからも『去年“祭りをつくる人びと”(同じ自衛隊PR番組で全国的に放送反対運動が起った)でひどい目にあったから……』と断わってきた。フジ系列のローカル局(筆者注：フジ系のVHF局)もこれに右へならえして、大広をろうばいさせた。」といい、要はフジテレビをしても自衛隊反対の左派のクレームが酷いため放送できないと判断されてしまったわけだ。
フジサンケイグループで右寄りの「正論路線」を推し進めていた鹿内信隆が率いるフジテレビでさえNGを出した「ミミの体当りレポート」に、OKを出したのがATV会長の田澤吉郎である。
国民文化会議に言わせれば「いずれも開局して間がなく、経営状態がV局ほどよくないためカネで釣りやすい」状態にあったUHF局17局が「ミミの体当りレポート」にOKを出したという。ATVはその1局かと思いきや、凄い。
放送決定直後に自衛隊は違憲だという長沼ナイキ訴訟判決(一審：札幌地裁)があり、ATV以外の16局はNGに転向してしまうのだ。国民文化会議の資料から、主だった局の意向をまとめてみよう。
| 防衛庁広報番組「ミミの体当りレポート」放送各局の意向 | ||
| 放送局 | 放送意向 | 判断理由 |
| フジテレビ | NG | 去年「祭りをつくる人びと」(自衛隊PR番組)でひどい目にあったから。 |
| 青森テレビ | OK | 「よその局がどうでも、わが社はやると言ったらやる」とひたすらこわもての態度に終始した。 |
| 秋田テレビ | OK→NG | 長沼判決が出たのであわててやめた。 |
| 宮城テレビ | OK→NG | 県評、平和委、マスコミ共闘など二十数名が抗議に来た。 |
| 山形テレビ | OK→NG | 放送を強行してトラブルにまきこまれるのはいやだから。 |
| 群馬テレビ | OK→NG | 早い段階で放送中止決める。 |
| 千葉テレビ | OK→NG | 地区労、高教組、原水協が局に放送中止申し入れ。「社運を賭してやる番組ではない」と放送中止を決めた。 |
| テレビ山梨 | OK→NG | 社会党、総評が局に文書で抗議。 |
| 福井テレビ | OK→NG | 政党、県評、マスコミ共闘、県教組などがビラまきを繰り返し40人の抗議団が来る。 |
| 岐阜放送 | OK→NG | 抗議団体の結成を察知し放送中止。 |
| 三重テレビ | OK→NG | 憲法会議、新婦人など抗議。長沼判決以後、賛否両論沸騰のため中止。 |
| びわ湖放送 | OK→NG | 憲法会議、平和委などの抗議に中止したと回答。 |
| 奈良テレビ | OK→NG | 抗議を続けていた平和委に中止を通告。 |
| 岡山放送 | OK→NG | 長沼判決検討の結果と、他局が反対運動に悩まされたことを聞いたから。 |
| テレビ熊本 | OK→NG | 最後まで「断固やる」姿勢を崩さなかったが、県評大会で抗議決議が採択され、粘り強い抗議活動の結果、放送直前でついに断念。 |
| テレビ大分 | OK→NG | 大分放送労組の抗議団交に、番組編成基準に照らし中止と回答。 |
| テレビ宮崎 | OK→NG | 県評とマスコミ共闘などの放送中止申し入れに「番組表に入っておりません」と回答。 |
ATV、強すぎる。
ATVにも青森放送労組、マスコミ共闘、県教組、高教組が抗議に訪れたというが、国民文化会議をして「田沢先生、孤塁を守る？」と、疑問符付きながらも田澤吉郎に負けたことを認めている。
国民文化会議はATVが放送を実施した翌日1974(昭和49)年11月14日の朝日新聞青森版の記事を転載しており、以下に引用する。
「元県警警備部長の経験を生かした石田徳蔵常務が陣頭指揮。正面入り口にヤグラのようなバリケードをいくつかならべ、社員で組織した“自警団”が五、六人一団となってライト片手に見回りをつづけた。また、“不法侵入者”にそなえてか、警告用のハンドマイクや証拠写真用にカメラまで用意された。
報道制作局長のデスクのうしろの壁には『緊急連絡先』の一覧表がはられ、青森署の副署長卓上の電話番号が赤で書かれ、その上に『緊急の際は一一〇番』。
三日は朝から、県警本部警備課の私服警官が局内にはいり、青森署も同社からの要請にこたえ、警備部隊を編成、覆面パトカーが局の周りを重点的に警戒した。
これについて同社側では「万一の事態にそなえるのは当然。ヤグラはよその車などが間違ってはいってはいらないためで、マイクなどは見学にきた人を誘導するためのもの。カメラは商売上たくさんあり、たまたまそこに置いてあったのでしょう」と“厳重警戒”を否定するが、このような事態を同社がとったのは一回目と今回の放映前日の金曜日と、土曜日だけに限られている。」
報道制作局長のデスクのうしろの壁には『緊急連絡先』の一覧表がはられ、青森署の副署長卓上の電話番号が赤で書かれ、その上に『緊急の際は一一〇番』。
三日は朝から、県警本部警備課の私服警官が局内にはいり、青森署も同社からの要請にこたえ、警備部隊を編成、覆面パトカーが局の周りを重点的に警戒した。
これについて同社側では「万一の事態にそなえるのは当然。ヤグラはよその車などが間違ってはいってはいらないためで、マイクなどは見学にきた人を誘導するためのもの。カメラは商売上たくさんあり、たまたまそこに置いてあったのでしょう」と“厳重警戒”を否定するが、このような事態を同社がとったのは一回目と今回の放映前日の金曜日と、土曜日だけに限られている。」
なんだかもう守勢のATVの石田徳蔵常務(元青森県警警備部長)あたり、ヤグラを組むとかマイクやカメラを用意するとか、警備畑の警官の血が騒いでノリノリだったのではないかという気さえ覚えてしまう。攻め込めるもんなら攻めてみろ、くらいだったのではないか。“カメラは商売上たくさんあり、たまたまそこに置いてあった”なんて、たまらん。。
フジテレビ・鹿内信隆の血に流れる津軽人の気質が「えふり」「あるふり」「おべだふり」なら(拙稿参照)、田澤吉郎が持っていた津軽人の気質は「じょっぱり」だったのか。鹿内信隆のフジテレビは放送を中止してしまったが、田澤吉郎が率いたATVは左派の要求を蹴散らしたのだ。
田澤吉郎が右寄りを嫌っていたなんて、とても信じられないではないか。
キー局のフジテレビと青森で開局したばかりのATVの経済的事情の違いは否めないが、田澤吉郎は鹿内信隆よりもよっぽど筋の通った保守本流の人という気がする。
■先発局・RABも開局直前にキー局変更
当ブログで過去に公開した記事で記載した通りだが、青森県で最初に開局した民放テレビ局の青森放送(RAB)も開局直前にキー局を変える決断をしている。
RABが1980(昭和55)年に発行した社史「青森放送二十五年史」によれば、「KRT(筆者注：TBSのこと)番組のネット関係収入については足立ラジオ東京社長と当社担当幹部との会談で、概要の方向を合意していたにもかかわらず、スタート直前に示されたKRTの案が概要合意案と相違し、当社の予定より月額約一，〇〇〇万円も少なかったためである。当時の月額一，〇〇〇万円といえば、地方局のテレビ第一陣としてスタートした局の月額に相当し、当社の浮沈にかかわる額であった。これでは契約できないと、竹内社長は病後の身を押して鹿倉専務らラジオ東京幹部と直接折衝にあたったが、なお交渉せず物別れとなった。」という。
このあとRABの竹内俊吉社長は衆議院議員同士の仲でもあった日本テレビ放送網(NTV)の正力松太郎社長と会談し、正力松太郎は「ラジオ青森のことは引き受けるから」とRABのNTV系列加盟を歓迎する。
「青森放送二十五年史」はこの出来事を「正力社長のこの英断」と激賞し、事情を知らぬ中央紙から「ラジオ青森急転回」、「寝返り事件」と叩かれたことも記録しつつ、「背に腹はかえられぬ決断であった」と結んでいる。
ATVがキー局をフジテレビからTBSに変更する決断は開局2ヵ月前の出来事である。
1969(昭和44)年9月18日にフジテレビから研修社員が帰ってきて、そのわずか4日後の9月22日に白紙撤回を決めたATVの急転劇も凄いが、RABはサービス放送中の1959(昭和34)年9月20日からTBS系のマイクロ回線を受けながら9月25日にNTV系のマイクロ回線に切り替え、その6日後の10月1日に晴れて正式に開局しているわけで、風雲急を告げる速度はRABが上回っている。
さて、RABの開局直前のキー局変更の理由はネット保証料金問題だとわかったが、社史「青森テレビ十年のあゆみ」に「重大な決意」としか書いていないATVの理由は何だろうか。
■著書でFNSのネット政策への不安を示唆した中村菊三
田澤吉郎が「ミミの体当りレポート」の孤塁を守った1974(昭和49)年、ATVの専務時代の中村菊三が「私の政局談義 上巻」を発行した。
タイトル通り政局や、青森県の歴史に絡む話が多いが、ATVの経営について語る章もあり、同書から「創業三周年の体験を通して」を紹介する。なお、同章はATVが発行していた「ATVホームニュース」の1972(昭和47)年5月15日発行分と同じ内容である。
「創業三周年の体験を通して
我社も創業を始めてもう三ヵ年の歳月を経過している。(中略)
さて昭和四十四年十一月に免許されたUHF局三五社に付いて比見するところに依れば、完全自立体制の領域に仕上げたローカル局は約半数である。そしてV局並みに業績の発展と拡大の途上にあって飛躍的な記録を示しているのは全国を通じて七つある。その七つの中に我がATVも入っている。しかもその上部に位置している。(中略)如何にATVは全県民諸氏の支援とキーステーション、並びに全国各界のスポンサーの支持を得ているかを、これに依って如実に証明するものである。(中略)
さて民放の生命線である営業政策にも最近変化が生じている。大体今迄のキー局対系列局との間に一つの掟があって、その慣習によって両者間の関係が保たれていた。即ち販売担当局(キー局)と販売委託局(系列局)との一連の総括販売契約の取決めである。出来高の如何に関わらず一定の料金を取り決めてキー局がそれだけの金額を保証するというもので、所謂保証制度である。これは日本テレビに於いて実施した慣習であるが、昨年からこの条件も若干訂正したようである。別のキー局では代理店又はスポンサーによる料金配分の方式であるが、これは電波料の個別交渉ということになるが、何れにせよスポンサーと代理店の手に依って配分されることになるので、順序から言えば一番公正な基本的制度といえる訳であるが、新局は時によって力関係で不利を蒙る場合がある。又別な方法としてはキー局の一括集約配分方式である。これは現にフジテレビがやっている方法であるが、販売実績の出来高に依る配分方法である。キー局とローカル局との配分比率を決めるのに先ず経済的交渉の段階で大変な苦労がいる。万一これに失敗すれば折角にして編成した系列局の分裂離散という事態の発生が生ずる危険がある。何れにせよ、面倒な問題ばかり山積している。(以下略)」
我社も創業を始めてもう三ヵ年の歳月を経過している。(中略)
さて昭和四十四年十一月に免許されたUHF局三五社に付いて比見するところに依れば、完全自立体制の領域に仕上げたローカル局は約半数である。そしてV局並みに業績の発展と拡大の途上にあって飛躍的な記録を示しているのは全国を通じて七つある。その七つの中に我がATVも入っている。しかもその上部に位置している。(中略)如何にATVは全県民諸氏の支援とキーステーション、並びに全国各界のスポンサーの支持を得ているかを、これに依って如実に証明するものである。(中略)
さて民放の生命線である営業政策にも最近変化が生じている。大体今迄のキー局対系列局との間に一つの掟があって、その慣習によって両者間の関係が保たれていた。即ち販売担当局(キー局)と販売委託局(系列局)との一連の総括販売契約の取決めである。出来高の如何に関わらず一定の料金を取り決めてキー局がそれだけの金額を保証するというもので、所謂保証制度である。これは日本テレビに於いて実施した慣習であるが、昨年からこの条件も若干訂正したようである。別のキー局では代理店又はスポンサーによる料金配分の方式であるが、これは電波料の個別交渉ということになるが、何れにせよスポンサーと代理店の手に依って配分されることになるので、順序から言えば一番公正な基本的制度といえる訳であるが、新局は時によって力関係で不利を蒙る場合がある。又別な方法としてはキー局の一括集約配分方式である。これは現にフジテレビがやっている方法であるが、販売実績の出来高に依る配分方法である。キー局とローカル局との配分比率を決めるのに先ず経済的交渉の段階で大変な苦労がいる。万一これに失敗すれば折角にして編成した系列局の分裂離散という事態の発生が生ずる危険がある。何れにせよ、面倒な問題ばかり山積している。(以下略)」
中村菊三はフジテレビ(FNS)のネット政策方針である一括集約配分方式を問題ばかり山積していると批判的に述べていた。
要約すると、最初に系列局の取り分の比率の難交渉があり、さらにフジテレビの売上の出来高によって売り上げも変動するというものであるから、フジテレビの業績が落ちればネット収入も下がるというものである。その点、保証制度のあるキー局の方が系列局にとっては有利だというわけである。
「青森テレビ十年のあゆみ」には1974(昭和49)年12月1日に武井正直日本銀行青森支店長、後藤栄一郎青森県商工会議所連合会長、中村菊三ATV社長によって行われた座談会「開局五周年で躍進」の記録が収録されているが、この中で中村菊三は「現在、東京にはTBS、NTV、フジ、NET、12チャンネルとキー局がありまして、TBS、NTV、それにフジとNETがほぼ同じ、この順に番組がいいと言われています。(中略)娯楽面で他のNTVとかフジ、NETがちょっと落ちるというのが一般的な観測ですね。」と話し、TBSよりフジテレビが劣ると評価していたことがわかる。
TBSより番組内容的に劣るうえ、フジテレビの業績が落ちればネット収入も下がるフジテレビ系列には入れない、という評価だったのだろう。
この座談会、中村菊三はTBS系で業績もよいことを満足げに語っているが、日銀青森支店長の武井正直は「チャンネルが二つ(ATV、RAB)しかない事の方が、むしろ寂しさを感ずることになりますね。中央紙の夕刊が来ないのと同じように情報面でおくれているのではないかと思うのです。」と遠慮なく怜悧な指摘をしているのも興味深い。
武井正直は1950(昭和25)年に慶應義塾大学卒業後、日銀考査局に長く勤め、青森支店長ののち日銀考査局次長で退官。1978(昭和53)年には専務として北洋銀行(札幌市)に入り、1997(平成9)年の北海道拓殖銀行破綻時の北洋銀行頭取だった人である。東京や札幌で暮らした武井にとって、日銀青森支店時代の生活がもっとも民放チャンネル数が少なかったことになる。
開局時点のATVが、今後青森県でも北海道のように放送局が増えるかもしれないと考えていたかは定かではないが、将来放送局が増えるならば、番組内容でもネット収入でも有利な系列──すなわちTBS系列を先に選んでしまいたい思惑があっても不思議ではない。
■中村菊三が避けたFNSの「一括集約配分方式」とは
ATVの専務から社長となった中村菊三が指摘した一括集約配分方式を、当のフジテレビ側の資料である境政郎(2020)「そして、フジネットワークは生まれた」からもみておきたい。
境政郎(2020)には一括集約配分方式という用語は出現しないことから、フジテレビおよび系列組織のフジネットワークシステム(FNS)では使用しない用語なのかもしれない。
境政郎(2020)によればFNSの事務局が立ち上がったのは1969(昭和44)年4月だというが、「昭和四四年の年頭の段階で、この年UHFの一次免許局が続々開局されることを想定して、社の第一目標は『系列各社の総力で最強のネットワークを作り上げよう』とした」という。FNS公式WEBサイトの沿革でも「FNS（フジネットワークシステム）正式発足」は1969(昭和44)年だといい、いずれにせよATVの開局の時にはFNSが成立していた。
しかしフジテレビにネットワーク局が新設されたのは1971(昭和46)年5月であり、KTV、東海テレビ放送(THK)、テレビ西日本(TNC)と協議の上で「『FNSの精神』としてネットワーク運営方針」を規定したのは1972(昭和47)年8月となる。
よって、ATV開局時点ではまだ正式に策定されてはいないことに留意が必要であるが、FNSの運営方針は下記四点が柱になる。
１．共存共栄の運命共同体の精神
２．一括料金体制の維持
３．各社相互の立場の尊重
４．合意の精神の順守
２．一括料金体制の維持
３．各社相互の立場の尊重
４．合意の精神の順守
FNS側の用語では一括料金体制ということになる。
境政郎(2020)をして「1、3、4は精神的な意味合いが強いが2については極めて具体的」と表現した上で、「一括料金体制というのは特定時間に関し、キー局がすべての系列局の分をまとめて販売し、それぞれの局の放送料金決定に関してはフジテレビ、東海テレビ、関西テレビ、テレビ西日本の常任理事社の合意のもとに決定された配分比を以て行う体制をいう」と述べている。
境政郎(2020)は「UHF局は後発であり、販売経験も浅いのでこの方式は時宜にかなっていた。」と一括料金体制を肯定的に評価するが、東名阪福4社の常任理事社の合意で配分比(分子)が決まり、分母となるキー局のフジテレビの売上によってネット収入が変わることを、ATVの中村菊三のように否定的に捉える見方もあったわけである。
中村菊三(1974)「私の政局談義 上巻」には当時のRAB社長の小沼靖も「凄味の利いた勝負師の風格」と題して寄稿しているが、その中で「ちょうど二十年前にRABが生れた時から私と放送事業のことで語り合ったし、RABの株主さんの一人として、よく決算総会にきていただいた。私は青森県に民放第二波が許されれば必ず中菊さんが牛耳るだろうと予測していた」といい、ATV開局前から中村菊三はRABの株主として放送局経営に相当精通していたのであろう。
FNS側としてはATVも経験の浅い後発UHF局の一つだと見ていたのだろうが、中村菊三は一括料金体制の問題を看破していたのかもしれない。
■青森確保に執念を燃やしたTBS
ATVがFNS加盟を袖にした理由は一括料金体制への懸念だけではなく、TBS側からの熱心な勧誘もあったらしい。
前述のRABテレビ開局直前のNTV系加盟を、恨んでいたか定かではないがTBSもかなりの衝撃で受け止めていたらしく、青木貞伸(1981)「日本の民放ネットワーク JNNの軌跡」もわざわざ1ページ近く割いて書いていて、どうも不快そうである。
青木貞伸(1981)の著書からTBS側の言い分も聞いてみると、「ラジオ東京常務だった今道順三氏(故人)は青森放送側の『ラジオ東京では、どの程度の営業数字を保証してくれるのか』という要請に対して、『うちでは番組面での協力はするが、売上げの保証をするようなことはしない。これ以上、あなたたちはラジオ東京に何を期待しようというのですか』という表現を使っていた──と当時の関係者は証言している。」といい、まるでRABがTBSにたかってきたとでも言いたそうな書きぶりであり、逆に概要合意案から月額で1000万円も少ない額でRABを手懐けようとした話は一切ない。
青木貞伸(1981)もTBSに都合の悪い話は書きたくなかったのだろうと思われるが、もう少しでTBS系が持てるはずの青森の拠点を失う羽目になったRABへの恨み節は書かずにいられなかったのだろう。
青木貞伸(1981)はATVのJNN加盟については153〜157の5ページも割いていて、青森に系列局を置けたことがよほど嬉しかったのだろうか。同書によれば、予備免許交付時点でTBS系中心としていたATVがフジテレビ系に傾いた理由は、フジテレビから「強力な営業保証政策を提示」されたためだというが、ATVがTBS系(JNN)の方針に戻った理由については同書にも言及がない。
青木貞伸(1981)は、ATVがJNNに加盟したことは報道部門での意義が大きいと指摘している。
もともとATVはTBS：NETの比率を7:3とする方針で開局したが、中村菊三には「とにかく番組を強くしたかった」という考えがあり、1975(昭和50)の東阪腸捻転解消を好機とANN脱退をNETに通告したという。青森の報道拠点を失うことになるNETは当然巻き返しに出て、ATVとの激しいやり取りが続き、「青森市内では怪文書が乱れ飛ぶほどの騒ぎになった」という。
交渉決裂の末、ATVの1975(昭和50)年4月改変作業が終わった同年2月中旬に、NETは報道以外の番組も含め全面引き上げの通告を行う。NETの報復措置で本来ならATVが大混乱になる局面だが、直ちにTBSが全面的にバックアップを行った結果、ATVはわずか1週間でNET番組が抜けた穴をカバーする改変を完了したという。
青木貞伸(1981)は文章の締めに「本州最北端の要衝であると同時に北海道への表玄関でもある青森県を守備範囲としているだけに、ニュース・ネットワークの見地からみてもJNN二五局目としての同局の参加は、メリットが大きい」と書き、1974(昭和49)年の原子力船「むつ」に関する報道での活躍を例に挙げATVを称賛している。
TBS・JNNサイドとしては報道拠点を是が非でも青森に置きたいという強い思いがあり、対フジテレビや対NETへの切り崩しを水面下で行っていた──つまりATVを口説き続けたということであり、NETが報復に動くことも織り込み済みであったのだろう。
■RABに順風を吹かせることになったATVのTBS系選択
HBCの青森県での足跡を追う回で書いたが、青森県で最初に視聴された民放テレビ局は1958(昭和33)年12月に開局した北海道放送(HBC)函館局であり、HBCも道南・青森地区での受像調査を実施するなど青森進出を図ろうとしていたのは既報の通りである。
HBCは青森市周辺では映像が鮮明でないことから「雨降りテレビ」と呼ばれながらも、TBS系だったためNTV系のRABとは番組の住み分けもあり、青森県側にもHBCの視聴者が存在した。
北から青森に攻め込んだTBS系の電波がHBC函館局なら、南から攻め込んだのは岩手放送(IBC)福岡局(現：アイビーシー岩手放送二戸局)である。
詳しくは別の機会で取り上げる予定があるので書かないが、折爪岳に置くIBC福岡局の免許をめぐってはRABとの間に相当の禍根が残ることになり、1980(昭和55)年の「青森放送二十五年史」に「折爪問題」という章があるほどである。今日、八戸市どころか下北半島のむつ市まで電波が届いているような状態の岩手めんこいテレビ(MIT)二戸局の状況を知っていると、先入観があって理解が難しい一節が「折爪問題」の文末にある。
「いろいろと後日まで尾を引く結果となり、騒動は本県にUの新局が誕生した四十四年まで継続したのである。」
他でもなくUの新局とはATVのことである。RABは1969(昭和44)年のATV開局によってIBCの折爪問題に区切りがついたというのである。終わったってどういうことだ？
折爪岳にはマイクロ回線網発達前の超短波多重無線電話回線時代に電電公社折爪無線中継所があり、札幌方の対向局は下北半島の釜臥山にある釜臥無線中継所だった。下北まで届く絶好の送信条件で放送するのだから、八戸市でのIBC福岡局の受信状況は非常に良好であったのは言うまでもない。雨降りテレビだと揶揄されたHBCでも青森側にインパクトがあったのだから、RABにとってIBC福岡局は相当に縄張りを荒らす存在であった。
それがATVがTBS系として開局したことで、RABとは異なるTBSの番組を流すIBC福岡局の訴求力を大きく削ぎ落す効果に繋がったということである。
八戸におけるRABの敵がIBCかATVかの違いしかないようにも見えるかもしれないが、RABの設立母体は東奥日報社であり、東奥日報社はATVにも出資している。
TBS系の電波を武器に青森を草刈り場にしていた目の上のたんこぶのような道新・HBCや岩手日報・IBCを無力化させたとまでは言えないが、ATVのTBS系加盟は東奥・RAB陣営にとっては順風を吹かせることに繋がったのである。
もっとも、前述の通り1991(平成3)年にはMIT二戸局が誕生して、あらたな折爪問題として風がまた吹き始めるのであるが……。
■結局、開局時はTBS系の方がフジ系より有利だったのだろう
前出の中村菊三(1974)「私の政局談義 上巻」には1972(昭和47)年12月1日付の「ATVホームニュース」の内容も記録されているのだが、興味深い一文を紹介したい。
「幸い我がATVは東北では福島中央テレビと並んで首位」
これに加え、同書冒頭に寄せられているATV初代社長・横山實の寄稿でも「ATVは福島中央テレビと並び常に優位」と、開局直後からATVの業績では東北のUHF局では福島中央テレビ(FCT)と並ぶ首位にあったという。
| 1970(昭和45)年国勢調査の東北6県の人口 | ||
| 県名 | 人口 | 増減 |
| 青森県 | 1,427,520 | 10,929 |
| 岩手県 | 1,371,383 | −39,727 |
| 宮城県 | 1,819,223 | 66,097 |
| 秋田県 | 1,241,376 | −38,459 |
| 山形県 | 1,225,618 | −37,485 |
| 福島県 | 1,946,077 | −37,677 |
1972(昭和47)年時点で東北6県の民放UHF局は6局だが、6県の人口で最大となる福島県のFCTと、県人口3位の青森県のATVが首位争いする状況だったのである。先発VHF局が2局(東北放送(TBC)と仙台放送(OX))あって競争が3局化していた宮城や、人口下位3県(岩手、秋田、山形)の局に勝つのは当然にしても、ATVがFCTに並んでいたというのは特筆すべきことである。
またFCTは1972(昭和47)年にはフジテレビ系とのネットがなくなりNTV系への交換が完了しているが、前述の通り開局時はAKTやYTSと同じくフジテレビ系に加盟していて、NET系とのクロスネット局であった。
1970(昭和45)年の国勢調査の人口を当時の民放局数で割ると、福島県は民放1局あたりの県人口が97万人を超え東北6県で圧倒的な首位にあったが、民放1局あたりの県人口が71万人の青森県のATVが福島のFCTに並んで首位争いをしていたというのだ。
1970(昭和45)年当時はFCTもまだフジテレビ系とNET系のクロスネットであったが、もしATVが同じくフジテレビ系とNET系クロスネットで開局していても福島と同格のネット収入額を得られたとは考えにくいだろう。
さすがに福島と青森では県人口で52万、1局あたり人口で26万も違うのである。福島中央テレビが1970(昭和45)年に発行した「燃えろFCT」には「いま福島県は“みちのく”から“首都圏”に大きく脱皮しようとしている」という文があり、福島県の人口や世帯数、年間個人所得総額、工業年出荷額が東北1位で、多くの経済指標が他の東北5県平均を上回っていると自負している。首都圏を自称する福島県は確かに郵政省の民放四波化政策を待たず1980年代に民放4局化まで進むほど豊かな県であるが、その福島のFCTが青森のATVに並ばれてしまうというのは、中村菊三が抱いたフジテレビの一括料金体制への懸念というのが可視化された結果そのものなのではないかと思う。
■まとめに
以上より、ATVがフジテレビよりTBSをキー局に選んだ理由は2つになろう。
1つ目は、FNSの一括料金体制への懸念。
2つ目は、地理的に青森にJNNの報道拠点を置きたかったTBSの熱心な勧誘。
田澤吉郎がフジテレビの右寄りな姿勢を嫌ったという説は根拠が見つからないし、右寄りの「正論路線」を推進していた鹿内信隆率いるフジテレビでも忌避した防衛庁PR番組「ミミの体当たりレポート」の放送をATVが全国で唯一貫徹したことは、左翼団体の国民文化会議をして田澤吉郎が孤塁を守った結果と目しているくらいなのである。
ATVがTBS系で開局したことで、RABにとってはHBCやIBCの青森県における訴求力を削ぎ落とす作用があったのは間違いないが、それはあくまでも副作用的なものであり、RABや東奥日報がATVのTBS系加盟を望んだというものではないだろう。
その後1980年代以降のフジテレビが鹿内春雄体制となり、「軽チャー路線」で大成功することになろうとは、中村菊三も予想できなかっただろう。
それでもフジテレビ台頭後もTBS系の視聴率は日テレ系やテレ朝系より好調だったので、中村菊三に誤算があったとすれば、1990年代以降のTBSの番組人気低下や信用低下(オウムビデオ問題など)、それとほぼ時を同じくしてNTVの視聴率がTBSを置き去りに首位に登って行き、NTVとフジテレビの2強時代になってしまうことだろう。
小山内豊彦(1997)は、ATVが仮にフジテレビ系で開局していればの話として、「青森県の若者は今頃“何故、青森ではTBSの番組が見られないんだ！”と東奥日報の明鏡欄にせっせと投稿しているのであろうか」と指摘している。
それはまさにTBSがない秋田県の状況に似ていたかもしれないが、秋田と青森の決定的な違いはHBCやIBCなど県外のTBS系が青森県では比較的受信しやすかったことである(地デジでHBCの受信は難しくなったが)。
もしATVがフジテレビ系で開局していれば、HBCやIBCの存在感は今よりはるかに大きく、青森ケーブルテレビはUHBではなくHBCを区域外再放送していただろうし、HBC東北支局(青森市)も閉鎖されることなく青森市で活動を継続していたかもしれない。
◆引用文献・参考文献・ウェブサイト
・アイビーシー岩手放送(2003)「IBC岩手放送小史」
・青木貞伸編著(1981)「日本の民放ネットワーク : JNNの軌跡」
・青森テレビ(1978)「青森テレビ十年の歩み」
・青森放送(1980)「青森放送二十五年史」
・小山内豊彦(1997)「眠れるメディア“テレビ”─青森から考える地域密着チャンネル」北の街社
・国民文化会議(1974)「はねかえされた自衛隊宣伝番組─ミミの体当たりレポート─」国民文化170号
・境政郎(2020)「そして、フジネットワークは生まれた」扶桑社
・鈴田敦之(1985)「経済界人脈交流図 人脈・金脈はこうしてつかめ! 改訂版」ロングセラーズ
・中村菊三(1974)「私の政局談義 上巻」
・福島中央テレビ(1970)「燃えろFCT」
・福島中央テレビ(1980)「燃えろFCT PART�供�
・藤子・F・不二雄監修(1980)「新ドラえもんオール全百科」小学館コロタン文庫
・フジネットワークシステム(2001)「FNSのあゆみ」
・渡部喬一(1979)「早稲田大学の栄光 甦るか早稲田ロマンチシズム 建学百周年記念ドキュメント」Gendai book
・拙稿(2024)「ABSは本当にTBS系を希望したのだろうか？」
・拙稿(2024)「HBCの青森県での足跡を追う回」
・拙稿(2024)「電電公社・逓信省 超短波/極超短波方式電話回線図」
・拙稿(2025)「フジテレビ鹿内信隆の津軽のルーツ 鹿内為右衛門と鹿内禹平の謎」
・アイビーシー岩手放送(2003)「IBC岩手放送小史」
・青木貞伸編著(1981)「日本の民放ネットワーク : JNNの軌跡」
・青森テレビ(1978)「青森テレビ十年の歩み」
・青森放送(1980)「青森放送二十五年史」
・小山内豊彦(1997)「眠れるメディア“テレビ”─青森から考える地域密着チャンネル」北の街社
・国民文化会議(1974)「はねかえされた自衛隊宣伝番組─ミミの体当たりレポート─」国民文化170号
・境政郎(2020)「そして、フジネットワークは生まれた」扶桑社
・鈴田敦之(1985)「経済界人脈交流図 人脈・金脈はこうしてつかめ! 改訂版」ロングセラーズ
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・福島中央テレビ(1970)「燃えろFCT」
・福島中央テレビ(1980)「燃えろFCT PART�供�
・藤子・F・不二雄監修(1980)「新ドラえもんオール全百科」小学館コロタン文庫
・フジネットワークシステム(2001)「FNSのあゆみ」
・渡部喬一(1979)「早稲田大学の栄光 甦るか早稲田ロマンチシズム 建学百周年記念ドキュメント」Gendai book
・拙稿(2024)「ABSは本当にTBS系を希望したのだろうか？」
・拙稿(2024)「HBCの青森県での足跡を追う回」
・拙稿(2024)「電電公社・逓信省 超短波/極超短波方式電話回線図」
・拙稿(2025)「フジテレビ鹿内信隆の津軽のルーツ 鹿内為右衛門と鹿内禹平の謎」
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