定期的に(といっても年に1回くらい)当ブログやXアカウントに、AKT大館局は青森県内で受信できないのかという質問が来る。
最初に私の考えをいうと、青森県内でAKT大館局は受信不可である。
もちろん高い山の上など人が住んでいない場所なら受信可能地点はあるが、集落や住宅地など人が住んでいる地域では受信不可である。もっとも可能性が高そうな平川市(旧平賀町)の季節集落・善光寺平でも、かろうじてワンセグになるかどうかであった。
【大館市街地でATV青森局にアンテナを向ける家は多い】
青森市や弘前市など津軽地方の大部分にとって最も身近な秋田県の自治体が大館市であるし、大館市ではATVの受信可能地域があり大館ケーブルテレビの区域外再放送で民放4系列(ABS、AKT、AAB、ATV)が視聴できる事情もあるので、津軽の人がAKT大館局を受信できないかと思うのかもしれない。
当ブログとしてはAKT大館局の受信は無理だと考えているものの、まだRadio mobileでのシミュレーションをしておらず、せっかくなのでシミュレーション結果を今回記事化することにした。
AKT大館局はUHF18ch(503MHz)で、大館市の大山山頂(376m)にある。
私も一度だけ訪問したことがあるが写真を撮影したガラケーがお亡くなりになっており、当時の記憶もあいまいなため、ぽいふる氏などネットの訪問記録などを参考にした。送信高は大山の標高+20mくらいだろうと適当に395mと推定した。青森県方向には送信アンテナ面がないということで、函館局のシミュレーション用に偽造自作したアンテナデータを回転させ、大山から90°、180°、270°の方向のみに実効輻射電力(ERP)=25Wで送信するシミュレーションを実施した。
【Radio mobileで作成したAKT大館局推定受信電界強度MAP】
ご覧の通りで、AKT大館局が良好に受信できる60dBμV/m以上の電界強度を示すエリアは、青森県側にまったくない。ERPが25Wと弱いことと、北方面(0°方向)への送信指向性がないため、県境地帯の大日影山などの尾根でさえ怪うい結果がでた。
当ブログの経験則でしかないが、山岳回折伝搬も回折点となる山の時点で60dBμV/m以上がなければ困難だと思っており、青森県側でAKT大館局の山岳回折波を受信することも非常に困難だと考えている。
【黒石市・南津軽郡方面のAKT大館局推定受信電界強度MAP】
AKT秋田局は陣場岳や田代岳などの山岳回折で弘前市や五所川原市にも受信可能地点をもたらすが、黒石市にはAKT秋田局受信可能地点が見つからないこともあり、大館局に期待したい気持ちはわからなくもないが現実は厳しい。
仮にAKT大館局が使う微弱な電波が到達しても、同じ18chで黒石市内にはATV西十和田局もあり、混信をかわせない限りどうにもならない。
【旧碇ヶ関村のAKT大館局推定受信電界強度MAP】
大館と矢立峠を挟んで隣り合う旧碇ヶ関村も、人が住んでいる碇ヶ関中心部、久吉、古懸のいずれの地区の集落地でもAKT大館局の受信は非常に困難であろう。
前述の山岳回折伝搬も可能性としては低く、村の各地とも険しい地形の影響で多重回折となり極めて困難な条件になる。さらに、こちらもABA大鰐局が18chであり、混信をかわすことは極めて困難だろう。
大館市が青森県から身近な都市であるだけにもどかしく思うが、AKT大館局を青森県側で受信することは困難であるというのが当ブログの考えになる。
それから蛇足であるが、AKT大館局に訪問しようと考える人がいるかもしれないが、私は「二度と行きたくない」悪路である。途中で引き返すことも難しい林道で砂利のわだちも非常に深く、かつて私は訪問時に自家用車の下部を損傷した。既に訪問者の先人たちの記録がネットにゴロゴロ転がっているので、十分であろう。
また、青森県でAKT大館局が映らないのは別に青森県に意地悪をしているとかではなく、法律で定められた放送区域が順守されているだけであり、くれぐれもAKTにクレームを入れたりは絶対しないように。
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最初に私の考えをいうと、青森県内でAKT大館局は受信不可である。
もちろん高い山の上など人が住んでいない場所なら受信可能地点はあるが、集落や住宅地など人が住んでいる地域では受信不可である。もっとも可能性が高そうな平川市(旧平賀町)の季節集落・善光寺平でも、かろうじてワンセグになるかどうかであった。
青森市や弘前市など津軽地方の大部分にとって最も身近な秋田県の自治体が大館市であるし、大館市ではATVの受信可能地域があり大館ケーブルテレビの区域外再放送で民放4系列(ABS、AKT、AAB、ATV)が視聴できる事情もあるので、津軽の人がAKT大館局を受信できないかと思うのかもしれない。
当ブログとしてはAKT大館局の受信は無理だと考えているものの、まだRadio mobileでのシミュレーションをしておらず、せっかくなのでシミュレーション結果を今回記事化することにした。
AKT大館局はUHF18ch(503MHz)で、大館市の大山山頂(376m)にある。
私も一度だけ訪問したことがあるが写真を撮影したガラケーがお亡くなりになっており、当時の記憶もあいまいなため、ぽいふる氏などネットの訪問記録などを参考にした。送信高は大山の標高+20mくらいだろうと適当に395mと推定した。青森県方向には送信アンテナ面がないということで、函館局のシミュレーション用に
ご覧の通りで、AKT大館局が良好に受信できる60dBμV/m以上の電界強度を示すエリアは、青森県側にまったくない。ERPが25Wと弱いことと、北方面(0°方向)への送信指向性がないため、県境地帯の大日影山などの尾根でさえ怪うい結果がでた。
当ブログの経験則でしかないが、山岳回折伝搬も回折点となる山の時点で60dBμV/m以上がなければ困難だと思っており、青森県側でAKT大館局の山岳回折波を受信することも非常に困難だと考えている。
AKT秋田局は陣場岳や田代岳などの山岳回折で弘前市や五所川原市にも受信可能地点をもたらすが、黒石市にはAKT秋田局受信可能地点が見つからないこともあり、大館局に期待したい気持ちはわからなくもないが現実は厳しい。
仮にAKT大館局が使う微弱な電波が到達しても、同じ18chで黒石市内にはATV西十和田局もあり、混信をかわせない限りどうにもならない。
大館と矢立峠を挟んで隣り合う旧碇ヶ関村も、人が住んでいる碇ヶ関中心部、久吉、古懸のいずれの地区の集落地でもAKT大館局の受信は非常に困難であろう。
前述の山岳回折伝搬も可能性としては低く、村の各地とも険しい地形の影響で多重回折となり極めて困難な条件になる。さらに、こちらもABA大鰐局が18chであり、混信をかわすことは極めて困難だろう。
大館市が青森県から身近な都市であるだけにもどかしく思うが、AKT大館局を青森県側で受信することは困難であるというのが当ブログの考えになる。
それから蛇足であるが、AKT大館局に訪問しようと考える人がいるかもしれないが、私は「二度と行きたくない」悪路である。途中で引き返すことも難しい林道で砂利のわだちも非常に深く、かつて私は訪問時に自家用車の下部を損傷した。既に訪問者の先人たちの記録がネットにゴロゴロ転がっているので、十分であろう。
また、青森県でAKT大館局が映らないのは別に青森県に意地悪をしているとかではなく、法律で定められた放送区域が順守されているだけであり、くれぐれもAKTにクレームを入れたりは絶対しないように。
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コメント
コメント一覧
コメントありがとうございます。
秋田テレビ大館局は非常に厳しいと思われます。黒石あたりではスタックしても厳しいのではないかと思っています。
三沢のめんこいテレビ二戸局も、岩木山のさくらんぼテレビ鶴岡局も、どちらも見通しにあるから映るもので、黒石の街中では大館局は見通しがありませんし、山岳回折も成立せず受信できないことになります。
aomori226様の記事を参考に遠距離受信に挑んだところ、成功しました。
使用器具はLS306TMH、UB45SS、UB18L-Pです。これでギリギリといった感じなので混合はせず秋田向け一本のみです。
当地は函館波が受信できる場所があり、自家では確保できなかったのは残念ですが、フジ系確立という目的は達したので良しとします。
今後も記事を楽しみにしております。
ありがとうございました。
コメントありがとうございます。
AKT遠距離受信成功おめでとうございます！
この記事にある大館局ではなく、秋田局(大森山の親局)ということですよね？
本当は函館局が取れれば一番なんですよね。
当地も鶴田の鶴寿橋まで行けば函館局が映るわけですが、だんだん秋田では物足りなくなってきます。テレ東系のTVhの存在も大きいのですが、やはり秋田より札幌のテレビ局の方が見ごたえがあります。
ともあれ、AKT遠距離受信者が増えてうれしく思います。
函館波受信ポイントが自宅近辺だったため用意した306TMHですが、自家では全く無反応。306も秋田向けでは弱かった為、諦めて青森向けにしてもらいました。
業者(アンテナ専門ではない)引き上げ後に記事を読み返し、21chの利得が最大の306TMHにダメ元でラインブースターを追加してアンテナを取り替えたところ、ときおりノイズが入る弱いレベルですがある程度は安定しています。
参考までにDIGAでmax42〜min36程度になります。
向けているのはもちろん陣場岳&陣岳方向の秋田親局です。ただ自家ではその方向に木があるためそれで弱いのではとおもってます。
改善策としてANP-UKに変える、アンテナ業者に角度高さ調整を依頼する等まだまだ楽しめそうです。
無知を晒すようで恥ずかしいですが、夜だと減衰するのでしょうか？天候に左右されるのは拝見したのでわかります。朝夕で変わるというのは 記事でありますでしょうか？もしあったら知見不足で申し訳ありません。
長文失礼いたします。
コメントありがとうございます。
秋田からの電波到来方向に木があると弱くなる原因になると思います。
時間帯によって変わるかどうかは、その日による部分もあるため何とも言えませんが、あまり朝夕で大きな変動はないと思います。このコメントを書いている現在は「あだまっこ体操」がシャープのアクオスでレベル51〜52くらいで安定しています。
それから、陣場岳も陣岳も良い回折コースなのですが、陣場岳と陣岳の中間付近を通るコースですと、青森県側の盆台森に引っかかるので少し弱いかもしれません。